--- CMO #29 (25 March 2000) ) pp2695~2714 ---

 巻頭はCMO Mars Report (22)で、2000年二月後半から2000年三月前半までの観測報告が纏められている。この期間日本の天候は優れなかった。観測はいよいよ最終段階で、薄明中に捉えて二回出来るかと言うところになっていた。視直径δも4秒角となり、黄雲の季節は続いていたが詳しい観測は不可能だった。観測報告も国内三名、国外から二名となった。

 次いで今号には1998/99 Mars CMO Noteが二編掲載された。Note (5) で取り上げているのは、「1999年五月上旬のウトピア朝雲」 "Morning cloud at Utopia evident in early May 1999" で、国内の観測をはじめHSTの画像も参照して論考している。Note (6) では、福井での懇談会の様子が、「1999年五月の第七回惑星観測者懇談会」 "7th Workshop of the CMO Observers held on 3 May 1999" として記録されている。CMO Fukuiのお二人の還暦祝いの赤いダウンベストの画像もある。

 LtEは、外国からはDon PARKER (USA), Sam WHITBY (USA), Giovanni A QUARRA (Italy), Brian COLVILLE (Canada)、国内からは、伊舎堂弘(沖縄)、常間地ひとみ(神奈川)、尾代孝哉(和歌山)、比嘉保信(沖縄)、森田行雄(広島)、木村精二 (東京: air-mail from London)の各氏からのものが紹介された。巻末には今号も筆者の「藤沢便り」があり、今も同じ症状だが花粉症で不調なのが伝えられている。

 TYA(55)は、CMO#085 (25 Mar 1990)が紹介されている。廿年前の火星は朝方にあり、δは5秒角に達してそろそろ観測開始かという時期になっていた。季節は南半球の春分が過ぎたところだった。 「ときどき "Something Old" 」が始まり、1回目には、アントニアディ(E Antoniadi)氏の1911年の黄雲の観測をとりあげている。


村上 昌己 (Mk)