ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2008年12月20日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

森脇淳 教授
チューター:木村嘉之(博士課程 2回生),長尾 有晃(博士課程 2回生)

実施場所:理学研究科 3号館 109号室

前々回やったベルトランの仮説の証明の残りの部分と、有限集合の部分集合族に対し、各々の部分集合からひとつずつ、重複なしに元を選べる必要十分条件を述べたP.ホールの結婚定理について、二人の高校生に説明してもらった。輪読している本「天書の証明」の2章と22章に当たる。結婚定理については、具体的な例を通じて理解してもらえるように努めた。


物理

今井 憲一 教授
チューター:佐田優太(修士課程1回生),酒向正己(修士課程1回生)

実施場所:理学研究科 5号館 511号室

C言語の基本的な使い方を中心として指導。 コンパイラのインストールから始め、実際に一つ一つのプログラムを自分たちで作ってもらいながら、実習を行いました。具体的には、算術計算、ファイルの読出し・書出し、条件文の使い方、変数の型について学びました。

全員プログラミングは初めてということもあり、皆苦労しながらの実習となりましたが、今回の実習内容は次回以降に行う数値シュミレーションの理解に役立てられると思います。


講義風景

講義を聞きながら実際にプログラミングをしている

うまくプログラムが走らないということに対して、個人的に指導中。

受講したELCASメンバーの感想文

  • パソコンを使うことは思っていたよりも高度なことであったが、いつもパソコンを使うわけでもないのに、とても分かりやすくて、本当によかったと思いました。家でも少しずつ使ってみたいと思います。
  • C言語って難しいと思った。何をどうすればどうなるか自分でも実験してみたいと思う。これが今後どのように使用されるか楽しみ。
  • プログラムをつくるのは初めてだったのですが、内容が理解できてよかったです。プログラムをつくるのは難しそうで、自分には無理だと思っていたのですが、案外上手くいけて楽しくてよかったです。
  • プログラミングには興味があったのですが、面倒臭そうなので、なかなか自分ではやってませんでした。しかし、今日はとっかかりを貰えたので、これからはもっと積極的にプログラミングをしていきたいと思います。
  • 今日はプログラミングの講義でした。速い進行でしたが、分からない所を丁寧に教えてもらい、とても分かりやすく理解することができました。

天文

北井礼三郎准教授, 野上大作助教 
チューター:渡邉 晧子(修士課程 2回生),阿南 徹(修士課程 1回生)

ボランティア: 石井 貴子(研究員)
実施場所:花山天文台

前回までに観測した太陽スペクトルのデータの計算機を用いた解析を行った。 太陽研究者が使用する解析ソフト(IDL)を使用して、画像の表示、スペクトルのグラフ化、光のドップラー効果を用いた太陽自転速度の計算を行った。 自転速度の計算の手順については、初回に紙と鉛筆で行っており、今回は、それを計算機を用いて解析した。 三グループに分かれてLinux OS上でIDLを使用し、太陽の東の縁と西の縁での自転速度を求めた。基準の線と太陽の線の位置を正確に出すことに注意した。 この作業を各自のノートパソコンのエクセルを用いてスペクトルのフッィティングを行って極小値を求めるのを次回までの課題とし、IDLを用いてテキスト形式にデータを保存し、各自のノートパソコンにコピーした。エクセルでのフッィティングについて方針を検討した。


Linux計算機へログインしたところ

IDLを用いて解析中
IDLを用いて解析中

受講したELCASメンバーの感想文

  • WINDOWSじゃないパソコンって、なんか研究者っぽい感じだった。英語とブラインドタッチがいかに大事なのかが分かった。研究者が使っているソフトをつかえるなんて、いい経験したな~。
  • パソコン用語は、最初聞いたときすごく難しくて暗号にみえましたが、何度か同じ操作を繰り返したり質問して、わかるようになりました。IDLの考え方はなれるとわかりやすくて、もっと使ってみたいと思いました。
  • PCをあつかってやる今日の授業(実習)では、たくさんの難しいことがでてきましたが、細かい所まで教えてくれたので納得のできゆ有意義なものとなりました。同じ作業をくりかえしたけど、エクセルでできるかが少し疑問です。でも、楽しかったし、好奇心が満たされた一日でした。
  • 大画面で三人で協力して作業したので楽しかった。私はパソコンとか機械がひどく苦手なので、得意な人がほとんどやってくれたのでスムーズに進めることができた。でも途中で何をやってるのか難しくて、理解に苦しむ部分もあり役に立たなかったと思う。本当に一人では終わらせられなかったと思う。2回目以降は少しずつ単語の意味や数字の意味がわかるようになって、ほんの少し作業に加われるようになった。きっと何度もやれば、用語もタイピングも慣れてくると思う。それまではチューターの先生や友達に手伝ってもらいながら地道に頑張っていこうと思う。
  • 最初プリントを配られた時は、何が何だかわかりませんでしたが、やっていくにつれ、だんだんと理解でき、このIDLは、とても便利だなと思いました。なぜ、グラフのでこぼこのはばに広がりがあるのかが、わかりました。(地球と太陽の関係の場合のみ)さらに、作業の過程で地球の自転速度を求める際、普段勉強している数学が密接にかかわっていて、数学の偉大さを再確認することができました。
  • 天文台には、熱血教師がいます。
  • 今日、はじめてプログラミングをした。打つのが遅かったり、打ち間違えたりしたが、太陽のスペクトルのグラフを出せたのは感動的だった。早くマスターできるように頑張りたい。

生物

藤吉好則 教授 
チューター:犬飼さや香(修士課程 1回生),北川和也(修士課程 1回生)
ボランティア: 廣明洋子(ポスドク),西川幸希(ポスドク),鈴木博視(ポスドク)
実施場所:理学部1号館414・構造生理学棟

マウス小腸組織の超薄切片試料作成とバキュロウイルスの負染色によるグリッド作成を行い、透過型電子顕微鏡で観察した。また水チャネルの3Dマップを観察した。


超薄切片試料の作成

負染色試料の作成

電子顕微鏡観察
 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 実習の中でつよく感じたのは、「細胞ってすごい!」ということでした。生き物はいろんな細胞が一つになってできているんだなーと考えると不思議な感じがしました。実習の後見学させてもらった電子顕微鏡は、ここの研究室の偉大さみたいなものを感じました。初めてあんなに大きな顕微鏡を見て感激でした。
  • 今日はとにかく電顕のすごさを感じました。いろいろな種類のいろいろな性能のものがあって威圧されました。小腸の細胞を見てるとき有名なミトコンドリアの二重構造や、リボソームが見えて感動しました。もう一つのウイルスも絶対に光学顕微鏡で見えないものなので、いい機会になりました。最後に見せてもらった立体の画像はすごくわかりやすくていいなと思いました。
  • 染色したり、切ったりいろいろして楽しかったです。なんかめちゃくちゃお金がかかっててすごいなーと思いました。日常的にこんなことができたら楽しそうでいいなーと思いました。京大はなんでこんなにお金がかかってんのか。細胞の構造とかがかなり詳しく見れてよかったです。
  • 今日はむっちゃテクいことをした。3億円の電子顕微鏡を見ました。むっちゃ高そうですぐ壊れそうでした。後は最新の3Dのやつとかを見たりして感動しました。あとはウイルスを自分でグリッドにのせて電顕で見ました。うにょうにょしていて面白かったです。あとは動物の小腸を見ました。柔毛の先にある細毛もみれてよかったです。
  • 今日の実験では,手先を使うことが多く,緊張しました.グリッドにウイルスをのせる時や,ピンセットでグリッドを扱う時は,手が震えました. 水のチャネルをコンピュータで3Dで見た時は,感動しました.とても立体的で形がわかりやすく,実験には最適だと感じました. 電子顕微鏡を使ってウイルスを探して写真を取ったりするのが楽しかったです.
  • 今日は様々な電子顕微鏡を見て,使い道によって,値段がだいぶと変わることを学びました.現代ではタンパク質をそのまま見ることができるとは,思いもしませんでした. ウイルスや細胞小器官を見せていただきましたが,それを見るためには染色や固定,脱水といった数多くのプロセスが必要だとは今まで知らず,新鮮な驚きを感じました.
  • 今日,実験はグリッドの扱いとかでかなり手先の器用さが要求されたので大変でした.細胞を見るだけでも固定したりスライスしたりとかなり時間がいることも実感できました.電子顕微鏡はすごかったです.絨毛の表面にさらに微絨毛があったなんて知らなかった. あと,藤吉先生が見せてくれた3Dの水の通過チャネルは感動しました!どうやったらあんな精密な機構が解明できるのか考えてみたいです.