10 Years Ago (69)
10 Years Ago (69) (Japanese)
- CMO #105 (25 May 1991) -


 火星は、1991年五月には「ふたご座」から「かに座」に入り、太陽との離角も60度台に近づき、合に向かって順行を続けていた。夕方の西空に残っていたものの、視直径は5秒角を月半ばで下回り、諸氏とも五月連休明けが1990年接近期の最終観測となったが、Lsは4 Mayに55゚を記録し、火星面が北半球を向いていることもあり、北極冠が小視直径ながら明るく観測されている。大きな暗色模様もまだ捉えられていた。CMO #105は十六頁のボリュームで、観測の総括がはじまっている。此の期、岩崎氏は400枚、南氏は888枚の観測数を数えた。

 追加報告として、Don PARKER氏からTP写真約70点(4 Aug 1990〜12 Jan 1991)が寄せられた。この号ではパーカー氏の写真の中から、十一月黄雲のものだけピックアップして詳説されている。

 記事として、南政次氏の筆による「岩崎徹先生介紹」が掲載された。人となり、観測期材、趣味、習慣など様々な角度からの人間観察が観測同様に行われていて、岩崎(Iw)氏が詳しく描写されている。他に「夜毎餘言XXI,平山郁夫の樓蘭」があり、平山氏の樓蘭古城遺跡のスケッチ行の話を引かれて、惑星観測における心構えを説かれている。また、巻末に、JBAAに掲載されたR McKIM氏の1990年接近の中間報告の紹介記事がある。

 LtEには、Thomas CAVE, Richard McKIM、Richard W SCHMUDE Jr、岩崎徹(Iw)の各氏から寄せられた来信が紹介されている。その他、シー・エム・オー・フクイ欄で中島孝氏より会計報告があった。

村上昌己 (Mk)

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