From Reiko TAKANARI
●・・・・・・南先生、メール拝見しました。火星ではなく金星凌日だったんですね。おかげさまで調べやすくなりました。1874年にはハーンはシンシナティで未だ駆け出しの記者でしたけれど、1882年はニューオリンズ、タイムズ・デモクラット文芸部長として彼の前半生で最も充実していた時期にあたりますよね。このころに書いた記事やエッセイには、未拾遺のものが少なからずあり、昨年亡くなられた銭本健二先生が精力的に調査収集しておられました。それ以前に発見されていて、ヘルン文庫にも何らかの形で存在していたものは、恒文社発行の全集に掲載されたはずですが、全集に載っていないということ、アメリカ時代の新聞はヘルン文庫には皆無ということから、先ず考えられるのは、銭本先生が調査されたものの中にあるかもしれないということです。いただいた文面から拝察しますと、せっかく佐藤先生が松江に連絡を取られたけれど、見つからなかったということではないかと思います。銭本先生の遺品の中にあったかなかったかということよりも、突然お亡くなりになられたので、遺品の整理がつかず、今はそれどころではないというのが松江の実情ではないかと思います。それで、私のほうでアメリカの心当たり(シンシナティ&ハミルトン郡公立図書館など)に調査を依頼することにしました。記事のタイトルは"Transit of Venus"だということですが、これはハーンが書いたのに間違いないのでしょうか。通常記事には書き手の名前は出ませんので、文体、語彙の特徴から判断してハーンを割り出しているので、先に調査された方々がハーンではないと判断された可能性もありますので。いずれにしましても記事のタイトルが分かっているのですから、少し時間がかかっても見つかるのではないかと期待しています。
大学自己点検・評価だの改組改変だのとあわただしい毎日で、些事に忙殺されておりますが、(時々あたしはこんなことするために大学におるのか・・・とため息が出ます)なんとかご期待に沿えるといいなと思っております。
先生からいただくメールには、いつも私の知らない世界の情報が満載されていて圧倒されつつもうれしく拝見しております。
(4三2003 email)
高成 玲子 (Reiko TAKANARI 富山
Toyama )
rtknr52@ruby.ocn.ne.jp