太陽宇宙プラズマ物理学分野

本分野では、太陽プラズマ活動現象の観測的・理論的研究とともに、 太陽活動現象に類似の宇宙プラズマ活動現象(恒星フレア、宇宙ジェットなど) の理論的研究が行なわれています。わが国得意のスペースX線観測(ようこう)、 地上高分解可視光観測(飛騨天文台)による太陽研究で発見された様々な 法則を、スーパーコンピュータや理論を用いて 天体フレアや宇宙ジェットに応用することにより、 大きな成果があげられています。 平成11年度はとくに以下の研究がなされました。

I. 太陽プラズマ活動現象の観測的研究

1)フィラメント噴出現象における磁気リコネクション・レイトの 観測データに基づく統計的研究

2)太陽フレアにともなうプラズモイド噴出の統計的研究

3)ようこうSXTデータに基づく浮上磁場領域コロナの進化の研究

II. 太陽プラズマ活動現象の理論シミュレーション研究

4)太陽フレアおよびコロナ質量放出の浮上磁場トリガー機構に 関する2次元MHDシミュレーション

5)プラズモイド噴出トリガー型磁気リコネクションおよび フラクタル磁気リコネクションの理論的研究

6)自己相似型磁気リコネクション

7)アルフベン波によるスピキュール生成とコロナ加熱

III. 宇宙プラズマ活動現象の理論シミュレーション研究

8)超新星によってトリガーされた磁気リコネクションのMHDシミュレーション

9)宇宙ジェットのMHDシミュレーションと理論

10)ブラックホール磁気圏から噴出するジェットの一般相対論的 MHDシミュレーション

11)太陽フレアと恒星フレアの統一モデル

12)降着円盤コロナのMHDモデル

13)太陽フレアと磁気圏サブストームの比較研究