Kwasan and Hida Observatories, Graduate School of Schience, Kyoto University English Home page

65cm屈折望遠鏡

65cm屈折望遠鏡の紹介

65cm屈折望遠鏡は昭和47年(1972年)4月に完成した東洋一大きな屈折望遠鏡です。

飛騨天文台の安定した空気層環境の下、持ち前の長焦点を利用して、惑星や彗 星の核など、太陽系天体の精密を要する観測に使用されています。 特に火星面における四季の変化・台風や雲の発生などが 重点的に研究さています。

平成13年には、望遠鏡の入っている15mドームのスリット等改修工事も行われ、 上記の研究以外にも、学部・大学院生の演習等にも活躍しています。


65cmを使った研究の一つとして、火星大気の雲の動きや四季変化の研究があり ます。下の図は、火星大気の雲の様子を65cm屈折望遠鏡で撮像した写真です。 異なるフィルターを用いることにより、大気の様子を詳しく調べることができ ます。(いずれも上段=青フィルター・下段=赤フィルター)

65cm望遠鏡性能

望遠鏡部

口径650mm
製作者Carl Zeiss社
焦点距離10,500mm
F-数16
分解能0″18
集光力8,600
限界等級16.2等級
日周精度0.1″/9分時
筒の大きさ930mmφ×11,500mm
望遠鏡総重量17トン

撮像部

CCDカメラSpectrasource Instruments社製HPC-1S
チップKodak KAF1600-IUV
チップサイズ9 ミクロン
ピクセル数1522 x 1032
ビットデプス16 bits
カメラ制御PCGateway 2000P5-133
火星観測用フィルター日本真空光学 社製
青色フィルター436.2nm / 15.6nm
黄色フィルター588.3nm / 12.6nm
赤色フィルター647.2nm / 10.1nm
(中心透過波長 / 透過波長幅)
木星観測用フィルター日本真空光学 社製
メタンバンド890nm / 10nm
連続光750nm / ----

最新トピックス
HOPS
Hida Observatory Polarimetry Systemの略で、 飛騨天文台65cm 屈折望遠鏡 に「惑星専用の二次元偏光撮像装置を装備する」というプロジェクトです。 特に木星極ヘイズの性質を調べることを当面の目標としています。

最近の代表的研究成果
火星の極冠
Martian north polar cap 1996-1997.
K. Iwasaki, D. Parker, L. Larson, and T. Akabane.
Icarus 138, 20-24 (1999).
火星の雲
Diurnal variation of Martian water-ice clouds in Tharsis region of the low latitude cloud belt: Observations in 1995-1999.
T. Akabane, T. Nakakushi, K. Iwasaki, S. M. Larson.
A & A 384, 678-688 (2002).
火星のブルークリアリング
Mars: The cloud effect on the blue clearing in the Syrtis Major region.
T. Nakakushi, T. Akabane, K. Iwasaki, S. M. Larson.
J. Geophys. Res. 106, 5043-5056 (2001).