Kwasan and Hida Observatories, Graduate School of Schience, Kyoto University Home page
堀川高校 実習 2004年

京都市立 堀川高校では、高校1年生の後期から2年生の前期の一年間を 使い、各自の希望する課題(テーマ)を研究する「探究基礎」と呼ばれる授業が 週に一度行われています。

2004年、この「探究基礎」のうち「地学」を専攻した生徒たちの 授業アシスタントとして、天文台の職員が派遣されました。 この関係で、「地学」専攻の生徒のうち、特に「太陽」を研究テーマに選んだ 高校生2名が、春から夏にかけて花山天文台で観測実習を行いました。


2人は、 堀川高校が新たに購入したHαDay Starフィルターを用いて

  • 太陽フレア・フィラメント噴出の撮像
  • 分光器を用いたフィルターの透過性能試験
というテーマで研究を行いました。

 「フレア・フィラメント噴出の撮像」研究は、とにかく観測することが 大切です。観測は 堀川高校の屋上と花山天文台にて続けられました。 残念ながら、観測時間帯にイベントが起こらず、当初の目的であるフレアや フィラメント噴出を捉えることは出来ませんでしたが、沢山のデータを 生かして、プロミネンスや活動領域の日々の様子を、 論文にまとめました。また、花山天文台で 撮像しているHα線像との比較を通じて、使用したフィルターの特徴・性能 を画像から詳しく調べました。

分光試験は、 太陽館の分光器を用いて行いました。 フィルターの温度や設置角度を少しずつ変えたりしながら、 透過スペクトルを撮像しました。 分光器は原理はもちろん、扱いやデータの解釈は難しく、 やり直しをするなど苦労しましたが、最終的に信頼性の高いデータを 取ることができました。 また、解析の為にプログラミングにも挑戦せねばならず、夜遅くまで 計算をするなど大変でしたが、結果的にはフィルターの波長透過率を 正確に求めることが出来、後に残せるようないい仕事に仕上がりました。


2005年も、花山天文台では彼らの1年後輩の生徒による実習を予定しています。