2006/12/15


NOAA10798の研究(8):Fitting解析(III)

Arch filamentのfootpointにはplageが存在する。
このため通常の静穏領域のback groundを用いてcloud modelのfittingを行なった結果は実際のものとは異なる可能性がある。
ここでは、plageのline profileを再現し、それを用いてcloud modelへのあてはめを行ない、結果を比較する。

Plage領域(※)の5波長画像。

Blue側で光っているのが良く分かる。


Hαの吸収線。実線は静穏領域のデータ。
◇のプロットはplage領域(※)の5波長データから得た。
Red側にシフトしている理由としては、arch filamentの足元が見えているためと思われる。
本来のbackgroundは左右対称と考えられるので、ここではblue側のデータ点をred側に折り返したデータ(△)をplage領域のbackgroundとする。


※の領域のデータから、静穏領域およびplage領域のbackgroundを用いて作成したコントラストにcloud modelをあてはめる。
静穏領域のbackgroundを使用
Source function : 0.31365577
Optical depth : 1.1967345
Doppler width : 0.44092558
Doppler shift : 0.41942162
Error sum of squares : 0.015356840
plage領域のbackgroundを使用
Source function : 0.069729814
Optical depth : 0.71149303
Doppler width : 0.60783207
Doppler shift : 0.23181706
Error sum of squares : 1.5699162e-05
あてはめの良さは、plage領域のbackgroundを使用したものの方が良い。
Doppler shift量は、静穏領域のbackgroundのものと比べて約半分になっている。

考察

この結果を見る限り、footpoint近傍におけるcloud model fittingにはplage領域のbackgroundを用いた方が良い。
ただし、plage領域のbackgroundは位置や時間によって変化しうるため、定量的な解析は難しい。
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