太陽は、我々の目には静かに光り輝いているだけのように見えますが、実は太陽面上では常に爆発現象・質量放出現象が起きています。
特に、突発的な増光現象のことを「太陽フレア」と呼びます。
太陽フレアは、磁気嵐や放射線の照射といった形で地球環境に耐えず影響を与えており、宇宙に進出しつつある我々人類文明にとって、その理解は必要不可欠です。
現状ではその発生予測に成功しておらず、「いつ起こるのか?」「どれくらい大きな規模の太陽フレアが起きるのか?」は、非常に重要な課題です。
2012年、太陽に非常に似た星(太陽型星)では、太陽観測史上(約160年間)最大級の太陽フレアの10-10,000倍もの規模のフレア「スーパーフレア」が実際に発生しているということが発見されました。
このようなスーパーフレアは、太陽では起きないだろうというのが天文学の常識であったため、この発見は世界に驚きを与えました。
私は、このような「スーパーフレアは太陽でも起きるのか?」「起きたら地球はどうなるのか?」という大問題を解決したいと思い、これらのスーパーフレアを引き起こす星と太陽を比較する研究を行なっています。
これまで私は、太陽型星のスーパーフレアとそれを引き起こすのに必要不可欠な巨大黒点(膨大な磁気エネルギーの塊)は、太陽の小規模なフレア・黒点と同じ機構で生成(あるいは消滅)しているということを観測的に発見しました(Namekata et al. 2017b&c, 2019, 2020a)。
また最近は、京都大学せいめい望遠鏡を用いた研究も推進し、M型星スーパーフレアでの加熱機構への示唆を得ることや(Namekata et al. 2020b)、太陽型星スーパーフレアの伴う巨大フィラメント噴出の初検出に成功してきました(Namekata et al. 2021, Nature Astronomy)。
ただ、太陽型星のスーパーフレア研究はまだ始まったばかりで、我々の究極の課題「太陽でもスーパーフレアは起きるのか?」という点を解決するためには、今後も研究を続けている必要があります。
2021.04-2024.03: 国立天文台アルマプロジェクト 学振特別研究員 (PD)
2023.09-2024.03: 明星大学 理工学部 非常勤講師
2018.04-2021.03: 京都大学 学振特別研究員 (DC1)
2019.05-19.09: Colorado Univerisity/LASP (JSPS Overseas Challenge Program for Young Researchers)
2018.04-2021.03: 京都大学理学研究科物理学・宇宙物理学専攻 博士課程
2016.04-18.03: 京都大学理学研究科物理学・宇宙物理学専攻 修士課程
2012.04-16.03: 京都大学 理学部
2011.04-12.03: 大阪大学 工学部 応用理工
2008.04-11.03: 三重県立津高等学校
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