2007年度夏の学校の運営に関する提案に関するアンケート 集計結果 回答数:169人(全27機関)*
* 回答数には、2007年度 夏の学校事務局(京大宇物、京大基研、京大天体核)は含まれておりません。
アンケートにご協力くださり、本当にありがとうございました。
皆様よりいただいた貴重な意見を真摯に受け止め、今後の夏の学校運営に活かしていこうと思います。
◇  2007年度 夏の学校事務局からの提案
- パラレルセッションを現状の2つから3つにし、併せて日程を4泊5日から3泊4日にする。
- ポスターセッションを各分科会ごとに戻す。
- シングルセッションを公募制とする。
実際に行ったアンケートの文面はこちらを、
上記提案をするに至った経緯やこれらの提案を実現する意義については
こちらをご覧ください。
☆ 提案1「パラレルセッションを現状の2つから3つにし、併せて日程を4泊5日から3泊4日にする」について
■ パラレルセッションの数を3つにする案について
(賛成)
- 分科会の数や発表者の増加に対応するには一日の密度を上げるしかないことは明白なので
- 事前に講演プログラムを確認し会場を移動するなど、あとは個人に任せるしかない
- どのセッションをパラレルにするかは、慎重に決めてほしい
- 招待講演が重なってしまうことは避けてほしい
- 場合によってはスタートの時間をずらす、分科会を小分けにして行うなどの措置も
検討してはどうだろうか
- 参加者数に合わせて臨機応変に対応するのもよいのでは
(反対)
- 聞きたいセッションが重なってしまうから
- 夏の学校は自分の専門分野以外のことも勉強できるよい機会だから
- 現時点で興味を持っていない話題こそ、それに触れて新たな発見と知識を広める
チャンスであると考えられるから
■ 日程を3泊4日にする案について
(賛成)
- 金銭面での負担が減ることになるので歓迎
- 4泊5日は長い。特に博士課程の学生には本人にも研究室にも負担が大きく、
結果として自分の発表前後しか参加せず、幅広い分野の研究に触れる意義は薄れていた。
3泊なら全日参加しやすく、結果的に多くの人に出会うチャンスが増えるのでは。
- 夜の分科会が4日から3日に減って交流の場が少なくなるのはちょっと寂しい
(反対)
- 夏の学校は自分の専門分野以外のことも勉強できるよい機会だから
- 懇親会の回数は減らしてほしくないから
- 期間を縮小することは他大学の人との交流の時間を削ることにつながるから
- 費用面で厳しい人には期間を限って参加するという選択があるので、
費用の軽減は開催日数を減らす理由にはならないのではないか
- 4泊5日は長くないから
- パラレルセッションの数を3つにするなら4泊でないと幅広い分野の話を聞けないから
(その他)
- 日程を短縮させることより内容を充実させることを考えて欲しい
☆ 提案2「ポスターセッションを各分科会ごとに戻す」について
(賛成)
- 専門の学生が集まりやすく、発表者と参加者のモチベーションがあがるだろうから
- 会期後半の発表者には時間的に不利な点が多くあるので、この点には十分配慮して欲しい。
例えばフリーポスターディスカッション(FPD)を皆が参加しやすい中日にし、
ポスター発表者は FPD に参加することが望ましいなどと参加要項に書いておく
- 科学者として興味を持つのは内容であって発表形式ではないことを考えると、
異なるセッションが入り混じるポスター講演はやはりおかしい。
異なるセッションの発表も聞きたいという声が一部あったが、それなら部屋を移動して
聞きに行けばいい。その点パラレルセッションが増えれば自由度が増してよい。
同じ部屋の同じ席に座っていれば色んな分野の話を「無理にでも」聞けていいという人もいたが、
そんなパッシブな姿勢で科学者をやっていこうというのが甘いのではないか。
(反対)
- 夏の学校は自分の専門分野以外のことも勉強できるよい機会だから
- 短時間で多くの発表が聞ける共通ポスター制度は残して欲しい
- ポスター講演は前半にまとめなければ宣伝の意味がないから
- 分科会の規模によってポスターアワードに有利・不利が出るのではないか
- 分科会ごとにして閉鎖的になると、宇宙に関して色んな分野のことが知れる夏の学校の利点が
失われてしまうから
- ポスター発表は1人当たり2、3分程度なのでまとめてやってほしい
(その他)
- ポスター発表の2、3分講演では大した説明ができないから、ポスター発表の時間を
ポスターを見る時間や口頭発表にまわした方がいい。
その代わりにアブスト集などを充実させて事前に web に掲載するなどしてほしい。
色んなことに興味がある人はちゃんと見るから。
- ポスター紹介は時間の圧迫になるならばしなくてもよい
- どんな研究であれ1分あればポイントを伝えられると思うので、
宣伝時間を1分にするのもよいのでは
☆ 提案3「シングルセッションを公募制とする」について
さまざまな意見をいただきましたが、「事務局企画の枠を公募制にする」という提案に対して
大まかに、「賛成・反対・その他」の3つに分類させていただきました。
「天文学と社会」・「天文学の舞台裏」も含めたシングルセッション全てを公募制とする案や、
シングルセッションそのものに関した意見は「その他」に分類しました。
(賛成)
- より広くから企画を募れて自由度が広がるのでよい
- まずは事務局企画のみを公募制にして、きちんと運営できるか試してみるのがよい。
成功したら、それ以外のシングルセッションも公募制にすることを検討してみると良いだろう。
- より皆の興味のある内容を聞くことができてよい
- 今までは座長が近くにいる人に声をかけている、あるいは半ば強制的にやらせているため、
興味があってもやれない人がいたかもしれないから
- 賛成だが、公募が集まらなかった場合についてもよく検討しておいて欲しい
(反対)
- 公募制にする場合、応募する時点で招待講師をある程度決めておく必要があるが、
それは難しいのではないか。応募時点で夏の学校の時期の予定がはっきりしている招待講師は
少ないと思われる。また、企画が落選した場合、お願いしていた招待講師に大変失礼なことになる。
- 現状の方が、有名な人、珍しい人の話が聞けるのではないか
- 今までの方式の方が(システムとして)はるかに楽だから
(その他)
- シングルセッションはすべて公募にしたほうが公平なのではないか
- 特に天社・舞台裏は単に企画を守り受け継いでいきたいという側面が強いと感じるから、
本当にシングルセッションを充実させるなら全て公募制がよい
- 天社・舞台裏の両方とも一度白紙に戻し、必要性を感じる人がいれば有志で行うのがよい
- 全てを公募化してしまうと、少数派の希望がまったく通らなくなる危険がある
- 全てを公募制にするとしても、「天文と社会」、「天文学の舞台裏」というコンセプトは
残しておくべきではないか
- 天社・舞台裏の内容をよりよくするために内容自体を公募するならあり
- 天社・舞台裏が公募から落ち、それ以降の年で応募が少なかった場合の対処法が分からない。
それをはっきりできれば全てを公募制にしてもいい
- すべてを公募制にした場合、もし一度天社や舞台裏が落選してしまうと、その復活は非常に
困難ではないか。行われなかったセッションの座長を引き継ごうという人が出てくるとは思いがたい。
- 天文の学問以外の側面というのも、参加者の興味云々でなく天文を学ぶものとして
知っておくべきなので、天社・舞台裏はシングルセッションで全員参加が望ましい
- シングルセッションの数を減らして、その時間を口頭発表、ポスター発表の時間にして欲しい
- むしろシングルセッション自体なくても構わない
■ 趣旨を理解した上で、今後事務局企画だけでなく、天社・舞台裏も含めたシングルセッション全てを
公募制とする案について
アンケート集計結果に対して我々事務局が話しあった結果、各提案に対し、以下のことを決定いたしましたことをご報告させていただきます。
提案 (1) パラレルセッションを現状の2つから3つにし、併せて日程を4泊5日から3泊4日にする
参加できる分科会数が減ってしまう、などのデメリットもありますが、各分科会における時間不足の解消のため、
やはり3パラレル制は避け難いものであると考えております。
過半数を超える賛成も頂きましたので、来年の夏の学校はパラレルセッションを3つにしたいと思います。
またあわせて、参加費用軽減という面も考慮し、3パラレル化で日程を短縮しても十分な時間が確保できることから、
次回の夏の学校は3泊4日で開催することに決定いたしました。こちらも過半数を越える賛成を頂いております。
もちろん次々回以降は参加者の増加で4泊5日に戻ることも予想されます。
この点については3パラレル制の是非と併せて、次々回以降の事務局で検討して頂きたいと思います。
提案 (2) ポスターセッションを各分科会ごとに戻す
共通ポスター発表が導入された最大の原因は、ポスター発表を夏の学校会期後半(特に最終日)に
割り振られると宣伝効果が少なくなってしまう、というものでした。
我々事務局としては、時間割りの組み方等でこの点には十分に配慮しつつ、
発表の内容面の充実をより重視したいと考え、ポスターセッションを分科会ごとに戻すことにしました。
アンケートの結果でも、賛成多数を得られております。
また、宣伝効果をさらに高めるものとして予稿集を作るなど、ポスター発表については必要な改善策をさらに進めたいと考えています。
提案 (3) シングルセッションを公募制とする
夏の学校での議論の通り、シングルセッションのうち事務局企画の枠のみを公募制とし、
天社、舞台裏は例年通りとします。
参考として全シングルセッションの公募制導入についての意見も伺いましたが、
賛成反対それぞれの立場から多様な意見を頂きました。
賛成多数ではありましたが、既に総会の議論で天社・舞台裏は来年度はこれまで通り行うとしましたので、
完全公募制について来年度は見送りとさせて頂きます。
この点については、来年度夏の学校で試験的に導入する公募企画の結果如何と合わせ、
次期事務局への引き継ぎ検討事項とさせて頂きます。
2007年度天文・天体物理若手の会 夏の学校事務局一同
事務局長:成本 拓朗(京大宇宙物理D1)
連絡先:ss07info[at]kwasan.kyoto-u.ac.jp