体験アーカイブ・2010年3月6日
体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。
数学
チューター:丸橋 広和(修士課程 1回生)、竹内 光(修士課程 1回生)、広瀬 稔(修士課程 1回生)
理学部3号館109号室
今日は人数が少なかったので問題を出した。難しかったようでほとんどの問題が解かれなかった。
受講したELCASメンバーの感想文
- 手も足もでませんでした。
- 今回はいろいろな問題をだしあい解きました。とても難しく、すごく悩みました。
- 頭髪でこんなにもたくさんの数学の問題が作れるのか…それが最も印象に残ったことです。数学は果てしなく広いということを再認識しました。
物理
常見 俊直(研究員)
チューター:野沢 勇樹(学部4回生)、渡邉 大樹(学部3回生)
ボランティア:有山 佳奈(京女3回生)、有山 佳奈(京女3回生)、片岡 美香(京女3回生)、北岡 真依(京女3回生 )、山岸 由加(京女3回生 )、
実施場所:理学部5号館511号室
今回はα崩壊とその検出技術について学んだ。Table of Isotopesからα崩壊の例をあげて、半減期、エネルギーなどを調べた。α崩壊を検出するのに原子核乾板が使われるが、小さい写真に区切られているため、それを京都女子大学の方々に作ってもらったプログラムでつなげて、原子核乾板のパノラマ写真をみた。また、人間の目でα崩壊が起きたことを確認するのはかなり大変なので、コンピュータに学習させて認識させるようなニューラルネットワークについて、実際にコンピュータを用いて学習した。
講義の様子 | |
パソコンを用いてANNの学習 | 原子核乾板のパノラマ写真 |
受講したELCASメンバーの感想文
- ニューラルネットは難しかったですが、人間の脳の仕組みみたいなのをコンピュータ上に再現するという発想が面白いと思いました。○や△や□にノイズを混ぜて形を認識できるレベルを調べるように、画像からα崩壊の画像を探し出すというのが意外でした。次は実験がいっぱいできるというので楽しみです。
- α崩壊が中途半端で終わったのが残念だった。でもANN(人工ニューラルネット)はすごいと思った。人工知能も夢じゃないと思えた。
- α崩壊では、わずかなα粒子のエネルギーで半減期に大きな差が出ることがわかりました。変化が非常に大きかったのでおどろいた。
- α崩壊のエネルギーについて学びましたが、途中なので本質がとても気になります。ANNは人間とプログラムの間で相互的にコミュニケーションできるものとして興味深いなぁと思いました。
- 今回はα崩壊をちょっと勉強して、原子核乾板を見てからニューラルネットワークを少し勉強しました。全体的に続きが気になる感じになりました。また、ニューラルネットワークにAND(OR)回路を学習させるというのをパソコンネオ使ってやってみました。プログラムの中身がよくわからなかったので、もっと知りたいと思います。
- 時間はかかったけれど、α崩壊について少しわかった。資料の厚さに驚いた。今日も良かったです!ありがとうございました。
天文
柴田 一成(教授)
チューター:西田 圭佑(研究員)、西島 豪宏(修士1回生)、川井大輔(学部1回生)
理学部一号館531号室
前回やったことを基礎にしてfortran95を用いて数値シミュレーションをした。 生徒数が少なかったのでチューターと柴田教授が生徒の隣につき、途中 西田氏の全体への説明を挟みつつ、マンツーマンの指導を行った。 初めに、重力がある場合での垂直投射をシミュレーションし、gnuplotを用いてグラフにした。 次に、座標を二次元にして斜方投射を扱った。投射角度を変化させた複数のグラフをgnuplotを用いて重ねて表示させた。
fortranの使用法の説明 | 生徒の隣にチューターがつく |
前回の復習をしつつ実習開始 |
受講したELCASメンバーの感想文
- すごく難しかったです。
たくさん足を引っ張ってしまい申し訳ありません。
それなのに親切に何度も教えて下さりありがとうございました。
物理を履修していないので難しいですが、何とかついていきたいと思います。
プログラムはすぐエラーが出ますがその分成功してグラフが書けた時はうれしかったです。 - シュミレーションがうまくいった時は感動した。
パソコンばかり見続けていると目が悪くなりそうだが、前に天体観測をした時にずいぶん目に良かった気がするので おあいこだと思う。
今やっていることが天文分野にどうつながっていくのか楽しみ。 - だんだんとプログラムが複雑になって面白くなってきた。
生物
平野 丈夫(教授)
チューター:田中 洋光(博士2回生)、横山 まりえ(修士1回生)
神経細胞間には情報伝達の場であるシナプスがあります。シナプスを介しての情報伝達に重要な働きをしているのがカルシウムイオンです。シナプス前細胞から後細胞に神経伝達物質(グルタミン酸など)が放出されると、後細胞では膜電位が大きく変化し、それに伴って細胞内にカルシウムイオンが流入します。 カルシウムイオン濃度の変化は、カルシウムイオン濃度によって色が変化する分子(Fura-2)を用いて視覚的に観察することができます。 今回の実習では培養した小脳プルキンエ細胞や海馬の錐体細胞にグルタミン酸を電気泳動投与し、細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇する様子を観察してもらいました。 また、ノックアウトマウスの観察も行いました。小脳にはグルタミン酸受容体δ2というシナプス形成やシナプス可塑性に関与する分子があります。このグルタミン酸受容体δ2を欠損させたノックアウトマウスと野生型マウスの運動能力を比較してもらいました。
顕微鏡のセット。この上に細胞を載せ、グルタミン酸を投与します。 | |
細胞にグルタミン酸を投与するための装置。ちょうどスイッチを入れる瞬間です。 | |
Ca2+イメージングの映像を見て、Ca2+の上昇を確認している所です。 |
受講したELCASメンバーの感想文
- プルキンエ細胞と海馬神経細胞がグルタミン酸によってカルシウムイオン濃度が上がる反応を見ました。実際に自分の脳内でも同じような反応が起きているんだなと実感して、神経伝達の不思議さを感じました。ノックアウトマウスは一見すると違いはわかりませんが、よく観察すると細かな動作に違いがあることがわかりました。とてもかわいくて家で飼ってみたいとつい思ってしまいました。今日はとても興味深い実習をすることができてよかったです。ありがとうございました。
- 教科書だけでしか見たことのなかった神経細胞を見ることができて良かったです。脳の働きが活性化する過程はとても興味深かったです。実際は思っていたよりうまくいかないことも多く成功させる難しさも分かりました。マウス可愛かったです。
- シナプスに刺激を与えて変化を見た。カルシウムイオンの変化を見たが他のイオンも同じ様な結果になるのか気になった。ノックアウトマウスを見たが、遺伝子を欠損させるとよたよたになってしまうので、ちょっと怖いなあと思った。
- 今日は、小脳の神経細胞にグルタミン酸をかけた時の反応を見ました。結果は1勝3敗1引き分けでしたが、とても反応がはっきりと見えた時はすごいなあって思いました。
- 今回の実験ではニューロンを見ました。生物の教科書でしか見た事がなかったのですが、実際に顕微鏡で見ると、自分が思っていたより複雑でした。シナプスについてもあまり詳しく知らなかったのですが、今回の実験でとても興味を持ちました。また、ノックアウトマウスを見たのも初めてだったのですが、特定の遺伝子を欠損させるだけで、顕著に行動に出て驚きでした。
- 今日の実験は、神経細胞についてでした。刺激の伝わり方を見るのは、とても刺激的でした (冗談ではなく)。
ノックアウトマウスも見せてもらいました。見た目は普通なのに歩き方が少しヨタヨタしていました。
化学
板東 俊和(准教授)、篠原 憲一(助教)
チューター:勝田陽介(博士課程1回生)、熊本はな(修士1回生)
実施場所:理学部2号館516
マイクロピペッターの基本的な使い方を学び、その精度を確かめる実験として、マイクロピペッターで量りとった100 μLの水の重さを量りました。また、マイクロピペッターを使って細胞の観察を行いました。通常状態の細胞と抗がん剤処理した細胞のそれぞれを、細胞染色剤DAPIを用いて染色し、蛍光顕微鏡で観察しました。
マイクロピペッターの使い方を確認 | プレパラート作成 |
蛍光顕微鏡で観察 |
受講したELCASメンバーの感想文
- 今日は細胞のアポトーシスを観察しました。アポトーシスした細胞は実際の人の肺がんの物を使っていると聞き、おどろきました。マイクロピペッターは思っていたよりもとても正確で、やっぱりきちんとした実験のために様々な道具が発展してきたのだなと思いました。蛍光顕微鏡は使いにくかったけれど、とてもきれいな映像が得られて、良かったです。
- 久しぶりに生物分野に触れられて嬉しかったです。マイクロピペッターの使い方はなかなかなれなくて、手際よくはできず、不器用さを実感しました。アポトーシスができて、ちゃんとぶつぶつとDNAが切れてて、ちゃんと写真が撮れてよかったです。
- 今回は生物化学的な実験でした。 マイクロピペッターを久しぶりに使って、実際にアポトーシスの状態を観察してみて、今まで生物の授業で写真を見たことしかなかった映像を見ることができて感動しました。 がん細胞と抗がん剤など、現代の医療分野に大きく関わる分野を観察することはとても興味深かったです。