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京都大学せいめい望遠鏡による月探査機EQUULEUSの観測

2023年5月25日20時ごろ(日本時)、京都大学岡山天文台のせいめい望遠鏡はJAXAからの依頼で月探査機EQUULEUSの観測を行いました。 地球から約21万km離れた場所を飛行しているEQUULEUSと思われる光点の検出に成功するとともに、その明るさが76秒周期で変化していることがわかりました。

EQUULEUSの運用状況と観測依頼があった経緯につきましては6月27日に開かれた 宇宙開発利用部会の会議資料 をご覧ください。

【説明あり動画】

観測装置 TriCCS (視野12.4x7.0分角、g, r, i-バンドを3色合成)

撮影時刻は画像内に記載

各フレームの露出時間5秒で連続撮影、JAXAから提供されたEQUULEUSの予想位置に合わせて望遠鏡を動かしています。

20:30:36撮影開始のフレームにだけ丸印の中に光点が写っています。

クレジット:京都大学岡山天文台 / 東京大学

【説明なし動画】

equuleus_25791.mp4(3.8MB)

クレジット:京都大学岡山天文台 / 東京大学

【光度曲線】

equuleus_ap_total

EQUULEUSと思われる光点の明るさの変化を計測したグラフ。横軸は最初に光点が写ってからの経過秒数、縦軸は光点の明るさです。
各黒丸印が1フレームに対応しており、黒丸印が無い時刻では撮影していません。
この観測から、縦線が引かれた76秒周期で一瞬だけで明るくなっていることわかりました。
なお、532秒付近のピークが上の動画の光点に対応します。

【観測装置】

使用した観測装置TriCCS(トリックス)は、カラー動画のように3つの波長で同時に連続撮像が可能なカメラです。 超新星爆発、恒星フレアや激変星など短時間で明るさが変化する天体を研究するため、東京大学と共同開発したもので、せいめい望遠鏡の主力観測装置の一つです。