ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

ELCAS・最先端科学の体験型学習講座(京都大学理学部)未来の科学者養成講座

体験アーカイブ・2009年10月17日

体験学習コースの受講模様を分野別に掲載しております。

数学

チューター:丸橋広和(修士課程 1回生),竹内光(修士課程 1回生),広瀬稔(修士課程 1回生)

実施場所:理学研究科3号館109号

Bertrand仮説の証明の続き。次回は第31章のHow to guard a museumをやる。

受講したELCASメンバーの感想文

  • 今日は大体なんとかついていけた。次に自分が当たるのが恐いです。足手まといにならないよう頑張りたいです。
  • 今日は意外な盲点に気付きました。自分では理解していたつもりでも、いざ人に説明するとなると、説明できないことがあるとわかりました。今回の内容ではLegendreの定理がわかりにくく、難しいと思っていたのでその部分をしっかりと説明できるように準備していました。そして実際に説明してみるとLegendreの定理の部分は上手く説明できたのですが、最後の2n/3<p≦nのときのpの指数に関する部分が上手く説明できませんでした。今後は実際に説明できるかどうかをよく考えながら学んでいきたいです。
  • 学校の行事と重なったため2回参加できなくて、今日が2回目の参加だった。やった内容はとても難しかったけど、理解できるところもあってよかった。
  • 学校の試験修了の3時間後にELCASだったのできつかった。特に、発表をしなければならないのに、学校の期末試験が火曜から土曜だったので、試験勉強を優先させなければならず大変だった。実はこの後同じことがあと4回起こってしまう…。単位があやしくなると休まなければならなくなる…かも?とにかく、足を引っ張らないように頑張ります!!

物理   

ボランティア:常見俊直(研究員)、野沢勇樹(学部4回生)

実施場所:理学部5号館511号室

大学レベルの物理学の理解を目標に、物理で使う数学についての講義を行った。特に、ベクトルの内積および外積について講義した。また、今年のノーベル物理学賞の対象となった光ファイバーについて簡単な説明と工作を行い、理解を深めた。さらには光ファイバーを束ねたような石、テレビ石(正式名称:ウレキサイト)によって、文字が浮き出てみえることを観察した。光ファイバーが光を外に漏らさない理由の一つとして、内側と外側の素材の屈折率の違いをあげた。高い屈折率を持つダイヤモンドが美しくみえる理由を理解し、ダイヤモンドと模造石(キュービックジルコニア、モアッサナイト)の見分け方について考えた。また、キュービックジルコニアの実物を観察し、輝きかたを光の強さや色の分かれ具合について観察した。また、トランジスタの性質を理解するために、水センサーの制作を、LED・抵抗・トランジスタをハンダづけすることで行った。

  
ベクトルの内積と外積の講義 2009年のノーベル物理学賞の対象となった光ファイバーの実習
水センサーをつくるためにはんだ付けをしている様子

 

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 水センサーづくりが楽しかったです。毎回何かをつくることができて面白いです。実験で気づいたことや、気になったことなどをさらに自分で調べてみたいしようかなと思いました。
  • 参加している人たちのレベルが非常に高く、とてもあせりました。知識的には乏しいと思いますが、好きなので頑張りたいと思います。
  • 色々と関係ないことをやってましたが、光ファイバーの実験を通して光ファイバーの仕組みを直に体験することができました。水センサーもトランジスタの仕組みがよく分かって面白かったです。
  • ベクトルの内外積や光ファイバーにいついての計算や工作をやりました。特に光ファイバーの工作実験では、光の進み具合を実物を使って体験できたので、光ファイバーをより身近に感じることができました。
  • "水センサー"という名の導体センサーを作った。久しぶりにハンダを触ったので難しかった。今度、ガイガーカウンターを作るそうなので、うまくいくことを祈っている。
  • 水センサーのトランジスタを逆につけてしまったので、ハンダ吸い取り線で吸うのに苦労しました。ベクトルの講義では、外積という存在を初めて知りました。素数が無限になることの証明も面白かったです。光ファイバーの実験では、融点がかなり高いキュービック・ジルコニアを融かすとき、容器に冷やしたキュービック・ジルコニア自体を使うという製法(スカルメルト法)がおもしろいと思いました。
  • 水センサーの制作に加え、(ダーリントン接続を用いた)回路を自分で考えて作りました。3時間ぐらいかかったけど、うまく行ったのですごく楽しかったのと、様々なgoodsを頂けたので、すごくお得でうれしかった。数式(大学での微分積分を用いた物理表現)を聞いて、色々と楽しくて、色々と興味深い式が出てきました。次回は霧箱を作るそうで、工作が楽しみだなあと思います。

天文

野上大作助教

チューター:大辻賢一(博士課程2回生)、阿南徹(修士課程2回生)

実施場所:花山天文台

太陽赤道東西の太陽縁のスペクトルを花山天文台太陽館で観測し、太陽光球起源の鉄吸収線(6302.499Å)のドップラー効果による波長のずれを測定し太陽の自転速度を調べる。 今回は曇りだったため前回のデータを用いて解析した。

プログラミング言語IDLを使ってスペクトル解析 みんな真剣
定規を使って鉄吸収線の本来の波長からのずれを調べた

 

受講したELCASメンバーの感想文

  • 太陽の自転速度を求めるというテーマで、太陽のスペクトルのデータの解析をしました。今まで太陽が自転しているなんてこともあまり知らなかったのですけど、太陽の光を観測するだけで、どんなふるまいをするのか、ということまで分かると知ってとても驚きました。天文学のすごさを知るとともに、自分達が観測したデータを使って自転速度が求められた時はすごいうれしかったので、天文を研究することの楽しさの一端にでも触れられたような気がします。
  • 天気が悪く実際に太陽が観測できなかったのが、少し残念だった。太陽のスペクトルの色にはやはり炎色反応が若干関係しているのだと分かりすっきりした。質問に非常に丁寧に答えて下さり嬉しかった。光のドップラー効果の計算は少々難しかった。もっと数学を勉強しようと反省した。計算には太陽の「重力赤方偏移」や「地球の自転によるドップラー効果」などといった要因も考えなくてはいけないというのが大変だと思った。光の波長が長いのが赤、短いのが青だからそれにちなんでグラフが左に行くのを Blue Shift,右の行くのを Red Shiftと呼ぶというのが面白かった。次回はELCAS全体での宿泊でしかもプレゼンテーション等があるそうで少し心配であるが、せっかくの機会なので楽しみたいと思う。

生物

鹿内利治教授、西村芳樹助教

チューター:杉本和彦(博士課程2回生)、国吉哲紀(学部4回生)

ボランティア:田原亜沙子(研究補助員)

実施場所:理学部2号館210号室

シロイヌナズナを使い、植物の重力屈性の特徴を観察する。その際、野生型と重力屈性の出来ない突然変異株とを比較し、その違いを観察する。

重力屈性実験開始。
実験開始から50分。野生型は起き上がり始めている。
実験開始から100分。野生型が起き上がっているのに対し、突然変異株は起き上がらない。

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • クラミドモナスが見れてよかった。植物が曲がる仕組みを理解することが出来てよかった。 母性遺伝については初耳でそんなものがあるのかと思って聞いていたので、よく頭に残った。 部屋の説明する人が面白くて楽しかった。
  • 重力屈折は単に曲がるだけと思っていたので、アミロプラストとかいうのが関わっていて植物の細胞の中で、実は様々なことが起こっているのだなぁと思いました。 クラミドモナスの母性遺伝はなぜ母なのかなぞですが、「勝った!」と思って嬉しかったです(笑)てのはおいといて、母性遺伝のおかげで人類のルーツがたどれたり、確かに役に立っているんだと思いました。
  • 動いているクラミドモナスを始めてみて、接合子になるのには時間がかかると思っていたけどあっという間だったので驚きました。 オーキシンやアミロプラストという言葉を始めて耳にしましたが、先生がとても熱心に説明して下さったので、難しかったけど理解することができました。 重力屈性を自分の目で見ることが出来てよかったです。また母性遺伝についても知ることが出来てよかったです。今日指導してくださった方々ありがとうございました。
  • 重力屈性についてやったが、オーキシンとかアミロプラストとかほぼ初めて聞く言葉で理解するまでにちょっと時間がかかったけど、わかると面白いなぁと思いました。 母性遺伝とか始めて聞く言葉で、形質は母親から受け継ぐって聞いて、じゃあオスってなんで必要なのかなぁと思った。あとクラミドモナスがとてつもなくかわいかった。
  • 重力屈性について今日始めて知りました。 光を感じて向きが変わるというのは聞いたことがあったのですが、重力で変わるとは知りませんでした。 母性遺伝についてのお話は、ミトコンドリアイヴの話を前に少しだけ聞いていたので、詳しく知れて楽しかったです。クラミドモナスを見たのも聞いたのも初めてだったのですが、顕微鏡で見れてとても楽しかったです。

化学

馬場正昭准教授

チューター:小若泰之(博士課程1回生)

ボランティア: 菅沼義勇(修士課程2回生)、芦澤則孝(修士課程1回生)

実施場所:理学部6号館5階学生実験室

水、二酸化炭素及び塩化水素の赤外スペクトルの測定及び理論計算による解析

       

受講したELCASメンバーの感想文

  • 学校で使ったことのない器具をたくさん使って実験ができて楽しかったです。 いろいろな物質のスペクトルや動きをみることができて感激です。 ガラス細工も初体験で難しかったけれど、二度とできない体験ができてよかったです。
  • スペクトル測定が入っている物質ごとに出てて、こんなにはっきりしてて、 分子それぞれ違うんだなーと思いました。 ガラス細工ははじめての体験だったのでとても楽しかったです。またもう少し上手にやりたいです。
  • 本日の体験を通じて、驚いたことは、赤外線の吸収度合で、物質の特徴の多くがわかるということです。 FT変換を使って行う赤外線スペクトルの測定は興味が湧きました。数学などの力をもっとつけて、 FT変換や様々なことの理解につなげたいです。また、ガラス細工の技術も学びました。はじめてだったので、火傷もしてしまいましたが、 その分、マドラーや試験管を作れるようになりました。 今日の体験を通じて、赤外線スペクトルの面白さが分かりました。 今日、京大の生協で、分子軌道に関する本を買いました。ムズかしそうなので頑張って読もうと思います。
  • 本日の体験はスペクトルについての実験で最初は何をしているのかあまり理解できてなかったのですが、先生達のご指導で理解することができました。 空いた時間でマドラー、スポイト、試験管をつくり戸惑うこともありましたが、面白く良い経験になったと思います。 それと、以下にその分子が光を吸収するか、OHがあれば、ここで反応するなどそのような規則性を知り、 他にはどんなもおがあるのか、それによってどのようになるのかについて興味がわきました。ト、試験管をつくり戸惑うこともありましたが、面白く良い経験になったと思います。それと、以下にその分子が光を吸収するか、OHがあれば、ここで反応するなどそのような規則性を知り、他にはどんなもおがあるのか、それによってどのようになるのかについて興味がわきました。
  • 赤外分光の話は結構難しかったけど、今回いろいろと調べてみて凄く面白いと思いました。パソコンのソフトで分子の形を決めたり、 実験でスペクトルを取ったり、話していることがちゃんと実験で出てきてとても楽しかったです。 今回は1つのテーマについてだけでなく、ガラスを使ってマドラーや試験管、スポイトなんかも作らせていただいて 1回でとても貴重な体験をさせていただけたと思います。