体験アーカイブ・2010年4月17日
体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。
数学
チューター:丸橋 広和(修士課程2回生)、竹内 光(修士課程 2回生)、広瀬 稔(修士課程 2回生)
実施場所:理学部3号館109号室
Eulerの公式の応用としてK_5とK_3,3が平面グラフでないことを示してもらった。また平面グラフの性質を利用して、全ての点が一直線上にはないような平面上の有限個の点の集合に対し、ちょうど二点を含むような直線が存在することを証明してもらった。
受講したELCASメンバーの感想文
- 今日はEulerの続きをやりました。少し想像しにくかったので難しかったです。 次でEulerが終わりそうなので頑張りたいと思います。
- これといって何の問題もなく終わったので良かった。
- 今日の内容は、言われればわかる内容だった。 しかし自分で考えてみると難しかった。 コロンブスの卵状態では、あまり意味がないと思うので、 もっと頑張って考えて、自分で理解できるようにしたい。
- 頭の中では理解できていても、それを言葉で表現するのは難しいと思った。
物理
常見 俊直(研究員) 米澤 進吾(助教)
チューター:野沢 勇樹(修士課程1回生)、渡邉 大樹(学部4回生)
実施場所:理学部5号館511号室
前半は前回行った誤差・統計の続きを行った。本実験で使うことになる解析ソフト(ROOT)の中で行われていることを学んで、そのあと各自のパソコンにダウンロードした。後半は2月にあった米澤さんの講義の続きを行い、自分たちで作った磁化率を測定する装置で、超伝導体や強磁性体の磁化率を測定した。
誤差・統計の講義 | ROOTを使ってみる |
磁化率の測定 |
受講したELCASメンバーの感想文
- 統計に関して誤差とPoisson分布の前回の疑問が解決してよかったです。誤差でこんなにいろんな話があるのは少し驚きました。
- ROOTが少し使えるようになってよかったです。
- 統計について学んだ。計算はややこしかったけど、ときどききれいに値が求まるのがものすごく気持ちよかった。
- 計算がとても疲れた。でも液体窒素に癒されました。
- 微分をたくさんして、とても大変でした!でも誤差のことが少しわかりました。後半は液体窒素がとても楽しかったです。超伝導体のオシロスコープの変化には感動しました
- Poisson分布についてその誤差を導出してから、今後ROOTを使うということで、中身の計算を自分でしてみました。最小2乗法を使って、予想される実験結果をある関数で近似するという作業をしました。うまく答えが出せましたが、本当にややこしかったです。
- 後は凝縮系の続きで、物体の磁化率を測定しました。電磁気学の計算を微妙にしましたが、電磁気学も面白いので、もっと家で調べてみたいと思いました。
- 放課後はROOTを使ってsinxのグラフを書いたり、自分で適当に打ったファイルをグラフ化してgaussianで近似してみたりして遊びました。NIMモジュール、オシロと同じく3年ぐらい遊べそうなくらいでした。User's Guideをもらったので家でまた英語の文章に取り組みながら遊びたいと思います。
天文
長田哲也 (宇宙物理学 教授)
チューター: 禅野孝広(特別講師) 義川達人(修士課程2回生)
実施場所:理学研究科4号館5階会議室
天文学における観測の基本として、電磁波を検出する仕組みについて簡単に説明した後、実習に移った。実習の内容は以下の通り。実習で行ったことは各自で記録するようにした。
デジタルマルチメータで自作した回路の電流や電圧を記録。 | 各自の結果を発表し、それについて議論、考察。 |
レーザポインタで発光ダイオードを照射し、光電流が生じるかを確認。 |
受講したELCASメンバーの感想文
- 今日は、今までの授業の中では一番わかりやすかったです。自分が知っている電気の知識も役に立ち、また「発光ダイオードにレーザー光をあてる」という、それまで実験したことがないことも行い、復習に加えて新たな知識を得ることができました。まだ100%理解しきれてはいないのですが、来月にも、今日のこの楽しさを忘れずに参加したいです。
- 天文とまったく関係ないんじゃないかと半信半疑だったが、星の内部を知るための唯一の方法につながる実験だったと知って驚いた。次回も頑張ります。
- ちょっと難しかったけれど、面白かったです。ブレッドボードなど、初めて使う器具が多く、目新しかったです。抵抗が小さくて可愛かったです。LEDの色によって値が変わり、光エネルギーとの関連があり、興味深かったです。この前、NHKスペシャルで宇宙の話をやっていました。その時、赤外線など光を当てていくと、星の波長によって見えたり見えなくなったりするから、距離が分かるというような話をやっていました。それと関係がある気がして好奇心がわきました。電圧や電流の話を忘れかけていたので、改めて復習しておこうと感じました。LEDの光がすごく綺麗でした。赤外線でしか見えない光もあるのだと知りました。
- 今日の実験は楽しかった。LED5個全部VとAを出したけど、すごく時間がかかった。抵抗器は2つあったので倍かかった。中学校の時に似たようなことをやったけど、今日は1人で出来たから使い方がよくわかって良かった。
- 今日の実験は一見、天文に関係がないと思っていたが、最後の最後でLEDにあんなことができると知れて良かった。
- 今日の体験学習は、極めて面白かった。僕は電気を使った実験だとか、回路を組むのが好きなので、このような実験はまたやりたいです。
- 今日は実験をいっぱいしたので楽しかったです。LEDの光に電圧の差があって面白かったです。計算は若干難しかったけど、楽しくできました。もっと家でも頑張ってみたいです。LEDは好きなので、家で遊んでみます。
生物
佐藤ゆたか (動物学 発生ゲノム科学研究室 准教授)
チューター:久保純(教務補佐員)、太田尚志(博士過程1回生)
実施場所:理学部植物園分室
PCを用いて、ゲノム配列を実際に解析することで、遺伝子やタンパク質配列に関しての理解を深める実習を行った。前半はアルデヒド脱水素酵素を例に遺伝子の構造、発現、タンパク質への翻訳、変異(SNP:一塩基多型)、およびその結果としての表現系について講義を行った。後半は、実習生に2つの班にわかれてもらい、課題解決の実習を行った。 ひとつめの班は、人の言語能力に関するとされる遺伝子FoxP2遺伝子に関して、ヒト、チンパンジー、マウスの3種において、タンパク質配列を比較し、ヒト特異的な重要な変化を調べた。 また、二つ目の班は、ABO式血液型を決定する遺伝子であるABO遺伝子について解析を行った。A型、B型、O型の血液型の違いが、ABO遺伝子のどのような変異によるものかを、調べた。 最後に実習生には発表してもらう場を設け、議論を行った。
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受講したELCASメンバーの感想文
- A型とB型とO型のアミノ酸配列を調べて、どうしてA型、B型、O型が生じるのか調べました。A型とB型の差は、2つのアミノ酸の違いからくるもので、O型は一つの遺伝子の欠損からくるものだとわかりました。少しの差で、表現型が大きく変わってしまうのにびっくりしました。
- 今日はDNAの配列を調べることにより、何によって、その生物の機能を変えられているのかを確認しました。本当に、小さな変化で、こんなにも大きな変化が起こるのはすごいことだと思います。手の形や言語能力など、生活に関係していることばかりなのでDNAは生活習慣に適応する何かがあることにも生物の神秘さを感じました。
- 今日はパソコンを使いました。 課題1 FoxP2の解析は、パワーポイントを使って発表しました。 むずかしかったけど、楽しかったです。
- 今日はアミノ酸配列を比べたりをしました。課題を考えて発表するというのがあり、まだまだだなぁと実感しましたが、人の考えや考察がきけてためになりました。
- ALDH2とABOという遺伝子について塩基配列、アミノ酸配列を見ました。 ABOの違いはアミノ酸配列の一部が違うだけで生じるものだとわかり、それだけなんだなと思いました。 プレゼンテーションの資料を協力して作って大変だったけど楽しかったです。 たくさん教えていただきありがとうございました。
- ネット上のソフトを使ってDNAやたんぱく質の分析とか比較をしました。喋れない動物と人間では2つしか塩基配列が違わなくてびっくりしました。 もっと詳しく知りたいと思いました。
- 今日は久しぶりにPCを使った実習でした。私はPCの操作が苦手なので、とても苦労しましたが、とても勉強になりました。 実際に解析した言語に関するFoxP2遺伝子についての考察など、知らないことが多くて、いろいろな発見がありました。
化学
西村貴洋(有機化学研究室 講師)
チューター:伊藤賢一(修士課程2回生)竹田桃太郎(修士課程2回生)前田祐子(修士課程2回生)
実施場所:理学研究科化学専攻 有機化学研究室
セミナールームにおいて本日の実習内容であるロジウム/BINAP触媒による不斉1,4-付加反応について説明した。不斉の概念とロジウム触媒の触媒サイクルと立体認識についても説明した。 その後、実験室に移動して3グループに分かれて、配位子に(R)-BINAPと(S)-BINAPとrac-BINAPを用いる組、つまり片方のエナンチオマー、もう片方のエナンチオマー、ラセミ体を作る組に分かれた。シュレンク中でロジウムヒドロキソBINAP錯体を調製し、シクロへキセノンと前回作成したアリールボロン酸を加えた。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって生成物を精製し、溶媒を留去した。1H NMRとHPLCによる分析、測定の後、各グループのHPLCのクロマトグラムを比較し、化合物の鏡像体過剰率を決定した。
不斉1,4-付加反応の触媒サイクルの説明 | 不斉1,4-付加反応の実習 |
HPLCのクロマトグラムの比較、鏡像体過剰率の決定 |
受講したELCASメンバーの感想文
- 本日の体験では、前回作ったボロン酸を使い、ロジウムを触媒とし、実験を行いました。私たちは(S)-BINAPを使ったところ、実験結果がそれに対応して出たので、実験が基本的には成功したとわかりうれしかったです。また、学校の授業では、聞いたことのある実験や実験道具を実際にやったり、触ることができ、すごくわかりやすくて、以前より理解できた気がします。今回の研究室でもとても親切に教えてくださり、本当に感謝しています。ありがとうございました。
- ロジウムを触媒として[3-(4-chlorophenyl)cyclohexanoneの図]を作った。突沸を起こしてしまい、結果が微妙に変になってしまった。作業が細かくて難しかった。
- 実験器具がどうしてそのような形をしているのかとか、作業がどういう意味があるのかとか、有機溶媒の性質とかを私にわかる範囲でいろいろチューターさんが説明していただいてとっても楽しかったです。しっかり理解していないと、高校生にもうまく教えることができないので本当に尊敬しました。最後に解析したら1:1のきれいな比ででてきてよかったです。
- 実験器具がどうしてそのような形をしているのかとか、作業がどういう意味があるのかとか、有機溶媒の性質とかを私にわかる範囲でいろいろチューターさんが説明していただいてとっても楽しかったです。しっかり理解していないと、高校生にもうまく教えることができないので本当に尊敬しました。最後に解析したら1:1のきれいな比ででてきてよかったです。
- 今日は本当に実験をしたという気持ちになれました。高校での実験ではなかなか扱えないような試薬を使えてわくわくしました。これから反応機構について調べてみたいですが、もう高3で時間がないので、今日扱った試薬については調べておこうと思います。
- 本日の体験は今月の最初にやったグリニャール反応剤を用いたものでした。ロジウム(Rh)を触媒として、不斉なものをBINAPを利用して、片方だけを作り出すというのを目標にしていました。NMRや、HPLCを使って、純度や、割合を調べていたりして楽しくできました。普通は両方できるのが片方だけというのが本当に面白く有意義で社会に役立つと考えたらすごいと思いました。構造がこういうのに関連しているというのは理にかなっていて少しだけ感動しました。面白い実験ありがとうございました。
- 不斉をつくりわけることにすごくおどろいた。自分は、両方をつくる方をやったので二つとも同じ量ででていたのでとてもよかった。ほかのとこも片方を作ることに成功していたのですごいと思った。物質を特定したりするのにはいろいろな方法があると知れてよかった。