2009/2010 CMO『火星通信』火星觀測ノート (17)
デウテロニルスとマレ・アキダリウムの間の明帶について
CMO #388 (
南 政 次
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レ・アキダリウムとデウテロニルスに囲まれる帶が屢々明るく見え、黄塵と間違えられるときがあるが、これは半ば地面が照らされ、多くは白雲に近い雲帶であろうと思われる。何人かの觀測者によって撮られていると思うが、此処では、ドン・パーカー(DPk)氏の15Mar2010(λ=064°Ls)ω=017°WのB像に依って示そうと思う。視直徑δ=10.7"の時であるが、良像である。全體は
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2009/100315/DPk15Mar10.jpg
を見られたい。此処に示す圖にはR像とB像を並べたが、明らかにB像には明帶に相當するところが明るくなっていて、水蒸氣の伴っていることが判る。これはアキッリス・ポンスの方にも流れ込んでいる。從って、屢々黄雲と間違えられるこの明帶は白雲系のものであろうということが言えると思う。朝方だけでないことに注意する。
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