Ten Years AGO (65) -  CMO #100 (10 January 1991) & #101 (25 January 1991)-


星は、1991年年初に「おうし座」で「留」となり以後は順行に移って地球から遠ざかっていった。視 直径は15秒角を切ってどんどん小さくなっていったが、赤緯は高く夜半前の南中が良い条件で観測出来る状況だった。一月5日にはLs000゚に戻り南半球は秋分を迎えた。
 
 #100は奇しくも羊年の1991年の第一号となった。OAA MARS SECTION には十二月後半の観測報告が纏められている。この時期に視直径は15秒角を下回り、位相角も20度を越えて朝方の欠けが大きくなってきた。
 この期間の観測報告は、国内外合わせ八名(93観測)の方々から寄せられた。日本では天候不順で観測は揮わなかったようである。期間外の追加報告として国内外から四名(57観測)があった。
 日本からは、M Sirenum辺りからS Sabaeus東端が見えるところまでの経度が観測された。夕方のChryse-XantheTharsis辺りがかかる東縁が明るいのが特徴的であった。暗色模様には大きな変化は見られなかったが、北極雲の出没する様子を各氏が日替わりでとらえている。

 #101には1991年一月前半の観測報告がある。この期間に視直径は12秒角まで落ちてかなり小さくなった。報告者も国内外合わせて七名(54観測)に減少している。期間外の観測報告としては、国内外から四名(68観測)があり、その中には、R McKIM氏の最接近前後のスケッチから選んで送ってくださった15観測や、松本直弥氏の最接近直前からのRD100写真44葉が含まれる。

 この期間には、S SabaeusからSolis Lが見えるあたりまでが観測された。小さくなって詳細はとらえられなくなったが、Hellasの北西部が明るく繭型に異形であるのが前期に引き続いて観測されている。Ls0゚をすぎて北極冠の出現が期待できる季節となり北辺が注目されたが、北極雲の活動はあるものの、中央緯度が南向きのこともあり北極冠は確認されなかった。


 その他の記事は、#101に「COMING 1990/1991 MARS(10) 見掛けの大きさや位相の変化(その4)」西田昭徳氏があり、#099の続編として1991年三月から五月末までの火星面経緯度図が掲載された。

 来信は、#100には、Barry ADCOCK(Australia)Georges VISCARDY(France)、宮崎勲、岩崎徹、Frank J MELILLO(USA)、阿久津富夫、日岐敏明の各氏から、#101には大澤俊彦、熊森照明、荒川毅、長谷川久也、神崎一郎、白尾元理、蔡章献、Clyde E KIRKPATRICK(USA)Marco FALORNI(Italy)Kermit RHEA(USA)、松本直弥、岩崎徹、日岐敏明、伊舎堂弘の各氏からのお便りが載せられている。
 Kermit RHEA氏から寄せられたのは、1990年十二月の観測レポートであり、5日から26日までのものが紹介された。

村上 昌己 (Mk)


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