編 集 後 記
十二月となり、季節どおりに気温が下がってきてイチョウもすっかり黄色くなり既に散ってしまっている。中旬からは寒気の南下で一桁に気温の下がる日が多くなり、朝夕の寒さを感じるようになっている。御近所では、サザンカ・ヒイラギ・ヤツデ・ツワブキなど冬の花が目に付くようになっている。我が家では福井駅で貰った水仙が今年は早々と花を付けてくれた。他にもいつものシャコバサボテンとローズマリーの花がベランダで咲いている。
十二月には上旬に夕方の土星食があり、晴天に恵まれて撮影をすることが出来た。当地では上弦の月の北端の浅いところを通過してゆく現象で、暗縁からの潜入と、明縁からの出現の両方が観測できた。夕方暗くなってからの現象で、土星の地平高度も高く、条件の良い土星食であった。
火星は、十二月8日に「留」となり、右図のようにプレセペの手前で逆行に移っている。出も夜半前に早くなり、木星が高くなる頃には、東の空に昇っているようになった、視直径も16日には13秒角を越えて大きくなり、今接近の始まりとなっている。
冬場で寒気も厳しく、シーイングも安定しないが、北極冠が明るくこちらを向いているようになり、火星北半球の春分過ぎの季節の観測になっている。来月中旬には「最接近」と「衝」を迎える。ぜひ望遠鏡を向けてほしい、
十二月24日記
火星課長 村上昌己