Ten Years Ago (210)

 

---- CMO #265 (25 October 2002) pp3443~3462 ----

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/cmo265/index.htm


頭は2001 Mars CMO Note(11) として"Trend of Phśnicis L during the 2001 Dusty Time" 「ポエニキス・ラクスの消失と回復」が南氏により草された。よく知られているように全球的に黄雲に覆われても高山の山頂は黄雲の上に飛び出して赤黒く残り、位置確認の良い指標となる。この稿ではタルシス山系のアルシア・モンスを指標にして、近隣のポエニキス・ラクスやソリス・ラクス、パシスの黄雲後の様子をMOCswathも引用して黄雲発生から半年過ぎた184日目までのω=127°Wあたりの画像を並べて消長を比較している。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/265Note11j/index.html

 次いでGreat 2003 Mars Coming (2) "Possible Flashes on Mars in 2003" 2003年の閃光現象の可能性」が掲載されている。これは伊那での集まりの時に村上が発表したもので、2003年七月末から八月始めにかけて条件が整いソリス・ラクスあたりで閃光現象の起きる可能性があり、日本からの観測も時間的に可能であることを示して確認を呼びかけた。CMO Ina Meeting Report (4)として収録されている。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/coming2003/02j.html

 

 続けて、Great 2003 Mars Coming (3)として、西田昭徳氏より "Ephemeris for the Observation of the 2003 Mars. I" 2003年の火星観測暦表(その1)」が提供された。200211月より12月末までの二ヶ月分が計算されている。2002年末の季節はλ=116.0°Ls、視直径は、まだδ=4.6"であった。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/coming2003/03j.html

 

 LtEには、Clay SHERROD (AR, the USA), Ed GRAFTON (TX), David GRAHAM(the UK), Frank J MELILLO (NY), Agustin SANCHEZ LAVEGA (Spain), David STRAUS (MI), Bill SHEEHAN (MN), Dave MOORE (AZ), Sam WHITBY (VA), Don PARKER (FL), Damian PEACH (the UK, in Tenerife)の外国の諸氏から, また国内からは、阿久津 富夫(栃木)氏、森田 行雄(広島)氏他、能生町教育委員会(新潟)からの連絡事項が収録されている。

 

 五回目となった筆者の「新・歳時記村」は「陸前紀行」と題して、2002年九月に訪ねた三陸沿岸や水沢の旧緯度観測所などの様子を伝えている。三陸海岸へは気仙沼の親族の家を拠点として訪ねた大船渡湾入り口の碁石海岸までの道であった。往路で気仙大橋から右手に広がっていた高田松原は記憶の中にある。途中昼食に立ち寄った陸前高田駅前の街は昨年の大津波に呑み込まれて跡形もなくなってしまった。

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/mura5/mura_5.htm

 

 TYA(86)は日岐敏明氏の担当で、CMO#122(25 October 1992)号の内容を伝える。20年前の火星は「ふたご座」に入り赤緯も高くなり、朝方の空に高度が出るようになっていた。季節はλ=341°Lsまで進み南半球黄雲の季節の最終段階にあった。3 Oct 1992には伊舎堂氏が筋状黄雲を観測し、ガンゲスの濃化を認めたが、すぐに収束した。傾きは北向きで、北極雲の朝方の活動も見られた。トップページには「火星面同時観測の呼びかけ」があり、日を定めオールナイトの40分間隔連続・同時観測が計画された。 

http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmohk/265tya86.html

 

                                            村上 昌己 (Mk)


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