Abell 2151

Abell 2151 銀河団 (ヘルクレス座銀河団)

衝突銀河
衝突銀河 IC 1178 と IC 1181
(上の画像の左下を拡大・別工程で画像解析)

 ヘルクレス座の方向、距離5億光年付近にある銀河団です。上の画像の中でぼんやりと広がった光の「しみ」のように見える天体が銀河です。 上の画像は、この銀河団の距離において差し渡し約300万光年に相当します。 我々の銀河系とM31(アンドロメダ銀河)の間の距離が約250万光年ですから、多くの銀河が密集していることが実感できるかと思います。 このような銀河の大集団を銀河団と言います。ヘルクレス座銀河団の場合、半径600万光年の中に約360個以上の銀河がひしめきあっています。 比較的近くの宇宙では、おとめ座銀河団(5500万光年)、ペルセウス座銀河団(2.6億光年)、かみのけ座銀河団(3.3億光年)等が有名ですが、 ヘルクレス座銀河団もこれらに匹敵する立派な銀河団です。 また、ヘルクレス座銀河団の近くにある Abell 2147、Abell 2152 という銀河団と合わせて、より大きな構造のヘルクレス座超銀河団をつくっています。

 ヘルクレス座銀河団は、楕円銀河は少なめで円盤銀河が多い銀河団ですが、変な形をした銀河が比較的多いのも特徴です。 右側の拡大画像に写っている2つの銀河は、尾を引くように見えます。 これは銀河同士が近づいてその潮汐力で銀河の中の星が引きずり出されて延びた構造です。 このように、銀河同士の相互作用や銀河同士の衝突によって、妙な形をした銀河ができます。他にもないか探してみてください。

 Abell 2151とは・・・  Abellという人が1950年代に作成した銀河団のカタログの2151番目という意味です。

 2024年7月4日 21時49分(JST)
 観測装置:TriCCS
 露光時間:g, r, i各バンド 540秒
 写野:23.1x20.2 arcmin
  (横2x縦3の写野をマッピング)
 Ⓒ 京都大学岡山天文台/ 東京大学
 高解像度版(3953x3456pix, 12.2MB)