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太陽物理学分野

太陽はその外層大気の基本的構造を具体的に観測して解析できる 唯一の恒星です。 星の内部で再生産され捻られた天体磁場が、表面に浮上して引き起こす 様々な磁気プラズマ活動現象を、具体的に解析できる唯一の天体です。 このことから太陽は宇宙プラズマの実験室と呼ばれています。 又その太陽活動の変化は、今後益々盛んになる人類の宇宙活動を はじめとした、近代文明に大きな影響を与えますので、そのメカニズムの 解明が急がれています。 このような観点から、飛騨天文台のドームレス太陽望遠鏡及び 太陽フレア監視鏡と、花山天文台の18cm屈折太陽フレア望遠鏡等に よる観測を中心として、太陽表面爆発現象の エネルギー蓄積解放機構の研究をはじめ、次のようなテーマについて 研究が行われ、多くの成果を挙げています(10.研究成果報告 参照)。 特に13年度末には、補正予算で太陽活動総合観測システムの設置が 決定した為、その四連望遠鏡部、塔体部、線及びベクトル磁場 太陽全面像撮影レンズ系、リオフィルター、CCDカメラ撮像系等の 詳細設計を行ないました。

  • 太陽外層大気(光球、彩層、遷移領域、コロナ)の微細構造の研究
  • 粒状斑パターンの連続追尾による、太陽光球速度場の研究
  • 太陽活動領域の構造と進化の研究
  • 太陽活動現象(黒点、紅炎、フレア)の構造と発生機構の研究
  • 双極磁場領域の浮上と再結合過程及びそれに伴う活動現象の研究
  • 磁気シアー構造の発達過程と太陽面爆発のエネルギー蓄積 解放機構の研究
  • 太陽コロナループの熱力学構造と加熱機構の研究

(黒河 宏企 記)



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