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>10.09.27 更新
コロナ中の衝撃波をシミュレーションし、彩層との交線であるモートン波 の再現を試みる。特に、非等方性の再現に重点を置く。
1960年、Moretonによる彩層のH α観測で発見されたのが始まりである。
特徴としては伝播速度が500〜2000km/s、太陽半径程度まで伝播が見受けられる。 また、等方に広がらず、最大で90度程度の範囲で伝播する。活動領域付近より、フレア による大規模エネルギー解放によって生じるが、大規模フレアでもかならず観測される ものではなく、フレア全体の10%程度でしか観測されないという比較的珍しいイベント である。
当初は彩層での衝撃波を観測したものと思われていたが、彩層の音速が10km/s程度 であり、マッハ数で最大200程度になり、もしこれが実現していたとしても激しい熱 散逸がおこり伝播距離の説明がつかない。1970年前後に内田豊がコロナ層の衝撃波 で説明することを提案した。コロナで起こった爆発によって生じた衝撃波が彩層 に達し、その交線をモートン波として観測するということである。その後の観測により 現在ではこの解釈が一般的である。
爆発位置について再確認。さらに、運動エネルギーの取り方を 密度はそのままに、与える領域を広げることでエネルギーが同じ 値で比較できるようにする。
エネルギー形態ごと(運動、熱、磁場)の変化度合を チェック。運動エネルギーのほうが伝播が観測に近いが、 情報としては弱い。
一部AVSによる可視化。磁力線の時間変化についてはタイム ステップごとの表示にしたため、実際の動きとは異なる表示 になる(今後も注意が必要)。
観測との比較をして、フレアに付随して起こる他の現象と の関連を探る。
天文学会秋期年会(金沢)にて口頭発表。
初期の爆発を運動エネルギーで与えた場合について、 エネルギーを変えて計算。極端な差は見られず。
初期の磁場、Alfven速度、plasmabetaのマップを、球面調和関数の 次数、密度を変えたパターンで、断面図を作成。次数を変えた場合、球面上 マップは光球面に近いものは変わるが、それ以外は著しい変化は見られない。 一部元データに見られないlowbeta部分があるため、別に確認が必要。 より現実的な分布を考えるには、密度について静水圧平衡以外の、 非一様分布(少なくとも活動領域と静穏領域で違う分布)の 導入は入れる必要がある。
速度場を与えた場合についてテスト計算。エネルギーの比率については もう少し検討が必要。密度変化その他については大きな変化はまだないが、 実際に見られる変化については可視化をもう少し視点を変えて図の作成 が必要。
静穏領域についての論文から静水圧平衡以外の密度分布について テスト計算。密度が小さくなったため、計算が時間内におわらず。 また、静水圧平衡と比較して本質的に違う分布というわけではない ため、変化としてはあまりかわらず。
別の磁場データでも計算をする。観測との比較を反映させて、ある程度爆発位置を 限定して数値実験。主に爆発のエネルギーと彩層からの距離をパラメータとして変化 させる。非等方性はまだ顕著ではない。
ポテンシャル磁場を計算する段階でデータと計算での格子の細かさが違うため、 領域を区切り、球面調和関数の展開係数を大きくして細かい構造まで見られるように する。計算が大きくなるため、さらに領域を限定させることが必要。
初期値のエネルギー計算、範囲を厳密にし、1500s程度で計算。
二方向に大きな変化を示す伝播がある。それを含む円形の伝播が見て取れる。 観測限界を確認する必要あり。伝播速度は300km/s程度。
CMEのような運動量解放型を想定し、速度場でエネルギーを与える場合を確認。 1000sで計算。
極端な伝播にはなっていない。
速度場を与えた領域が広く爆発の中心が多少ずれているので注意。
円形に広がっている。ところどころムラあり。
800秒程度まで計算が進む。ポテンシャル磁場の計算での球面調和関数 の係数を15まで落とし、細かすぎる構造はとりあえず除いておく。伝播 時間の延長により同心円から部分的に波が消え、若干近づいたか。 観測と比較する必要あり。
初期磁場分布を変えても計算は若干進む(足りないが)。 次数がやや足りない気もするので、他の例でも計算が必要 (これは4月以降)。
学部での卒業研究では、一番単純な点源爆発 での振る舞いを確認。実時間で400秒ほどで、強磁場と逆方向に強い 伝搬が見られたことは確認。
局所的な磁力線の捻じれと伝播の関係の確認。
局所的な密度分布を考慮した場合の計算。
圧力と速度場とのバランスの関係を確認。
速度場については動径・非動径のバランスについての考察。
初期磁場分布と爆発の位置関係についての確認。
磁場分布の立体視(ループ画像)の作成。
観測との比較。特にどのレベルまで見えるのかについて。
物理量に関しての保存則での確認。
関連する物理現象への適用。
波が見えなくなった状態でのエネルギー伝搬の確認(振動現象など)。
数値不安定の除去。外力項の導入。