10 Years Ago (93) (Japanese)
- CMO #133 (25 May 1993 )-

CMO#133は、五月25日に発行された。観測報告は、四月16日から五月15日迄のものである。この間視直径は6.9秒角から5.8秒角に落ち、季 節はλ067°Lsから079°Lsまで推移した。最早観測の限界に近い中で、国内6名、国外3名の報告があった。北極冠のはっきりとした姿は18Aprの村上昌己(Mk)氏、27Aprの岩崎徹(Iw)氏等の観測で捉えられている。南政次(Mn)氏及び中島孝(Nj)氏は、夕方のマレ・アキダリウムからニロケラス迄を強く捉え、また、五月の上旬には、クサンテ上の明部が回転と共に夕端に姿を消していく様相を観測。デンマークのエリサベト・シーゲル(ESg)氏は、26AprW47で北極冠周囲に太いダーク・フリンジを見ている。同じくヘッラスにコアを見ている。

 巻頭は、「伊麗莎白特・西格爾夫人介紹」と題して、デンマークの火星観測家エリサベト・シーゲル氏の来日と、Mn氏等との会見の様子を伝えている。シーゲル氏は、偶然にも福井県の武生を訪れた。氏のご主人が「武生国際音楽祭」に招待され、それに同行したという事情である。シーゲル氏と会見したのはMn氏、Nj氏、西田昭徳(Ns)氏、横川秀紀(Yk)氏、永井靖二(Na)氏等であり、自然史博物館天文臺その他で情報交換し交流をもった。青フィルター(W47)の問題が話題となり、氏は青フィルターでも容易に模様を確認することができると言う。使用倍率(267130)が低すぎるからかもしれない。また、氏のスケッチに関する議論では、ヴァレル氏作成のスケッチ様式に対して、OAA方式の説明などが行われた。また、火星の地名の発音も比較されたようである。なお、この会見は地元の新聞にも掲載(Na氏による記事)され、その記事が転載されている(なお、のちにデンマークの天文誌にも紹介された)。

 LtEでは、伊舎堂弘(Id)氏、Iw氏、Mk氏、森田行雄(Mo)氏、ヨハン・ヴァレル(JWr)氏らが便りを寄せている。今期の観測を通しての感想が多い。Id氏は、40分間隔の観測の難しさについて述べ、Mk氏は、眼視観測に集中したことが正解だったことや次期も眼視で参加したいこと等が述べられている。

--------日岐 敏明 (Hk)

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