歳時記村 (1)

-- June 1998 --

村上昌己

　梅　雨　　今年の梅雨は本格的で五月下旬から曇天が続いている。関東南部でも記録的な日照不足とかで、私の五月の黒点観測日数も十五日間に留まっている。六月の観測日数に至っては、未だ僅かに六日間である。
　このごろは庭の紫陽花が真っ盛りで、目を楽しませてくれている。青紫から赤紫まで株によって花の色が違うのも面白い。梅の実もすっかり色づいてしまい、梅雨の終盤を感じる。今年の我が家の梅の実は、生り年だったのか20kgも収穫できて、梅干し、梅酒、梅ジャムと加工された。自然のありがたさに感謝している。
　沖縄は早くも梅雨明けとのこと、夏至過ぎの暑い太陽が照りつけている事と思う。此方藤澤では、降れば長袖を着ている梅雨寒である。

　現在1998年六月には火星は「おうし座」にあり順行している。太陽の西に移ったが離角は僅かで観測は出来ない。六月下旬には地心距離が最大になり、以後はゆっくりと近付いてくる。

　他の惑星達のニュースとしては、先ず、木星は夜半過ぎに昇ってくるようになった。話題は木星の永続白斑 DE が消滅？してしまったとされることである。我々はホイットビー氏からのメイルで知ったのだが、ALPO/Jupiter Section/JUPITER OBSERVING ALERT! に拠ると International Jupiter Watch (IJW)の News Letterに宮崎勲氏が五月13日に撮したメタンバンドによる画像に関するやり取りがある。宮崎勲氏は「BC-DE の位置に明斑が一つしか認められず、二つの永続白斑が一緒になってしまったのか？」と判断を求めている。
　また、五月７日に Pic du Midi の 105cm 望遠鏡が撮した画像でも同様の結果を示しているようである：赤外光では FA は認められるが BCは微かで、DE は認めらなかった。メタンバンドでは BC,FA が明るく認められるが DE は見えていなかった。
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The Jupiter Section Observing Alert

White Ovals BC and DE Merge

It appears that long lived white ovals BC and DE have merged, according to the newsletter of the International Jupiter Watch (I.J.W.) dated May 22, 1998. The merged oval, now called BE, appears on an image taken by Isao Miyazaki on May 13, 1998. John Rogers, of the B.A.A., brought the merger to the attention of the I.J.W. The newsletter is accessible from the I.J.W. link on the A.L.P.O. Jupiter Web Page.

Observers are encouraged to brave the early morning cold and observe Jupiter. If you can time oval BE, try to record preceding, center, and following timings. From examining the image, BE appears between approximately 280 to 310 degrees system 2. Report your finding to the A.L.P.O. Jupiter Section staff.

Regards,
David J. Lehman
Acting Coordinator
A.L.P.O. Jupiter Section
David Lehman at DLehman111@aol.com
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　永続白斑は昨1997年に大赤斑の南を次々に通過して面白い光景を見せていたが、「合」明けの現在の時期に興味ある現象が起きているのが確認された。木星は六月19日に「西矩」を迎え、離角も大きくなり観測期に入っている。木星を観測している方は、眼視観測では確認は難しそうだが、永続湾 BC-DE に注意を払って観測をしてほしい。

　水星は六月10日「外合」となり、以後は夕方の空に移る。金星は朝方の東天にあって、外合に向かって視直径は13秒角にまで小さくなっている。土星は「うお座」にあって順行中で、朝方の南東の空に低い。七月には「西矩」を迎える。

( 23 June 1998 )

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