ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2010年5月15日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:丸橋 広和(修士課程2回生)、竹内 光(修士課程 2回生)、広瀬 稔(修士課程 2回生)

実施場所:理学部3号館109号室

カードをシャッフルする章の残っていたところが終わった。オイラーの公式の応用の2つ目をやった。その後基底の説明をしてもらった。

   

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は久しぶりに確率をしましたが、少し思い出すのに時間がかかりました。思い出してもとても難しかったです。
  • 分からないながらも頑張った。理解できるよう努力したいです。
  • 今回は、説明の番だった。あやふやな部分を残してしまっていたが、教えてもらうと、理解できた。まだまだ「行間を読む技術」が未熟だと思う。あと少しになったけど頑張りたい。
  • 複雑な計算式のない図形の問題は理解しやすかった。
  • 4時間30分黒板とノートに向かっていたので疲れた。次は発表なので頑張る。
  • 知らない知識を使う問題だったので理解するのが大変でしたが、楽しかったです。

物理   

常見 俊直(研究員) 

チューター:野沢 勇樹(修士課程1回生)、渡邉 大樹(学部4回生)

実施場所:理学部5号館511号室

前半は、本実験ミューオンの寿命測定の原理を学び、どういう回路を組めば寿命測定ができるかを議論した。その後役割分担を決め、後半は実験室で、ミューオンの寿命測定をはじめられるようにそれぞれの作業をした。

 
ミューオンの寿命測定の原理の説明 NIM担当班 & DAQ担当班
VHDL担当班

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 本実験開始!!でも正体不明のバグにより結局データを取るまでは至りませんでした。次回にはデータを取り始められるようにがんばります。
  • 今日は宇宙線の寿命を計測するために、どのような回路にしたら良いか考えました。回路を考える上で、根本的に分かっていなかったことが見つかり説明してもらえて良かったです。皆で案を出しながら考えると、難しい問題なのに楽しく出来て充実していました。最後まで参加出来ず、答えにたどり着けなかったのは残念ですが、実験が楽しみです。
  • ようやく本実験が始まりました。本実験と言いつつ結局実験はできなかったけれど、スケーラーぽいものというかカウンターができたのでよかったです。
  • 今日は高尚な(!?)実験ができてよかったです。NIMを本格的に使えたところがよかったです。次回が楽しみです。
  • NIMモジュールにひたすらLEMOケーブルを抜き差ししていました。PMTから信号をCoincidenceにかける所まではいったのですが、3つのうち1つのシンチレーターの調子が悪く、いろいろと取り替えているうちに終わってしまいました。結局シンチの調子がよろしくないということで、次回にはちゃんとした信号が見たいです。
  • 回路を考えるのはすごく難しかったです。チューターさんに説明していただいて少し理解することができました。本番の実験では記録するのが大変だったのですごく集中できました。わからないこともまだありますが、発表に役立てるようにがんばって記録していきたいです。
  • ゲーブリングの配線がごちゃごちゃで難しかった。特に機器を通してつながっているやつは頭がこんがらがる。間違えないように次回も注意したい。

天文

長田哲也 (宇宙物理学教室 教授)

チューター:禅野孝広(特別講師) 義川達人(修士課程2回生)

実施場所:理学研究科4号館5階会議室

簡単な分光器を作成し、光の色ごとの波長を求めることを目指す。

導入として、(透過型)回折格子を用いて分光ができる説明を行った。 次に、分光器を黒紙やCD片を用いて作成した。また、回折格子の公式から、それぞれの色(波長)の光が分光器上のどの位置(角度)に見えるのかを計算した。 自然光や蛍光灯の光を観測し、その違いを確認したり、先の計算結果から光の色ごとの波長を求めたりした。

黒紙とCD片で簡単な分光器の作成。 自作した分光器で蛍光灯や自然光が分光できているかを確認。
分光器で得られた結果から、それぞれの色の光の波長を計算。

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 面白かったです。CDを使って分光器が作れることに驚きました。メートルや秒の決め方の話が興味深かったです。時代によって定義は変わるのだなぁと思いました。分光器を使うと、光の正体がよく分かる気がします。昔は、光はただ白や黄という一色だと思っていましたが、それは多くの色が重なっているからそのように見えるのかなと感じました。興味深いお話がたくさん伺えて非常に楽しかったです。世界は何個もあるのかなと、ブラックホールのお話を伺って思いました。
  • 毎回のことだけど、学校では出来ないような実験をさせてもらえるので本当に楽しいです。後残り数回ですが、楽しくやっていきたいです。
  • 図画工作の授業みたいで楽しかった。CDの破片と厚紙で作るあたりがお手軽な感じで、最先端科学にも、こういった一般的なもので行う実験が理解に役立つことがあると分かって、よかった。
  • 今回の体験学習は分光器を自作して光の波長の長さを求めるというテーマで、工作もとい実験を行いました。作っている間は、色々と時間がかかり、不具合が起こった時の対処に手間取るなど大変でした。なんとか完成して分光の計測、計算をしたのは、普段は分光を「きれいだね」と見るだけに留まっていたところから更に進んで実験できたと思い、とても充実した時間でした。でも、最後のブラックホールの質問時間が一番楽しかったかもしれません。

生物

井上英治 (動物学 人類進化論研究室 助教)

チューター:西川真理(博士過程4回生) 川添達朗(博士課程3回生)

実施場所:嵐山モンキーパークいわたやま

「嵐山モンキーパークいわたやま」にてニホンザルの行動観察をおこなった。2名1組のチームに分かれてチーム毎に1頭のニホンザルを追跡対象とした。追跡個体の活動内容を1分ごとに記録することでサルの活動データを収集し、オス・メス・コドモで活動時間配分にどのような違いがあるかを議論した。行動観察の後はサルにエサを与えながらサルの手足の構造や頬袋の使い方等を観察した。

ニホンザルについて説明 個体追跡によるデータ収集
至近距離での観察

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 第1位のオスを追跡したが、リンゴを食べた後は自分の毛づくろいに夢中になっていた。一人でいることが多くトップに立つと孤独になるのかなと思った。
  • サルの足は人の足より人の手に作りが似ていることに気付いた。手相と指紋があることも分かった。行動観察では毛づくろい以外は意外と単独行動が多いように思った。威嚇は怖かったがサルは可愛かった。
  • コザルは大きな動きがなくて退屈だった。毛づくろいをされているときは目をつぶったりして可愛かった。「遊び」という行為を観察したかった。
  • サルを間近に観察して人間との相似な点や意外な一面を見ることができた。動物の日常を見れて本当に良かった。
  • サルを1頭に限って観察すると,意外とおとなしくて驚いた。
  • 実際に生活しているサルを観察してみて意外とじっとしていたり休息していることが多い事が分かった。1頭のサルをずっと観察することでサルの日常を知ることができた。

化学

加納太一 (有機合成化学研究室 講師)

チューター:坂本龍(修士課程2回生)中津大貴(修士課程2回生)

ボランティア:牧野拓紀(修士課程1回生)

実施場所:理学部6号館763号室

前回各有機触媒(DL-プロリン、L-プロリン、ピロリジン、酢酸、当研究室で合成した有機触媒)を用いて仕掛けた反応の進行状況をTLCで確認後反応を止め、PLCによる目的生成物の精製を行った。その後、生成物の光学純度をHPLCにより決定し、各触媒による反応性およびエナンチオ選択性の発現の違いについて議論した。

PLCによる精製の準備 展開層へのPLCのセット
LCサンプルの調整  

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • ちゃんと不斉の作り分けができてました。いろいろトラブルもありましたが、無事終わってよかったです。
  • エバポレーターやその他の機器の使い方を学びました。少しトラブらせてしまい申し訳なく思っています。
  • 前回作ったものにさらに操作を加えて、LCを使って分析した。DL-proline 3%ee; L-proline 67%ee; 人工の有機触媒 95%ee; pyrrolidine 1%ee という結果だった。やはり人工のもののほうが良い結果が出た。
  • 今日はDL-proline,L-prolineと人工の有機触媒で分析を行いました。どの分析もきれいに結果が出て、とても分かりやすかったです。また実験途中に反応のなかったものもあり、新たな疑問が生じ、それについて考えることができました。今回の実験では同じ実験動作を何回もすることができて、使い方を覚えれたのでよかったです。最先端の実験道具を使うこともでき、「貴重な体験をしているんだな」とあらためて思いました。ELCASプログラム残すところ、あとわずかになってしまったので、1回1回大切にしたいです。