編 集 後 記
昨日は関東では半世紀ぶりの十一月中の降雪と言うことで驚かされたが、今日には眩しい日差しが戻り気温も平年並程度に戻っている。今月は蓼科へはいることなく横浜の自宅で過ごしていて、夕方に火星が見えていることもあったが、視直径八秒角を下回ったところで眼視観測は諦めて望遠鏡を向けることはなかった。天候は引き続き不安定で、天気の変化は早く晴天の日は少なかった。冬型の気圧配置になることも多くなり、木枯らし一号も吹いたが、日中はまだ暖かく湿度の低くなってきたこともあって過ごしやすい気候に感じられる。散歩道の花も初冬の花となり、キク・サザンカ・帝王ダリアなどが目を楽しませてくれる。
火星は十二月には、「やぎ座」から「みずがめ座」へとすすむ。視赤緯はだいぶ戻ってきたが、夕方の南西の低空に移り、だんだんと金星が近づいてくる。月初めは、視直径δ=6.5”・季節はλ=272°Ls・傾きはφ=19°Sで、南半球の夏至を過ぎたところである。Novus
Mons消失の時期でもあるが、融け残っている南極冠ともども確認できるであろうか? 年末にはλ=291°Lsまで進み、視直径はδ=5.7”と小さくなって、φ=25°Sと大きく南に傾いて南極地方が見えている状況である。
来年早々の元旦1
Janには、「みずがめ座」で海王星と1分角程度にまで接近する。最接近は16h(JST)で日没前だが、視野が暗くなるに従って海王星も低倍率の同視野に捉えられることと思う。接近の様子をステラナビゲーターで作図してみた。
十一月25日記
火星課長 村上昌己