20050915
DSTで観測したEFRの解析
- 目標
飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡(DST)のHα filtergramを用いて太陽面のHα画像を観測し、 spectrogramから求めたドップラーシフトによる速度場と合わせて 太陽面上における浮上磁場領域(EFR)の二次元速度場を求める。
上で求めた速度場を、静穏領域と活動領域で比較することで、その差異を明らかにする。
活動領域に成長するEFRと、短期間で消滅するEFRにおいて、その上昇速度に違いがあるか確認する。
解析結果とシミュレーション結果を比較。
- 方法
- 飛騨ドームレス望遠鏡でのEFR観測(〜10個程度)
スペクトル&Hαイメージ
スペクトルデータ
| Hαイメージデータ
|
スペクトルデータ
- 元のデータから、EMR以外の領域のスペクトル(Back Ground)を引き、
運動している成分のスペクトルを求める。
- 1.の結果はガウシアンになると予想される。
このガウシアンをピーク強度と中心波長を揃えた上で平均し、
中心波長のHαからの変移と、Hα±0.5Åでの吸収強度比の関係より、
吸収強度比⇒運動速度のグラフを作る。
Hαイメージデータ
- 生のイメージ⇒dark flat処理
- Back Groundは考えている領域で一定と仮定して、
領域全体から平均背景放射を引く(Hα±0.5Å)
- 超粒状斑〜30000km>>EMRのサイズ
- Hα-0.5Å観測でのプラージュによる影響をどう除くかが課題
←前回ではこれを考慮しなかったために下降流速度が過度の値を示した。
- 2.で求まったイメージ(±0.5Å)に吸収強度比⇒運動速度の関係を適用し、速度場を求める。
- 展望
EMRの発生初期段階における観測データは今のところ限られている。
(どこに発生するか予測が難しい)
よってこの研究は、太陽面磁場の初期発展におけるシミュレーションに
一定の裏付けを与えるものとして意味があると考える。
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