2階水平分光器焦点面での観測 (1) 太陽像モニター部 基本的に以下のいずれかを使用 液晶遅延素子内蔵 Lyot-Filter 撮像 観測可能波長: 6563Å(H-alpha), 8542Å(Ca II), 10830Å(He I) (ブロッキングフィルタを取り替えることにより使い分け) 透過波長幅: 約 0.25 Å 視野 : スリット面上での直径 43 mm = 277 arcsec 観測モード: 2K×2K CMOSカメラ+多波長自動切替制御 …複数のフィルター波長と、各々でのカメラ露出時間 をセットし、自動的に繰り返し撮像が可能。 カメラの階調は16ビット。 1フレームの画像容量は約8MB。 読み出し速度は最高100フレーム/秒。 数十~百フレームを用いてスペックルマスキング法にて 画像処理することにより、大気揺らぎによるボケを軽減 することも可能。 Hα Lyot-Filter 撮像(光路概略図) Zeiss製 LyotFilter(1階観測室の物を併用) 波長領域 : 6563±16 Å 透過波長幅: 0.5 Å と 0.25 Å の切替え式 視野 : スリット面上での直径 60 mm = 384 arcsec 観測モード: 2K×2K CMOSカメラ+多波長自動切替制御 …複数のフィルター波長と、各々でのカメラ露出時間 をセットし、自動的に繰り返し撮像が可能。 カメラの階調は16ビット。 ビニングも複数種可能で、ビニング無しの場合の 1フレームの画像容量は約8MB。 (2) 分光観測部 この分光器は、冒頭の図に示した様に、分散した光を赤色から青色まで6つの パートに別け、各々を観測室の6つのポートに結像させることができ、同時に 12波長域(各ポート2箇所)である程度高分散のスペクトル観測が可能な 構造になっている。 回折格子(HGR)…3枚自動切替式 ブレーズ角: (I)17°27′, (II)26°45′, (III)48°55′ 回折溝数 : (I)1200, (II)1200, (III)600 本/mm 有効面積 : 154 × 206 mm^2 波長・次数・分散角の関係式 格子(I)の1次のスペクトルの各ポートでの典型的な波長領域: ポート1… 3600 - 4180 Å、 ポート2… 4180 - 4750 Å、 ポート3… 4750 - 5310 Å、 ポート4… 5310 - 5850 Å、 ポート5… 5850 - 6390 Å、 ポート6… 6390 - 6900 Å、 この場合の波長分散: 4000 Å … 0.827 Å/mm 6000 Å … 0.770 Å/mm スキャン機構…焦点面上流側に挿入するガラスキューブを左右に往復回転運動 させることにより太陽光を左右にシフトさせ、分光スリットを 太陽面上で2次元的にスキャンさせる。 カメラ…当天文台所有のものとしては同時に最大6台利用可(持ち込みで追加も可能) ピクセル数 : 1600x1200 pix^2 (CCD 3台), 1568×1024 pix^2 (CCD 1台), 2048×2048 pix^2 (CCD 2台, CMOS 3台), 640x512 pix^2(赤外線 3台) ピクセル分解能: 0.047 arcsec/pix, 0.058 arcsec/pix, 0.0894 arcsec/pix, 0.042 arcsec/pix, 0.128 arcsec/pix (カメラ毎) 〜7.6 mÅ/pix, 〜9.2 mÅ/pix, 〜14.4 mÅ/pix, ~6.7 mÅ/pix, ~20.5 mÅ/pix (for 1-st order at 6000Å with Grating(I)、 ビニング無しで直焦点の場合。縮小レンズでより粗くすることも可) 観測モード : PC上の制御ソフト(WindowsOS)から、露出・フレームレート 等を設定し、自動観測が可能。 複数のカメラ間でトリガーを共有し、上記スキャン機構 との同期撮影が可能。 (下図は3台のカメラで同じ活動領域を3波長で同時に分光スキャン観測した例)