南 政 次・西田 昭徳
★2001年は1Janで、δ=5.2"、最接近の21June 23hGMTでδ=20.8"、年末31Decには未だδ=6.3"であるから、視直径から見ると2001年はフルに火星観測年となる。火星の季節はその間、097゚Lsから300゚Lsまで推移する。南半球の冬至から春分を過ぎて、夏至までがスッポリと入る。最接近日は182゚Lsで、まさに南半球の春分直後である。
★δ=10秒を越えるのは、29 Mar (137゚Ls)から11 Oct (250゚Ls)あたりまで、また、1999年最大視直径の16.2"を越えるのは13 May (160゚Ls)から7 Aug (210゚Ls)迄の八十七日間もある。
★中央緯度φは赤道に近いところを彷徨き、今回は南北両半球が公平に見える。前半は矢張り北半球/北極に注目する。四月上旬から五月下旬(168゚Ls)まで、φは南を指すがさほどではない。最接近時でφ=4゚Nである。南極雲/南極冠を観察する折角の機会だが、深くない。ただ、180゚Ls前後は重要で、ヘッラスなど盆地の絡みで注意深く観測する必要がある。ヘッラスは10 Apr 2000 (143゚Ls) 18:00 GMTあたりで、日本に向く。このときφ=0.3゚Sである。四十日を加えると、20 May前後、June末などが機会となる。尤も、ヘッラスは150゚Lsあたりで活動を停止してくるから、三月上旬(125゚Ls)などもチェックして資料を集めなければならない。南極冠の初期の問題については別項で述べる。
★なお、今回はまだ南が十分ではないが、逆に言えば、北半球の遅い季節の観察という点では依然絶好の機会であることは注意すべきである。225゚Lsあたり(八月下旬)のクリュセなどは注目する。
★九月中旬(230゚Ls)からはφは本格的に南を向く。従って、南半球の黄塵の時期と重なるので、これは後半の課題である。
西 矩 ・・・・ 13 Feb 2001 22h (GMT) 留 ・・・・ 11 May 2001 15h 赤 径 衝 ・・・・ 13 June 2001 14h 177.6°Ls 黄 経 衝 ・・・・ 13 June 2001 18h 177.7°Ls 春 分 ・・・・ 17 June 2001 19h (南半球) 180.0°Ls 最 接 近 ・・・・ 21 June 2001 23h Ls値 182.4°Ls 火星面中央緯度 4.6°N 視直径 20.79" 光 度 -2.4 接近距離 0.45017 au (6734万km) 位 置 赤径: 17h14m, 赤緯: -26゚ 46' 留 ・・・・ 19 July 2001 23h 東 矩 ・・・・ 30 Oct 2001 02h 夏 至 ・・・・ 11 Nov 2001 11h (南半球) 270.0°Ls