火星と地球が近づく接近はほぼ二年二ヶ月に一度起こりますが、地球の軌道は円に近いのに対し、火星の軌道は少しいびつなため、お互いの最接近距離がときによって違い、近日点のところで起こる大接近は十五年ないし十七年毎にしかおこりません。火星の遠日点のところで起こる場合(小接近)は火星の見かけの大きさ(視直径)は角度で言って14秒角以下になりますが、近日点近くで起こる大接近の場合は、火星の視直径が24秒角を越えます。2003年の火星大接近は火星の近日点間近で起こった未曾有の大接近(視直径は25.11秒角)でしたが、七十九年前の1924年の大接近も廿世紀随一のものでした(25.10秒角)。その間、大接近は次のように起こっています。
最接近日(GMT) |
最近距離 |
最大視直径 |
1924年八月22日 |
5578万km |
25.10秒角 |
1939年七月27日 |
5803万km |
24.13秒角 |
1956年九月07日 |
5656万km |
24.76秒角 |
1971年八月12日 |
5620万km |
24.91秒角 |
1988年九月22日 |
5881万km |
23.81秒角 |
2003年八月27日 |
5576万km |
25.11秒角 |
次回の大接近は2018年七月31日に起こり、最大視直径は24.31秒角と予報されています。(CMO-Fukui)
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(註)地平に立ってぐるりを見渡すとき、360度の角度があるわけですが、その1/360が1度角です。その1/60が1分角、更にその1/60が1秒角というわけです。