Forthcoming 2007/2008 Mars
(17)

南極地を狙え

CMO #341 (10 January 2008)

南 政


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回の2007/2008火星は15年前の1992/1993期の火星と大きく違う特長があって、それは10 Dec 2007に南の秋分を迎えた後、2008年の元旦から南極がこちらを向くということである。これは二月末日まで續き、この時期、つまり南の秋分後の南極地を眺める絶好の機會になっているということである。15年前の火星は21 Nov 1992に南の秋分を迎え、3 Jan 2008に最接近をしたのであるが、この年は一度も南極がこちらを向くことはなかった。1992/1993期の南の秋分のときf12.9°Nもあり、λ=039°Ls邊りでφ=3.8°Nになるのが極大であった。これに對し、今回はλ=039°Lsまでφは南を指しているのである。

 W.H.ピカリングの極冠交替説を味わう好い機會である。大氣が純粋に炭酸ガスで出來ていると假定するとλ=025°Ls少し前に南極冠は成長しはじめるが、然し、實際にはダストや水蒸氣の存在に依って遅延が起こるであろうし、その前に、また南極雲がどの様に發達してくるか興味のあるところである。ただ、圖で分かるようにDsが北に向くため南極そのものは缺けに入ってくるし、今回は衝が近日點通過後のため視直徑の落ちの早いのが難點である。

           (圖は西田昭徳(Ns)氏作製)

 


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