常間地 ひとみ: 国立天文台訪問記
『火星通信』424号(2014年七月25日)
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立天文台三鷹キャンパスに行ってきました。
ハワイ島理科研修事前研修の最後のプログラムで、同天文台天文情報センターの臼田-佐藤功美子氏の講義を受けることが目的でした。
八月に訪れるすばる望遠鏡をはじめとしてハワイ観測所の研究のあらましについて、そして現在マウナケアに建設計画の始まっているTMT (Thirty Meter Telescope)についての説明などを伺ってきました。最新型望遠鏡はどんどん「宇宙の晴れ上がり」に迫っていると
いう話です。
その昔「宇宙には限りはあるが果ては無い」という話を河原先生から伺ったことを思い出しました。
久々に訪れた天文台は、名前こそ変わってい
20cmはカール・ツァイス製
となりの写真儀(10.5cm)はシュタインハイル製です。
ここのドームは三鷹キャンパスの中で一番古いそうです。
第一赤道儀室(当時こんな名前だったかな?)を出ると、太陽を振り出しに14億分の1のサイズの太陽系惑星が140億分の1に縮小した距離に並んだ「太陽系ウォーク」というまっすぐな道があって、その突き当りに65cm屈赤を納めたドーム。「大赤道儀室」という大きな表札がついていますが案内板には「天文台歴史館」となっていました。歴史館!国内最大級の屈折赤道儀が…。鏡筒部分の塗装の一部がめくれあがっていました。以前は上下した観測床は固定されて、今は動かなくしてしまったようです(耐震構造などと一斉に騒ぎ出した頃でしょうね)。「歴史館」だけあって赤道儀の周囲にはパネルやらガリレオの望遠鏡のレプリカやら古い観測装置やらがぐるっと展示されておりました。もったいない。
入口の扉に「ハチに注意」とでかでかと貼紙。そういえば道の途中に「毒ヘビに注意」というのもありました。自然が豊かなところです。
2011年に国指定重要文化財に指定された(天文台自体が文化財ですけど)というレプソルド子午儀を納めた子午儀資料館(外観は「大草原の小さな家」風)。天文台が麻布にあった頃に時刻の決定と経度測量に使われていたそうですが、三鷹へ移されてからは主に恒星の赤経観測に活躍したということです。そのすぐそばにある「かまぼこ型」の建物はゴーチェ子午環室。天体の精密位置観測に使われていたそうです。
ほかに太陽塔望遠鏡というシーロスタットを組み込んで太陽スペクトル観測に活躍した塔型の建物(アインシュタイン塔という)もあるのですが、現在復元中ということで、昭和初期に流行した外壁のスクラッチタイルだけ見させてもらいました。
東京天文台は現役観測所としての役割はほぼ終え、これからは歴史文化的天文啓蒙ミュージアムとなっていくようです。
おまけ: 小さな売店があり、そこに「天文台限定チロルチョコ」があるというので行ってみたのですが、残念ながら品切れでした。土曜日の句会で配ろうかと思ったのですけど。
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