巻頭論攷
南北線を正確に
村上昌己
CMO/ISMO #453 (
今接近もこれまでに沢山の画像の投稿があり、ギャラリーにまとめているが、南北線を正確に出していない画像が多く、明らかに傾いているものはこちらで修正してアップしている。前号のレポートに使用したGary Walker氏の画像のように、グリッドかけをする際には、WinJuposを使用して正しい向きに直す必要がある。6度ほど修正したとのコメントを入れたところ同氏から以下の問い合わせがあったので、 Parker/Morita methodについて少し説明をしたいと思う。
From: gw3c273@aol.com
To: cmo@mars.dti.ne.jp ;
vzv03210@nifty.com
Sent:
Subject: NS axis orientation of
Mars images
Regarding my image of
With best regards,
Gary Walker
パーカー氏・森田氏の画像を見ていただくと判ることだが、火星の移動方向を示す矢印が画像に描き込まれている。これはモータードライブを止めたときに火星が逃げていく方向を示すもので、この方向とCMOが提供する暦表のΠの値を使用して正確に火星面の北極方向が決定できる。
右図に例を示す。P←で示しているのが、火星が逃げてゆく方向で、それと直角に天の北極・南極方向がある。火星の北極方向角(Π)は、天の北極方向から東回りに測った角度で示される。
銀塩写真時代では、撮影後モータードライブを止めてバルブ露出を数秒続ければ流れる火星像が得られた。現在のデジタル画像撮影での最良の方法はどの様なものか考えてみると、モータードライブを止めて短い撮影時間で撮した数枚を合成する方法があると思われる。また、撮影モニター上で火星の移動方向を正確に画角の一辺に一致させる方法もあると思う。
いずれにしても、正確に南北線を出した画像の投稿が必要で、これは皆さんにお願いしたいと思う。今接近のように欠けの方向が大きく傾いているときには、CMOが提供するグリッド図も参考にしていただきたい。
暦表の使い方などは以前にもCMO#392に取り上げていて、以下のURLから再読することをお勧めする。
CMO/ISMO #392 (
http://www.kwasan.kyoto-u.–ac.jp/~cmo/cmo/M_392.htm
「位相角を使うこと(暦表の使い方)」