Ten Years AGO (74)    - CMO #110 (25 October 1991) -


星は、1991年十月には「おとめ座」を順行していたが、「合」間近の太陽に近い位置にあって、観測出来ない時期にあたっていた。 
 この号から来期の観測指標として「1992/93年の火星」シリーズが始まった。一回目として今号には恒例のグリッド図を載せて、「1992年の火星の見掛けの大きさや位相の変化 (Disks Displaying the Relative Size and Phase in 1992)」が、南(Mn)・西田(Ns)両氏の共著で掲載されている。

 次回の接近は1993年の年初のことであり、1992年度内の観測は接近前半の様子を見ることになる事と、此の接近からは北半球がこちらを向いて、北極地の観測に良い機会となってくる事を説明している。
 来期前半のポイントとして、1992年十一月中に北への傾きが最大になり、十一月下旬には北半球が春分を迎える事になるので(22 Nov: λ=000°L)、この時期には北極冠出現と以後の縮小過程の見極めに重点を置く観測を強く勧めている。この頃の火星は「ふたご座」にあって北半球の南中高度が高い有利さも述べられている。

 LtEには、Alan W HEATH(UK)からの、永年の友人COLLINSON氏の訃報記事(#108)に関しての御返事が掲載された。
 また、Barry ADCOCK(Australia)からのお便りと共に寄せられた、シーフ・シュピ−グラ−(Schief-spiegler)型望遠鏡の写真と得られた火星画像も紹介されている。

村上 昌己 (Mk)


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