Forthcoming 2016 Mars (#09)
経緯度図と視直径 Part II.
村上昌己
CMO/ISMO #448 (
CMO/ISMO #441のPert
Iに載ったグリッド図のつづきで、今年の六月から八月の終わりまで視直径の変化と欠け具合をグリッド図で示したものです。西田氏が多忙ということで私(村上)が 作図しました。最接近は五月30日だったので、六月1日にはδは18.6"ありますが、八月末にはδ=10.6"に落ちます。季節はλ=162°Ls からλ=212°Ls まで進みます。
これを書いている現在はλ=150°Ls を過ぎたところですが、実はCMO#353 Ser2-1022頁あたりをご覧頂くと、λ=145°Ls~λ=150°Ls,あたりでそれまで真っ白だったヘッラスが地肌をみせる、と書かれていますが、今現在そういう風に見えることはGalleryをご覧頂くとよく判ります。以後南極冠は円く見えるのですが、残念ながらこの時期φが北に向きますので、南極冠は捉えにくくなるでしょう。
図でpとある矢印は、運転時計を止めたとき、視野内を火星が動く方向で、この傾きを利用すると火星の南北軸が明らかになり(回転の方向も判ります)、極点が見付けやすくなるわけです。もう一つ、CMOのグリッド図の特徴はN線とM線が表示されていることです。N線は中央子午線とはずれますので、ほぼ火星の地方時を知るのに必要です。M線は陰になっている部分の大円に 垂直な大円の線で、M線とN線の交点がsub-solar-pointつまり太陽が天頂に來る点になるように選ばれています。
9月以降の圖はPart IIIで示します。