ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年1月10日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

森脇淳 教授
チューター:木村嘉之(博士課程 2回生),長尾 有晃(博士課程 2回生)

実施場所:理学研究科 3号館 109号室

前回やったP.ホールの結婚定理について、これからもたびたび使用することになるため、演習問題を2題出し、それについて高校生に考えてもらった。また、集合と写像やグラフの概念を用いて、同じ問題が異なった見かけをもつように変形できることを理解してもらった。

受講したELCASメンバーの感想文

  • ガロア理論がどんなものかはとても難しいとのことでしたが、二次方程式など今まで普通に使っていたものを全く違う視点から見ることが出来て面白かったです。
  • 今日、拝聴した講義はとても難しく、途中からは睡魔と戦っていました。数学は、代数や幾何の複雑そうな関係を利用していくので、本当に正しいのかさえ、分かりにくいので、もっと論理的な考えを身に付けていきたいと思いました。
  • ガロア理論については、やっぱり何か分からなかってけれど、ガロア理論で考えることによって、すばらしい思いつきが出来ることに感動した。とくに置換が三角形の対称性ででも考えられれるというのがすごいと思った。
  • 代数方程式のガロア理論が代数的可解性の問題や、超幾何微分方程式などにまでつながっているというのことがとても感心しました。
  • すごく面白いところもあったけど、何を言っているのか全然わからないところもあった。
  • ガロア理論を使って、幾何学的に高次方程式を解くのは、おもしろかった。方程式を解く時今まで、直線、曲線しか使わなかったので、新しい解き方は見ていて楽しかったが、自分ではその解き方は使いたくないと思った。
  • 三次方程式の解の公式ってあることは知ってたけど、どうやって作るのかとか、全然知らなかったし、どういう風に考えるのか予想もつかなかったけど、今日聞いて、なんとなく作り方が分かってよかった。

物理

今井 憲一 教授
チューター:佐田優太(修士課程1回生),酒向正己(修士課程1回生)

実施場所:理学研究科 5号館 319号室

物理学の歴史と、どのようにして理論ができていき、どの矛盾を解決するために新しい体系ができていったか、また今まだ解決していない物理の問題についての講義。


講義の様子その1

講義の様子その2

受講したELCASメンバーの感想文

  • 数学の講義のガロア理論の話はとても面白かった。
  • 今日は、今までに発見されたものと未解決の問題についてやったのだが、関係があるとかないとか、どこを根拠に決めているのかいまいちわからなかった。
  • 様々な未解決問題などを知ることができ、効率よく今後の進路、将来の研究対象を決めることができそうです。

天文

野上大作助教 
チューター:前原裕之(機関研究員),大島誠人(修士課程)

実施場所:花山天文台

前回までに解析した星の明るさの変化のデータから、極大と極小の光の強さの比を求めた。また、極大の時の温度と極小の時の温度に相当する黒体放射のスペクトルから、VバンドとBバンドでの光の強さを求め、観測された極大と極小の光の強さの比を説明するためには、星の半径が極大と極小でどの程度異なっているかを調べた。


温度と黒体放射について解説しているところ

実際に黒体放射のスペクトルのグラフを作成してみたところ

受講したELCASメンバーの感想文

  • 前回から日が空いたので忘れていたこともありましたが、オープンオフィスの使い方がわかるようになってきました。 これまでの成果をみんなで発表するのが、とても楽しみです。 次回も頑張ります。
  • Excelの操作には慣れたので、作業がある程度スムーズにいった. 〈たった一つの波長〉の光量で、脈動変光星の直径の変化がだいたい求められた。
  • エクセルでグラフや関数計算をする操作には大分慣れたので良かった。脈動変光星の光度変化に伴う半径の変化が計算により求まった。予想通り半径が小さい時ほど放出するエネルギーは多いようだ。これは半径が小さい時の方が気体の密度が高く、分子間の衝突が多いため反応がよく進むからではないかと思う。
  • 前回休んでしまって皆のペースについていくのが大変だった。チューターの方達にも迷惑をかけてしまったので、できるだけ休まないようにしたい。それでも最後には追い付き、光度の比率を求めることができて良かったのと同時に、やはり少しホッとした。3月の天文学会での発表を成功させることができればいいなと思う。
  • 今回の実習では、データから星の様々な特徴を調べることができるのが、とても興味深かったです。

生物

岡田徹也 助教 
ボランティア:石川時郎(修士課程2回生),小篠里和(修士課程 1回生)
実施場所:理学部1号館317,320号室

蛍光タンパク質を利用して、タンパク質が細胞内を移動する様子を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。また、蛍光タンパク質で特定の組織を光らせたメダカを観察した。


共焦点レーザー顕微鏡による細胞の観察

共焦点レーザー顕微鏡で取得したデータの整理

メダカの観察に使用した実体蛍光顕微鏡
 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日はGFPをたくさん使ったので、あらためてさすがノーベル賞と思いました。最初は小胞体が光っていて、次はゴルジ体が光っていたらしいけど、場所によって微妙に光り方がちがったのが面白かったです。後半はちっちゃいメダカが光っているのを見せてもらって、実際に生きているものにも使っているのはリアリティがあって楽しかったです。こういうのは、色々なことに生かせそうだなと感じました。
  • 今日はYFPという黄色蛍光タンパク質を使って、ハムスターの細胞をみることができました。今まで何回か使ったことのあるGFPとは違って、今日のYFPは細胞を黄色に光らせることが出来、緑以外で光らせることができることに驚きました。他にも青や赤にも染められるそうです。今日は他にもメダカをGFPで光らせたものも見れました。透明なメダカを緑で染めたのを見るとなかなか綺麗かったです。がんばって呼吸しているのがかわいかったです。低温室がとても気持ちよかったです。また入りたいです。
  • 今日は蛍光タンパク質を使って、タンパク質の細胞内での局在変化を観察した。まず、ハムスターの卵巣の細胞に細胞小器官の働きを阻害する薬品を入れてタンパク質がどのように動くのかを観察した。次にメダカの体内で異なる二種のタンパク質がどの部位に発現しているのかを観察した。緑色の斑点を体中に浮かべるメダカの稚魚は怪しかったが、少し神秘的にも思えた。残りの時間で研究室見学では、低温実験するための部屋など、興味深い装置をみることができた。最後に、お世話になった先生方、チューターの皆さん、本日はありがとうございました。
  • 今日はリアルタイムイメージングによるタンパク質の細胞内局在変化の観察をしました。ハムスターの細胞をYFPで光らせて観察しました。綺麗でした。刺激をしたら別の細胞小器官にタンパク質が移動するのにびっくりでした。楽しかったです。後はメダカにGFPを入れて光らせているのを見ました。生きていて動いているのに光っていて可愛かったです。メダカの飼育室を覗いて、いっぱいいてとても可愛かったです。
  • 今日は光るメダカを見た。メダカはいっぱいいて、一匹一匹が光ったら少し気持ち悪いなあと思った。ハムスターやメダカの細胞は元がメダカやハムスターだとは全然分からなくて、生き物はとても複雑で、それを知ることは大変なことなのだと知った。光タンパク質はそういうことを知るのを手助けしていて、ノーベル賞を取るのも納得だなと思った。
  • 今日はタンパク質をGFPを使って光らせたのを観察しました。メダカの稚魚の体内にあるタンパク質の光る様子を見ました。プロモーターによって光る部分が違って、なんとなくプロモーターのする役割がわかった気がしました。その後、ハムスターの細胞の観察をしました。薬品を入れると、初め光っていた部分が変わりました。1つの薬品をいれるだけで変化したのが少し驚きでした。