編 集 後 記


 弥生三月となり、日差しも眩しくなって暖かさも増してきている。空の色も青味が薄くなり霞んで感じられるようになった。20日に「春分」をすぎて、東京では21日に桜が開花したとのことだが、当地ではまだソメイヨシノのつぼみは堅い。和泉川の土手では、ミツマタとユキヤナギが満開となり、コブシやレンギョウも咲き始めている。桜も日当たりの良い枝の蕾はだいぶ大きくなってもう少しで開花しそうになっている。

 


 

 火星と並んでいた宵の明星「金星」は322日の「内合」に向けて足早に離れていって日没時の西空に見えなくなってしまった。このところ自宅の屈折で撮影していた金星の画像をご覧いただく。同一機材での撮影と処理で、位相と視直径の変化を表現した。今回の内合では金星が太陽の10度も北を通過するので内合時の南極が照らされた画像の撮影を狙っていたが、小型のファインダーでは内合の一週間前の16日までしか捉えることが出来なかった。

 


 

 火星は四月には「おひつじ座」から「おうし座」へと入り赤緯を上げて行き夕方の西空に日没後も沈み残っているが、だんだんと七月の「合」に向けて太陽に追いつかれて行く。視直径も下旬には四秒角を下回り観測は難しくなってしまう。

 24日記

 

火星課長 村上昌己 


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