From Isao
●・・・・・・・・Date: Wed, 05 Nov 2003 23:37:01 +0900
Subject: 沖縄の宮崎です
十一月に入りましたが、沖縄地方は本土に比べると気温の高い日が続いております。日中は、30°C近くまで上がる日があり、最低気温も25°Cあって、未だ半袖での生活です。『火星通信』の発行が止まったままなので、体調を崩されているのではないかと大変心配しておりました。
私の方は、九月中旬までは晴れた晩はなるべく火星を眺めておりました。しかし一週間ほど旅行に出た後、九月末に沖縄へ戻ると、当地もすっかり秋の空気に入れ替わっておりました(兵馬俑を見に北京経由で西安へ行きました。旅程を決めない個人旅行でしたが、大きなトラブルもなくのんびりできました)。
十月は、夏場に比べると、雲に邪魔されることは少なくなったのですが、筒先の火星は川底の小石のように激しく揺らいで、撮像の回数もめっきり少なくなりました。代わって夜明けが遅くなったこともあり、10分早起きして、早朝の木星を眺めてから出勤するようになりました。
ToUcamの画像の方は、火星の画像処理法が未だ納得行かず、もう少し何とかならんものかと、思い出してはあれこれやっております。いずれにせよ、やはりシーイングが決め手で、今年の沖縄は貼り付いたような火星が見られませんでしたので、気流の良い国で撮像したものに比べると明らかに見劣りがします。
今晩は、台風が湿った空気をもたらしたせいか、一ヶ月半ぶりに気流が安定しています。火星はずいぶんと小さくなりましたが、蟻の姿のキムメリウムが鮮明に見え嬉しくなり、久しぶりにカメラを付けてみました。取り急ぎ画像処理したものを添付します(My05Nov03)。・・・・
○・・・・・・・・Date: Thu, 06
Nov 2003 22:21:22 +0900
Subject: Re: 沖縄の宮崎です
拝復 画像の件、了解致しました。データの訂正方、ありがとうございます。九月に送信したものは、再度画像処理しますので、その分についてはご容赦下さい。
今晩は、昨日に比べると火星像は安定しておらず、絶えず揺れております。敬具
○・・・・・・・・Date: Fri, 07
Nov 2003 23:09:39 +0900
Subject: 沖縄は曇りました
電話を頂いてドームを開けましたが、結局雲間から火星は姿を見せませんでした。ご報告まで。
○・・・・・・・・Date: Sun, 09
Nov 2003 00:16:42 +0900
Subject: Re: 觀測依頼
沖縄の宮崎です。こちらは昨晩(十一月7日)曇天でしたが、本日(十一月8日)は晴れました。
ご依頼の火星のterminator付近の突起状模様ですが、眼視で確認出来、画像も撮れました。
この模様、十一月8日の10hGMT前(ω=170°W)には認められませんでしたが、11hGMT
(ω=188°W)では一目瞭然、突出しているのが分かりました。具志川は今晩、12h50m頃(ω=215°W)まで晴れており、その後曇りましたが、その間、突出部は明瞭に見え続けておりました。
ToUcamで映し出すモニター上では、この突出部は認められず、また、通常に画像処理したものも最初は写りが不明瞭なため、一時は錯覚か?とも思いました。しかし、処理画像にレベル補正を施したところ、突出部が明瞭に現れました(送信画像の中央のもの)。
一体これは何なんでしょうか?? 1988年の大接近では、地形模様がterminatorをこえて突出するのを何度も見ましたが、それは自転と共に比較的短時間で形を変え消えて行きました。2003年の今回の接近でも、最接近前にterminatorのカーブが歪なのを何度か見ました。しかし、このように顕著で長時間見えるものではありませんでした。B光のフィルター(444/105nm)を用い撮影しましたが、顕著な雲は捉えられていません。けれどもこの突起物、見た感じ、火星大気の高高度にあるものがオーロラのように光っているような感じがします。
画像を多数撮りましたので、もっと写りが良いものがあると思います。写真のレイアウトも取り急ぎ行ったものです。後日差し替えの画像を送信することと思います。
取り急ぎ、ご報告まで。
○・・・・・・・・Date: Sun, 09
Nov 2003 14:09:17 +0900
Subject: 画像再送
昨晩撮影の一連の画像、別添(My08Nov03)のとおりまとめてみました。
眼視では気付かなかったのですが、最も早い時間帯の画像(9:33GMT、ω=190°W)にも突出部の兆候が僅かに認められます。昨晩送信しました画像と差し替え方、よろしくお願い申し上げます。
沖縄は今日は小雨が降っており、観測は難しそうです。取り急ぎ、送付まで。
宮 崎 勳 (Isao MIYAZAKI,
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