編 集
後 記
年も改まり、寒さも厳しくなっているが、いよいよ今期の火星接近の時を迎えた。逆行に移った火星は夜半前から出も早くなって、暗くなった頃には東の空で明るく目立っている。西空の金星と土星、天頂の木星と今年の冬は明るい惑星達で賑やかである。
関東では十二月から冬晴れが続いていたが、最近は空の靄っていることも多くなり、春の訪れの近づいているのが感じられる。御近所でも蝋梅や水仙が満開となり香りを漂わせている。山茶花は盛りを過ぎて散り始めている。早咲きの紅梅が咲きはじめてきて、我が家の遅咲きの梅のつぼみもふくらみ始めている。
逆行に移った火星は「ふたご座」にもどり、カストル・ポルックスと並んで明るく輝いている。
今期の最接近は、一月12日のことで、視直径は14.6秒角に達した。黄経での「対衝」は16日GMTのことであった。冬場の小接近のこともあり、日本のベテラン勢やヨーロッパの観測勢はふるわないが、セブの阿久津氏は観測数を伸ばしている。アメリカ勢の観測により、火星面の大勢を知ることが出来る。
一月26日記
火星課長 村上昌己