* The Rift-Aspects inside the North Polar Cap
between the Period 080degs Ls - 140degs Ls
(English)
* 080゚Ls〜140゚Lsに掛けての北極冠内の亀裂について (Japanese)
From Sam WHITBY
(English)
火星は四月には「やぎ座」に入り、赤緯も上がってきた。日の出時の地平高度も20度以上になり、視直径も四月はじめには7.0秒角を越えて、いよいよ観測シーズンに入ってきた。火星の季節は四月18日には秋分(180゚Ls)を過ぎて、南半球の春が始まっていた。
OAA MARS SECTIONには、三月下旬と四月上旬の観測報告が纏められている。南氏と中島氏は新装なった足羽山の二十センチ屈折での協同観測を始められ、新望遠鏡の良い見え味を描写されている。阿久津富夫氏(栃木)からも、四月上旬から写真観測が報告され始めた。
此の期間からは、1986年観測期と比較しながら記事が進むようになって、最大直経に達している南極冠の動向などが述べられている。また、前観測期にArsia M 付近に午後に見られた明斑(CMO#010 p80 / 1996 May 22, 175゚Ls 等)にも注意が払われたが、今回は検出されなかった。
#049には、D Parker氏から送られて来た三月中旬までの観測報告(スケッチ)の解説がある。南極冠の出現時期の見解は日本からの観測結果と符合していたと記述されている。
来信には、R J McKim氏と南氏との手紙のやりとりがある。はじめには M Falorni氏が Iagipiaに観測した dust storm (1986 Nov 8, 275゚Ls / CMO#047 p403)に関してのMcKim氏の見解。次には、McKim氏が計画している"the dust storm catalogue"と"Long term changes in the PCs" に関しての説明がある。
#050にはMcKim氏から追伸があって、日本からの1986年度の観測報告に対する謝礼と、Pic-du-Midiでのスケッチを同封したことが述べられている。南氏によりこれらの手紙の解説もされている。
D Parker氏からは、他国との観測情報交換の努力が必要な事と、追跡のためにも西方の地域に観測情報を伝えていく事を理解した事、水素増感TP2415フィルムの事、南極のフードの消失について等に関してのお便りがあった。同封されて上記の最近の観測報告もあった。
その他の来信には、Terwangne氏(Belgium)・長谷川一郎氏(神戸)「GMT ト UT」がある。また、松本直弥氏からのものは、惑星観測者懇談会の感想と、日食観測に行ったフィリピンでの様子が語られている。
#050には、ゴールデンウイーク中に福井で「火星観測に関するworkshop」を開催する予定があることがアナウンスされ、参加者が募られた。編集後記の中では、三月下旬の福井での観測・編集の様子や、この年は暖冬だったことが記録されている。
(Mk) 村上昌己