夜遅く南の空に明るく輝く星は木星ですが、7月19日、木星の南緯57度の南極
近くに暗斑が出現していることを、オーストラリアのアンソニー・ウェズリー氏
が発見しました。
この暗斑の位置には前日まで顕著な模様がみられず、色や形状などが1994年
に木星に衝突したシューメーカー・レビー第9彗星による衝突痕とよく似てい
ることや、ハワイにある赤外線望遠鏡のIRTFによる赤外線観測などではこの
暗斑は明るく光っており、木星の対流圏上層部で温度が高くなっていること
から、小天体が木星に衝突した痕跡と考えられています。
8月8日未明に花山天文台の45cm屈折望遠鏡で撮影した画像からは、この模様が
木星の大気の流れによって、東西方向に引き伸ばされていることがわかります。