CMO/ISMO 2016 観測レポート#10
2016年六月前半の火星観測 (λ=162°~170°Ls)
南 政 次・村上 昌己
CMO
#450 (
♂・・・・・・ 今回は今期十回目のレポートで六月前半の観測報告をまとめる。この期間に火星は「てんびん座」で逆行を続けていて、日没時には既に南東の空にあり夜半前に南中するようになっていた。視赤緯Dは引き続いて21°S台で北半球での南中高度は低いままであった。視直径は今期最大のδ=18.6"から17.9"へ減少し、位相角はι=08°から21°に増えて朝方の陰りが画像では目立つようになってきた。季節はλ=162°Lsからλ=170°Lsにうつり、南極冠出現の時期になっているが、中央緯度はφ=12°Nから15°Nと北向きで南極点は視野に入らず、雪線緯度は58°Sほどと思われるが、まだ南極フードが局在していて、はっきりと捉えられた報告はなかった。また、黄雲の季節も始まっていて、小さな黄塵の発生があり火星面のコントラストを落としているように思えた。おりから、この期間の終盤になってマルガリティフェル・シヌスからアウロラエ・シヌスの南側にかけては黄雲の発生があり追跡されている。以下の記事をご覧いただきたい。
北極域ではウトピアあたりやマレ・アキダリウム付近では北極冠からの吹き出しや、あちこちで霧の漂っていることが記録されている。赤道帯霧はほとんど活動は見られなくなったが、朝方の霧は見られることはあった。山岳雲の活動も午後遅くなり、オリュムプス・モンス、エリュシウム・モンスなど夕縁に来て明るさが増している姿が捉えられている。
♂・・・・・・ 六月前半には季節も良くなり、観測時間も早くなって観測者の増加が期待されたが、ヨーロッパ・アメリカ側からの報告数はあまり増えなかった。日本では四日から各地が相次いで入梅となり、オーストラリアからの報告も天候の悪さで少なくなっていて、国内からは7名25観測、アメリカ大陸側から10名44観測、ヨーロッパから6名15観測、オーストラリアから7名12観測、南アフリカから1名9観測の報告で、合計では31名から105件の観測報告で五月後半とあまり変化はなかった。2名からの追加報告7件も含まれる。
バリー・アドコック (BAd) ビクトリア、オーストラリア
1 RGB Colour + 1 Violet
+ 1 UV Images (
阿久津 富夫 (Ak) 那須烏山市、栃木県 (*宇都宮大学天文台)
4 RGB Colour + 4 B
+ 4 IR Images (3*, 11 June 2016)
36cm SCT, 40cm Cassegrain* with an ASI174MM & ASI224MC
浅田 正 (As) 宗像、福岡県
2 Sets
of RGB Images (5, 11 June 2016) PPARC#
60cm Reflector with an ASI120MM
スティーファン・ブダ (SBd) メルボルン、オーストラリア
2
Sets of RGB Images (1, 15 June 2016) 41cm Dall-Kirkham with an ASI120MM
マルク・デルクロア (MDc) フランス
1 Set
of RGB + 1 IR Images (5 June 2016) 32cm Spec with an ASI290MM
ビル・フラナガン (WFl) テキサス、アメリカ合衆国
5 Sets of RGB
Images (8,~11, 15 June 2016) 36cm
SCT @f/17 with a PGR GS3-U3 32S4M-C
クライド・フォスター (CFs) センチュリオン、南アフリカ
9 Colour
+ 9 IR Images (6, ~8, 10, 15 June 2016) 36cm SCT @f/33 with an ASI224MC
ピーター・ゴルチンスキー (PGc) コネチカット、アメリカ合衆国
4
Sets of RGB + 4 IR images (2*, 11, 12, 15 June 2016)
18cm Maksutov Cassegrain, 36cm SCT* @f/39 with an ASI290MM
カーロス・ヘルナンデス (CHr) フロリダ、アメリカ合衆国
1 Colour Drawing
(14 June 2014) 23cm Maksutov-Cassegrain, 280×, 350×
石橋 力 (Is)
相模原市、神奈川県
4 Colour
Images (2, 5, 10 June 2016) 31cm
Spec, with a SONY HC9 Video
マーク・ジャスティス (MJs) メルボルン、オーストラリア
1 Set
of RGB Images (12 June 2016)
30cm Spec with a DMK21AU618
マノス・カルダシス (MKd) グリファダ、ギリシャ
1 Set RGB
Colour + 3 Colour + 1 B Images (4, 10, 11*, 12* June 2016)
36cm SCT with a DMK21AU618 & DBK21AU618*
工藤 英敏 (Kd)
ケアンズ、オーストラリア
1 Colour
Image (6 June 2016) 20cm Spec with a QHYL-II-C
熊森 照明 (Km)
堺市、大阪府
5 LRGB
+ 5 B Images (2, 3, 9, 10, 14 June 2016)
36cm SCT @ f/30, 38 with an ASI224MC & ASI290MM
マーチン・ルウィス (MLw) ハートフォードシャー、英国
1 Colour
Image (5 June 2016) 44cm Spec with
an ASI174MC
フランク・メリッロ (FMl) ニューヨーク、アメリカ合衆国
6 Colour
Images (1, 8, 10, 11, 15 June 2016)
25cm SCT with a ToUcam pro II
エフライン・モラレス=リベラ (EMr) プエルト・リコ
9 Sets
of RGB Images (2,
5, 7, 9,~11, 13,~15 June 2016) 31cm SCT with a Flea 3
森田 行雄 (Mo) 廿日市市、広島県
1 Set of LRGB
Images (10 June 2016) 36cm SCT with a Flea 3
村上 昌己 (Mk) 横浜市、神奈川県
5 Drawings
(2, 5 June 2016) 320× 20cm (F/8) Spec
大杉 忠夫 (Og)
小松市、石川県
4 Colour
Images (1, ~3, 9 June 2016)
25cm Dall-Karkham with an ASI290MC
ジム・フィリップス (JPh) サウスカロライナ、アメリカ合衆国
1 Colour
Image (14 June 2016) 25cm Maksutov Cassegrain with a Skynyx Colour cam
ミカエル・ロゾリーナ(MRs) ウエストバージニア、アメリカ合衆国
3 Colour Drawings
(2, 4, 15 June 2016) 35cm SCT, 330×, 360×,390×
ロバート・シュルツ (RSz)
ウィ−ン・オ−ストリア
1 Colour Image
(10 June 2016) 20cm SCT with an ASI 224MC
ジョン・スーセンバッハ (JSb) ホウテン・オランダ
1 RGB
Colour + 1 IR Images (5 June 2016) 36cm SCT @f/20
with a QHY5L-II
チャルレス・トリアーナ (CTr)
ボゴタ、コロンビア
1 Set of LRGB Images
(6 June 2016) 25cm SCT @f/27
with an ASI120MM
デーヴ・タイラー (DTy) バッギンガムシャー、英国
1 Colour
Images (
モーリス・ヴァリムベルティ(MVl)
メルボルン、オーストラリア
2 Sets
of RGB + 2 IR Images (1 June 2016) 36cm SCT @f/24 with an ASI120MM
ヨハン・ヴァレッル (JWr) スウェーデン
5 Sets of RGB
Images & 1 Drawing* (1, 3, 6*, 10, 11 June 2016)
22cm speculum @f/23 with a DBK21AU618, 170×*
デビッド・ウェルドレイク (DWd) ニューサウスウエールズ、オーストラリア
4 Sets of RGB
Images (11, 15 June 2016) 13cm
refractor @f/40 with an ASI120MM
アンソニー・ウエズレイ(AWs)
ニューサウスウエールズ、オーストラリア
1 Colour
Image (8 June 2016) (51cm Spec)
ティム・ウイルソン(TWs)
ミズーリ、アメリカ合衆国
3 Colour
+ 2 B + 5 IR Images (6, 8*, 9, 11*, 12* June 2016) 28cm SCT with
an ASI120MC & ASI120MM*
#
Planetary Plasma and Atmosphere Research Center (PPARC) 東北大学: ハレアカラ山、マウイ島、ハワイ
♂・・・・・・ 今回も日付を追ってレビューする。
1 June 2016 (λ=162°Ls, δ=18.6", φ=12°N~13°N )
Frank
MELILLO(FMl)氏がω=144°W、φ=12°Nでカラー單像を与えた。中央あたりにオリュムプス・モンスがボンヤリ見え、タルシス三山もボンヤリ見えている。ソリス・ラクス、チトニウス・ラスクが夕端上で、その北には白色の縁雲。朝方にはエリュシウムがボンヤリ。その右岸のアエテリア暗斑が濃い。南極雲(sph)は幅が狭いが明るい。北極冠邊りに靄。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160601/FMl01June16.jpg
Maurice
VALIMBERTY (MVl)氏がω=256°W、258°W、261°W、φ=13°NでIR像付き三RGBセットの良像。エリュシウム・モンスが環状型に見える。中央丘は些し白味を落とす。アエテリア暗斑は完全な二重運河型。55°N邊りの夕端に小さい白雲の塊(これは前囘から見えている)。マレ・キムメリウムからシュルティス・マイヨルの先端に掛けての詳細は十分。sphはヘッラスを脱していると思う。北極冠の周りには白霧が散乱しているように見える。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160601/MVl01June16.jpg
Stefan BUDA (SBd)氏がω=268°WでRGB良像。エリュシウム・モンスの雲はG、BだけでなくAstrodon Rでは可成り明るく出るので、山腹も反応しているか。まだ夕端の白雲の塊は見えている(near
at Ω=178°W, Φ=55°N, and so to the north of
Propontis I)。ホイヘンス・クレータは3Dに見え、Baldet暗點も明確で、良像だが、シュルティス・マイヨルの南は砂塵色。但し、sphの明部は白く、ヘッラスの經度から東に外れる。北極冠からはリマ・ボレアリスを越えて二本吹き出しが出ている様子。汚れ具合も巧く處理している秀逸な画像である。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160601/SBd01June16.jpg
Tadao
OHSUGI (Og)氏がω=281°Wの像を22hJST頃に与えている。矢張り、處理が押し気味で、酷く濃い部分があるが、アウソニア・アウストラリス邊りの様子は参考になる。sphの白さは好く出ている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160601/Og01June16.jpg
Johan
WARELL (JWr)氏がω=059°Wでワンセットを得た。ソリス・ラクスが先行の暗部と分離しないまま濃い。シヌス・メリディアニからチトニウス・ラスク迄が範囲。マレ・アキダリウムとニロケラスが午後に。オピル-カンドルの北に白霧か? sphは明るいが、北極冠は不明。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160601/JWr01June16.jpg
2 June 2016 (λ=162°Ls~163°Ls, δ=18.6")
Peter GORCZYNSKI (PGc)氏は調子を取り戻し、ω=129°Wで一組を揃え、他にIR685像を二種添付した。ι=09°で南中近いオリュムプス・モンスも存在は解るが冴えない。タルシス三山もボンヤリだが、アスクラエウス・モンスから早朝に見えていた雲の流れの跡が筋状で見えている。オピル-カンドルは白霧。アルバは些し白いように思う(Bで確か)。夕方のテムペは白い。朝方のケブレニアは未だ全体は出ていないが、朝霧が見える。sphがRGBでは白く、北極冠あたりも明白ではないが全体に白っぽい。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160602/PGc02June16.jpg
Michael
ROSOLINA (MRs)氏がω=138°Wでカラースケッチを披露した。地は黄色いが、夕端に白色の輝くものが描かれているが、何か判らない。オリュムプス・モンスは未だ内部であるし、クサンテにしては早い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160602/MRs02June16.jpg
Efrain
MORALES (EMr)氏がω=147°WのRGBセットを得た。オリュムプス・モンスが稍明るい盾状台地に真ん中を翡翠色にして存在を見せている。アルシア・モンスの中央丘も翡翠色、雲を被っているのはアスクラエウス・モンスであろう。パヴォニス・モンスも淡く懸かっているが、然程ではない。但し、Bでは三山とも雲が見える。アスクラエウス・モンスの雲が濃いが、アルバも鋭い。朝方ではエリュシウムが入ってくるところで、RではプロポンティスIがレ型で明確。Rではアルシア部を大きく囲む曲線が面白い。
sphは白いが幅が狭い。北極冠の周りは靄や朝霧が多い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160602/EMr02June16.jpg
Masami MURAKAMI
(Mk) 筆者の一人(Mk)はこれまでCMOのWeb作業やGalleryを担当していて、観測時間は採れないでいたが、この日初めて320×20cm佐伯反射鏡で火星を狙った。スケッチはω=244°Wとω=264°Wで描いた。朝方のシュルティス・マイヨルを見るには少し遅かったが、青味は感じられず、むしろ濃い。既にアエリアが明るい。南極雲は夕方側が明るい。北極域は明るさだけ。ω=264°Wではへスペリアが分離でき、エリュシウムも夕端で明るくなった。
なお、この日、黒点観測用の8cm屈折にASI 120MMを取り付けて画像を撮ってみた。観測数には入れていないが、Autostackert2!で処理したら、意外と模様が出てきたので驚いている。画像は前号の編集後記に載せている。
Og氏の画像はω=253°W。矢張り強調画像だが、南アウソニアの表現は参考になる。白色の擴がりが潰れているのはエリュシウム・モンスの白雲が局在化して見えること、ノドゥス・アルキュオニウスの周りの明るい縁取りもゴースト、北極冠の周りの白霧も好い描冩で見たいものである。詳細はバルデ斑點を出すことにつきると思う。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160602/Og02June16.jpg
Tsutomu ISHIBASHI (Is)氏はω=271°Wでカラー單像。随分好い感じだが、北極冠の周りの靄が面白そうだが、不明白。エリュシウムの雲もキレが悪い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160602/Is02June16.jpg
Teruaki
KUMAMORI (Km)氏はω=282°WのL-colour
像とω=281°WのB像。シュルティス・マイヨルの南は全体に濃度を落としている。sphは幅薄いが東部は白い。北極冠の南の飛び出し靄はBで二本立っている。ウトピアの西方52~53°N邊りに薄い白霧の帶(ディオスクリア内)が見えるがBでは弱い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160602/Km02June16.jpg
Og氏がω=259°Wのカラー單像。少しコントラストが弱くなって、シュルティス・マイヨルの南の領域の淡化が出ているかもしれない。南アウソニアが砂漠より赤い感じ。北極冠からの二本の吹き出しは定着したか?
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160603/Og03June16.jpg
Tomio
AKUTSU (Ak)氏は宇都宮大学天文台でω=265°W、ω=279°Wの二組のIR-GB合成像。IRはRの代用と思う。像は甘いがIRにしては程良いコントラストで綺麗な阿久津色。両者でsphは好く出ている。エリュシウム・モンスの雲と北極冠からの右側の吹き出しは見えている。後者ではsphの分枝がヘッラスに些し入り込んでいるか?
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160603/Ak03June16.jpg
Km氏がω=279°WでL-カラー像とω=280°WのB像。L-カラー像の暗色模様は詳細を捉えているが酷く枯れた感じで、おかげで、ホイヘンス・クレータは三次元的に見える。シュルティス・ミノルもこんな形が基本なのか、という感じである。その他、シュルティス・マイヨルも含めて南半球の暗色模様は骨格が出ている感じである。シュルティス・マイヨル北端はニリ・フォッサエでまるで分離しているような様子。ウトピアも涸らした感じで面白い濃淡がある。sphは案外南極冠の一部が出ているのかもしれない。sphの一部はヘッラスに垂れ下がった感じだが、白くはなく、ダストかもしれない。北極冠は割と明確で東部から吹き出し霧が出ている。エリュシウム・モンスの雲は夕端近くだが、西端のピンク色の筋と綺麗に分離している。この画像は見ていて楽しい。ただし、これは骸骨鑑賞のようなもので、多分(避けるべきでないが)エアボーンダストの影響の描写を避けた所爲であろうと思う。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160603/Km03June16.jpg
JWr氏はω=029°WでRGBワンセット。1Juneの像と違って、ほのかな色彩の火星で詳細はないが好感がもてる。Rではチトニウス・ラクスの左辺が濃いがRGBでは朝霧の下。北極冠近邊も明るいが、sphも東には寄っているが、相当明るく南極冠の一部かと思われる。アルギュレが判らないので、被りが來ているか。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160603/JWr03June16.jpg
4 June 2016 (λ=163°~164°Ls, δ=18.6"~18.5")
MRs氏のカラースケッチで、ω=114°Wで彩色したもの。ソリス・ラクスが夕端にあると思われ、その北は白く明るい。sphは白く大きい(但し添え書きではdullとしている)。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160604/MRs04June16.jpg
Manos
KARDASIS (MKd)氏がω=008°WでR、G、B像と合成像のワンセット。注目点は、ネウドゥルスなどの詳細は出ていないが、パンドラエ・フレトゥムに濃淡があるほか、マルガリティフェル・シヌスの濃い中心線の両側が淡化していて(左側はパンドラエ・フレトゥムの淡化部分)、右側はピュラエ・レギオやエオスの部分が淡化している。これはR でもGでも見られる。ポール・マクソン(PMx)氏の10Mayの像を思い出させる。尚RGBでは出ないが、RではブランガエナやOdsも窺える。sphの明部はこの角度からは朝方に移っている。Bではテムペが朝霧で明るい。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160604/MKd04June16.jpg
5 June 2016 (λ=164°Ls, δ=18.5")
EMr氏がRGBの一組をω=095°Wで得た。B像の働きが好く強烈なRGB像で アウロラエ・シヌスから東は夕端までダスト混じりの霧に包まれている。幅60°ぐらいあり、異常である。 南極雲は南極冠を幾らか見せているのか中央部はキチンと配置されている。テンムペ邊りには霧の固まりが散在。北極冠は北極雲に包まれたように見える。オリュムプス・モンスは朝方だが淡いリング状、タルシス三山も晴れて頂上は見えるようだ。フォルトゥナの二重環は見えている。オピルの詳細も面白い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160605/EMr05June16.jpg
Tadashi
ASADA (As) 氏はω=201°WでR、G、Bを遠隔操作で得る。R像はハーシェル・クレータやアエテリアの暗斑の分岐など示しているほか、南極冠を示しているように思う。G、Bではめっぽう明るい。Bはエリュシウム内の水蒸氣の淡いことを示している。一方、北極雲近くでは可成りの霧の塊が出ている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160605/As05June16.jpg
Mkはω=230°W、240°W、249°Wと三回観測した。ω=230°Wではシュルチス・マイヨルが朝縁だが、青みは感じられない。エリュシウムは明るさが感じられる。南極域の明るさは広がりがある。北極雲域はかなり広い。ω=240°Wではアエテリアの暗斑に次いでノドゥス・アルキュオニウスも見える。北極雲域は北極冠より矢張り幅広い。ω=249°Wでは、前回に引き続き北半球高緯度の夕縁に明るさがある。南極域は夕方側がより明るい。
Is氏がω=242°W、252°Wでカラー像。第二像はぼけが多いが、第一像は締まりがあって良像。エリュシウム内の明部を分離している(白雲とピンクの地肌)。ヘスペリアも切れている。 北極冠域は霧で大きく擴がっている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160605/Is05June16.jpg
John
SUSSENBACH (JSb)氏が ω=016°WでRGB像二種、IR-RGB像、IR像などが並んでいる。IR像は詳細(ネウドゥルスやOdsなど明確)も好く出ていながらマイルドな感じの好い方。問題はパンドラエ・フレトゥムからエオスに掛けて淡化していることであるが、然程の特徴は見られない。矢張りGや B像があった方が好い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160605/JSb05June16.jpg
Dave TYLER
(DTy)氏がω=016°Wで120MM-sからのRGB合成像。 南極冠も出ないぐらいだから、問題の地域もメリハリがない。ブランガエナは出ていながら北極冠の周りの雲は出ず。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160605/DTy05June16.jpg
Martin
LEWIS (MLw)氏がω=018°Wで174MCによるカラー單像。全体が暗く南極冠も見えるが鈍く。北極冠も形を成さない。問題のところはエオスの邊りの淡化は認められる程度。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160605/MLw05June16.jpg
Marc
DELCROIX (MDc)氏はω=034°Wで三要素とRGB合成像、それにω=028°WのIR像。像はどれもシャキッとせず、南極冠/南極雲もRと RGBでは然程明るくはなく、アルギュレ方向に吹き出しがある模様。テムペの朝雲が今やマレ・アキダリウムの中に入り込んでいる。問題のところは些し霞があるかもしれない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160605/MDc05June16.jpg
Charles
TRIANA (CTr)氏がLRGBの要素と合成像をω=104°Wで与えた。先のEMr氏の像と同じく、夕霧が大きくアウロラエ・シヌスまで張り出している。南極雲の一部が南極冠らしく輝いている。北極冠附近は不明(Bでは廣い拡がり)。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160606/CTr06June16.jpg
Tim
WILSON (TWl)氏のω=105°W。チトニウス・ラクスの邊りはIR807の影響で両極や夕方の白さがでない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160606/TWl06June16.jpg
Hidetoshi
KUDOH (Kd)氏は澳大利亞ケアンズ滞在。Kd氏はMk氏の九段の後輩で、植物に強く、最近も澳大利亞で稀少種を発見し地元で話題になった由。火星は初めてのようだが、20cm specで好く冩るものだと感心する。南極冠/南極雲の色も綺麗。マレ・キムメリウムの詳細も一人前だし、アエテリアの暗斑の二重倍加も好く出ているCM近くだが、エリュシウム・モンスの雲は未だ夕方から遠い。北極冠邊りの北極雲の様子も好く出ている。シュルティス・マイヨルが出てきているが、浅葱色ではありませんね。好い角度でした。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160606/Kd06June16.jpg
Clyde
FOSTER (CFs)氏はω=345°W で馬鹿でかいL-colour
像とIR像。南極雲の描写が十分で無い。マルガリティフェル・シヌスなどは潰れている。北極冠は形を成すが、off-white。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160606/CFs06June16.jpg
JWr氏はω=001°WでRGB要素と合成像、それにω=012°Wでスケッチを与えた。RGB像は色彩が火星らしい。南極雲はアルギュレの方向に垂れ下がりがあるらしく、スケッチの方ではexplicitに描いている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160606/JWr06June16.jpg
7 June 2016 (λ=165°Ls, δ=18.5"~18.4")
EMr氏がω=076°WでRGB要素と合成像を得た。5JuneのEMr氏像と20°W違っており、クサンテの夕霧は弱くなっているが、それでもマルガリティフェル・シヌスの先には夕霧が濃い。このエオス邊りにはcondensateが浮遊している。南極雲の明るい部分はソリス・ラクスの南で55°S止まりか。ポエニキス・ラクスの南には雲帶。北極冠の周りは大きくガスが覆った形になっている。重要な観測と思う(λ=165°Ls)。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160607/EMr07June16.jpg
CFs氏がω=303°Wと320°W、φ=14°NでL-colour像とIR像を獲た。南極雲は不鮮明だが、ヘッラスの中に分枝が入り込んでいる様子。北極地の靄を透して北極冠は見えているが如し。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160607/CFs07June16.jpg
8 June 2016 (λ=165°~166°Ls, δ=18.4", φ=14°N)
TWl氏がω=067°WでIR-colour像。細かい模様は一応冩っているが、暗色模様が潰れていて、南極雲などの描写が弱い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160608/TWl08June16.jpg
FMl氏はω=091°Wでいつもの像。ソリス・ラクスは先進の暗色模様と分離しない。オピルは明るい。北極域は惚けた靄風。南極冠は些し見えるか。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160608/FMl08June16.jpg
Bill
FLANAGAN (WFl)氏は長期にわたるヒューストン(TX)の悪天候のため観測が不可能だったようだが、この日から漸く回復した。この日はω=114°Wで各要素と合成像を得た。R像は稍過剰處理かもしれぬが、お蔭でタルシス三山が確認出來るし、フォルトゥナの二重環も見える。相変わらずアウロラエ・シヌス以西は濃い霧、オピル近くの霧もB像ではクッキリ出ている。マレ・アキダリウムの上に白雲の塊が在り、テムペも霧。北極冠は完全靄に隠れている(λ=165°Ls)。南極雲は最早縁にしか見えないが、RやRGBの南極冠は幾らか出ている様子である。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160608/WFl08June16.jpg
Anthony
WESLEY (AWs)氏はω=217°Wで大きなカラー像を提出した。エリュシウムがCM近くで、エリュシウム・モンスの雲が懸かるか未だかというところ。ピンク地域は明確。その他ケルベルスやプレグラの淡化が好く顕されている。プロポンティスIも細かく分解された。マレ・キムメリウムは些しゴーストを含む様だが、西北部は先端部まで好く分解されている。 プロポンティスIの北には靄。北極冠は確認出來ないが、リマ・ボレアリスの一部は見えながら、北極冠近傍は靄に沈んでいる。その中に細いながら明るい一本のくねくねした雲の筋が突出して見えているのは面白い。南極冠は縁が見えている様子。ただフリンジは見えない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160608/AWs08June16.jpg
CFs氏はω=293°Wとω=303°WでL-colour像とIR像。ω=293°Wではエリュシウム・モンス(EM)の雲が夕端上、40分後には消えている。EMは213°Wであるから、303-90=213でEMは丁度沈んだことになる。 ヘッラスからsphの方向は冴えない色だが、sphからヘッラスの方に分枝が出ていることは確かなようである。北極冠は見えているがその南には両側に靄が立っている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160608/CFs08June16.jpg
TWl氏はω=053°Wで恐らくIR-colour像を与えたが、両極や問題の箇所について発言が出來ない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160609/TWl09June16.jpg
EMr氏はω=057°WでRGB三成分とRGB合成像を与えた。これは重要な像である。ディテールは程々で、ソリス・ラクスは分離していないほどだが、ブランガエナは見え、アウロラエ・シヌス邊りはガンゲスも含めて好く出ている。問題のマルガリティフェル・シヌスの南には明らかにダストを含んだ水蒸氣のcondensateが出ており、これがクリュセまで尾を引いているようだ。ガンゲスの褐色との対比に注意されたい。マレ・アキダリウムも北半分は水蒸氣が懸かっている。但し北極冠の周りはこの角度からは希薄に見える。ソリス・ラクスの西北にも朝霧。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160609/EMr09June16.jpg
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閑話挿入
尚、上のcondensateはdust disturbanceの一種であろう。10MayのMAXSON氏の觀測以来何度か出ているようである。5JuneのJSb氏像や7JuneのEMr氏像などが例である。但し今回でもλ=166°Lsなので、大黄雲あるいはstormになることはないであろうと思う。この地方の暗色模様をバックとした黄塵は案外知られていて、季節は違うが筆者の一人(Mn)も1999年に体験している。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn0/99Note18j/index.htm
また、ここでも述べてあるが、10July1922(λ=187°Ls)のスライファーの例(これは既に29Juneにフールニエが観測しているらしい)ことや13April1984(λ=132°Ls)のドルフュス博士の例が画像付きで書かれているので参照されたい。
更に、初期の黄雲は水蒸氣を含むことは1971年の大黄雲や、1956年の大黄雲の場合にも知られている。特に朝方においてはそうである。
閑話休題
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WFl氏はω=102°Wで撮ったものの質が悪く、まだ夕霧は残るもののマルガリティフェル・シヌスは沈んで締まっている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160609/WFl09June16.jpg
Og氏はω=193°Wで290MCカラー像を撮った。注目点はオリュムプス・モンスが夕端でも白雲の輝きがないこと。全般にOg氏の像は白に弱いが、OMの雲は淺田氏によるとλ=175°Ls邊りで消失するそうであるから、現在は確かに末期である。北極域も鈍い靄みたい。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160609/Og09June16.jpg
Km氏はω=202°Wで
L-colour像、ω=199°WでB像を撮った。詳細はないが綺麗な色合いで、南極冠近邊の白がいいし、北極域も廣く白い。ワルハッラが出ているみたい。夕縁は202-90=112°Wで、OMはO=134°Wであるから、未だ20°Wぐらい内部、確かに雲まみれの盾状台地の光輪が見える。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160609/Km09June16.jpg
注目のEMr氏像、RGB合成像はω=041°W。ネウドゥルス二重運河の東は判らないが、前日のダストはネウドゥルスからなだらかに西へ10°Sぐらいに降りて、西はO=050°Wぐらいまで、アウロラエ・シヌスは避け、東北はアラム・カオスの緯度あたりまで降りている。これは前日の黄塵が発達したというのではなく、朝方に再生産されただけであり、夕方までこの配列であろう。朝方の温度変化の中で上空に昇らない限り擴がらない。ガンゲスは依然褐色であり、オクススも褐色混じりである。 マレ・アキダリウムは中腹まで西から朝霧に攻撃されている。北極域は砂塵も来たり、悩ましい時期であろう。マレ・アキダリウムとニリアクス・ラクスの中間東側にある明るい斑點も褐色であるのは面白い。南極冠は相當を支配しているがダークフリンジを結成するまでには至っていないと思われる。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/EMr10June16.jpg
FMl氏がω=054°Wで單画像。当該のピラエ・レギオやエオスのあたりのダストがが弱く見えている。南極冠/南極雲表現も好い。アウロラエ・シヌスは濃い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/FMl10June16.jpg
WFl氏はω=091°Wで、ようやく問題に箇所に近づいた。明らかに水蒸氣混じりの夕方での不透明さの中に、ソリス・ラクスと同緯度では夕方の特に端の方でエアボーンダストの集積と思われるところが汚れた感じがする。南極雲も滑らか。北極冠の近くも靄がきつい。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/WFl10June16.jpg
Is氏はω=184°W、ω=186°Wのショット。何の違いがあるのかわからないが南極雲はよく捉えられ、北極冠も久方ぶり。エリュシウムは朝方だが子細は無い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/Is10June16.jpg
Km氏はω=207°WでL-colour像とB像を与えた。大きな破綻の無い像に 程良い濃淡で、南極雲/南極冠の感じもよい。ハーシェル・クレータなど示し、エリュシウム内も完璧な描冩。エリュシウム・モンスの雲が目立たないのは未だ朝方だからである。北極冠の周りの描冩も好い。ただ、ゲール・クレータを先端に持つアリンコの脚にはゴーストが東側に出ているし、ノドゥウス・アルキュオニウスにも付き添いが着く。これらは許容範囲ではない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/Km10June16.jpg
Yukio
MORITA (Mo)氏の久しぶりの像ワンセット、ω=194°Wである。ようやく汚れた大氣の様子が暗示される。エリュシウム内は2001年の黄雲時、エリュシウムに黄雲が到達したとき、エリュシウムの北側に暗線が立ったのをMo氏が黄雲の中に描き出したが、それが見える。未だエリュシウムは朝方で、雲は湧いていない。北極冠は淡い靄で囲われている。OMは夕方にひしゃげた光輪に見える。その先はタルシスの白雲である。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/Mo10June16.jpg
CFs氏はω=294°Wとω=309°WのL-colour像が主体。南極雲からヘッラス内への飛び出しはある。 北極冠からは南へ飛び出しが美事にまっすぐ立つ。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/CFs10June16.jpg
Robert SCHLUZ (RSz)氏はω=312°Wで224MCでカラー單像。色は火星らしくないし、ボケがが出ているが、ホイヘンス・クレータは出ている。南極雲がヘッラスに潜り込んだように見える。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/RSz10June16.jpg
JWr氏はω=321°WでRGB一組。 矢張り南極雲が殆ど見えなくてヘッラス南部が明るい。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/JWr10June16.jpg
Manos
KARDASIS (MKd)氏がω=326°WでRGB一組。南極雲が些し見える。ヘッラスは夕縁近い。シュルティス・マイヨル南部は淡化、ホイヘンス・クレータは見える。マレ・アキダリウムの北部は朝霧。朝方マルガリティフェル・シヌスのあたりは霧が弱い。北極冠は確認出來ないが邊りは靄っている
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160610/MKd10June16.jpg
EMr氏は→pによって南北軸を定めるように。南極雲/南極冠は綺麗だが傾きすぎであろう。黄塵の筋はアウロラエ・シヌスの北まで拡散している。おおもとのパンドラエ・フレトゥム西部も汚れている。ガンゲスとオクススは褐色で、ニリアクス・ラクス東北の明斑點は赤色。Odsも出ている。北極域の靄はマレ・アキダリウムの北部に及んでいる。北極冠は見えない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/EMr11June16.jpg
TWs氏はIRでω=035°W、046°W、062°WでIR807像、季節や黄塵を追うのにIRはどうもね。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/TWl11June16.jpg
FMl氏はω=048°Wでカラー單像。南極雲/南極冠は可成り明確。北極冠あたりも大きく靄る。模様は好く出ているが、問題の箇所は淡化が見られるだけ。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/FMl11June16.jpg
PGc氏の像はRGB一組のω=056°W。R像でアウロラエ・シヌスが独立し始めた。北のマレ・アキダリウムも北東部はダスティな感じがする。南極の明部は際立ってきた。北極冠邊りはどんよりと鈍い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/PGc11June16.jpg
WFl氏のRGB一組は ω=082°W。フォルトゥナ二重環や幾つかの雲からカスマの明細は好く出ているにも拘わらず、全体エアボーン・ダストの靄に囲まれたようで、異常。特に南半球の夕方、夕端に強く、アウロラエ・シヌスまで迫っているが、マレ・アキダリウムの南部はおかしい。北部は北極域の靄の内。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/WFl11June16.jpg
As氏はR、G、B三分解像ω=145°W中心に配信。G、Bでは夕端末のチトニウス・ラクスの北か、オピル邊りに夕白雲。Bではタルシス三山も出ている。南端は明るく、北端も靄る。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/As11June16.jpg
David WELDRAKE (DWd)氏は二組、ω=150°W、ω=161°W中心で与えた。ω=150°Wならば120-90=60だから、夕端の雲はオピル-カンドルにあると考えられる。40分後には殆ど見えない。B像で見るとω=148°Wではタルシス三山の雲は弱いが、ω=159°Wでは相当明白である。オリュムプス・モンスの雲も見える。南極雲は矢張りGとBで明るい。北極冠周りの靄はもっとG、Bで明確。尚、朝方だがプロポンティスIの北の雲塊はかなり濃い。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/DWd11June16.jpg
Ak氏が自宅でω=200°Wと218°Wの二組(224MCのカラーと、174MMのB像とIR685像)。 カラー像は些し粗いが阿久津色。Bで注意を惹くのは、アルカディアからプロポンティスIの北を通ってエリュシウムに流れ込む霧の筋。エリュシウム自身はCM近くで未だ白雲は感じられない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/Ak11June16.jpg
MKd氏は DBKカラー單像でω=306°W。エアボーンダストの所爲で、正規な處理では追いつかないのであろうと推察している。だから、これが正常なのであろう。やはり南極雲がヘッラスに潜っている様な気配。ヤオニス・フレトゥムは明確に見える。北極冠も不明確で60°N以北は朝夕に限らず靄っている趣き。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/MKd11June16.jpg
JWr氏はω=309°Wで一組。ヘッラスの南東は酷く明るい。北極冠は不明。火星の色合いは鈍っている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160611/JWr11June16.jpg
12 June 2016 (λ=167°Ls~168°Ls, δ=18.2"~18.1")
PGc氏はω=022°Wあたりで、IR685も入れて一組撮った。問題の砂塵は低空だが、コプラテス・カスマに達したようである。低いところに入れば、長続きするであろう。ただ餘り明るくはない。 ネウドゥルス以西にぽつぽつ擴がっている様子が出ている。G にも些し反応がある。南端は白く綺麗である。北極冠も確認出來るが、マレ・アキダリウムの北の雲塊とテムペの雲は要注意である。RではOdsが出ている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160612/PGc12June16.jpg
TWl氏はIRとBの組を二組撮った。ω=031°Wとω=050°W。IRでも一部黄塵が冩らないわけではないが、追跡は出来ないだろう。Bではマレ・アキダリウムの北側の白雲が出ている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160612/TWl12June16.jpg
Mark
JUSTICE (MJs)氏が RGB像をω=151°Wで撮った。オリュムプス・モンスは輝きもないが、午後に入って光輪と翡翠色の中央丘を見せている。タルシス三山も見えるが、アスクラエウス・モンスの雲が滅法明るい。アルシアは弱い。アルバも明るいか。 新しい知見は北極域にあり、先ず北極冠の周りに霧帶が回っているのではないかということ、もう一つ、どこからと指定できないが、プロポンティスIの北を通ってエリュシウムに入る霧の帶の出発点がCM近くに見えるということである。良像である。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160612/MJs12June16.jpg
Barry ADCOCK (BAd)氏はRGB像ほかviolet像とUV像を送ってこられた。RGBではオリュムプス・モンスが少し見えるかというところ。他の像ではMJs氏像に顕れたプロポンティスIの北を通る霧帯が確認出來る。南極雲は十分明るいが少し白さに欠ける。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160612/BAd12June16.jpg
MKd氏がω=302°WでDBKカラー像。南極雲はヘッラスの東南で明るい。北極冠は不明だが、朝方へ霧が立っている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160612/MKd12June16.jpg
13 June 2016 (λ=168°Ls~169°Ls, δ=18.1"~18.0")
EMr氏が、見るのも嫌になる強調像を出してきた。ω=010°Wで絶好の場面だが、それもこれも黄塵の為なのでしょうが、然し無茶苦茶しても黄塵航跡は少しも判りやすくはなっていないと思う。あとは目をつぶれば、一応、ネウドゥルス運河の右から(実は左にも怪しげなところがあるのだが、像自身が怪しくなる)ずっと東側はアラム・カオスの方に西側はアウロラエ・シヌス近くまで降りてゆく様子で殆ど地上に降りた分布のようである。オクススは褐色、Odsは明確。面白いのは北極冠は見えないが、ヒュッペルボレウス・ラクスの一部が濃く殘っていて、白霧はこれを嫌がるように二手に別れ南上し、西側はマレ・アキダリウムの朝霧と合流するかのようである。濃度は北極域では濃い。赤道帶両端には餘り霧がない。アメリカは好機なのに観測がないようです。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160613/EMr13June16.jpg
またまた酷い図。力んでいますな。EMr氏の一組、ω=006°W で、問題の場所は変動は無いように見えるが、ネウドゥルスの東側にも分布があるようである。マレ・アキダリウムの北半分はヘーズに覆われてしまった。しかも大半は白くはなくダーティな色である。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160614/EMr14June16.jpg
Jim
PHILLIPS (JPh)氏は久しぶりの登場、25cm Maksutovでω=029°Wのカラー單像。力んでおらず、 暗色模様の表れ方はいいのだが(細かいところではOdsが出ている)、色のコントラスト幅が狭く、平坦で、ピュラエ・レギオあたりの黄塵が目立たないのは殘念。北半球の白雲も巧く表現されない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160614/JPh14June16.jpg
Carlos HERNANDEZ (CHr)氏の丹念なスケッチはω=039°W。コプラテス・カスマ付近に黄塵を認めているようだが、その先のマルガリティフェル・シヌス南部の様子が捉えられていないようだ。全体にずり上がった感じ。北極地のヘーズの拡がりはよい。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160614/CHr14June16.jpg
Km氏はω=157°W/158°WでL-colour/B像。南極雲はこちら側では消滅したかと思えるぐらいに縁だけになっている。OMは、リングが見える。アスクラエウス・モンスの雲は白く明るい。北極冠周りも複雜にヘーズが騒いでいて、しかし、リマ・ボレアリス透けて見えますな。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160614/Km14June16.jpg
15 June 2016 (λ=169°Ls~170°Ls, δ=18.0"~17.9",
φ=15°N)
EMr氏がω=353°W(01:51GMT)、φ=15°NでRGB一組。Odsの描写が柔らかくなったので、一寸見やすくなった。そして、マルガリティフェル・シヌスの南部に明確な斑點(dust-disturbance)が見え、 この小黄塵は昨日、一昨日とは違う場所に起こっている。更に朝方に「連れ」がいることが判る。クリュセの方にもエアボーン・ダストの濃い部分が降りていることも確かである。北極域は更に酷い荒みようで、マレ・アキダリウムは未だ朝方だが、北半分はスッカリ霧の下である。Dsは05°Nぐらいだから、そう日当たりが悪いわけでもないと思うし、矢張り南北半球共にエアボーン・ダストに侵されているということであろうか。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160615/EMr15June16.jpg
PGc氏もω=003°W (02:33GMT)でRGBとIR 像一組で、幸運にもマルガリティフェル・シヌス南の黄塵を捉えた。IRで見るとマルガリティフェル・シヌスの中央線に筋が入っていて、両側に分かれ、西側も暗示的である。北半球の描冩も面白い。マレ・アキダリウムの北半分から北極に掛けてヘーズの拡がりは一様でなく激しい変化を見せる。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160615/PGc15June16.jpg
FMl氏がω=006°W(02:47GMT)とω=024°W(03:58GMT)に撮像し、二カ所にほぼ分かれる擾亂を記録した。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160615/FMl15June16.jpg
MRs氏はω=020°W(03:45GMT)で眼視観測を行い、スケッチ上で割と白い拡がりを描いた。擾亂を見ていると思う。メモは不完全だと思う。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160615/MRs15June16.jpg
WFl氏はω=042°W(05:15GMT)で同じく擾亂を記録し、特に背後にあった黄塵はコプラテス・カスマに潜り込んで明るくなっていることを突き止めた。觀測時間が偶々大陸の西で遅いことに據るWFl氏の功績である。
この光景は2005年十月にWFl氏もつぶさに観測されたもので、當時の画像とこの日の画像を並べ、コプラテス・カスマでの2005年の黄塵の深みを紹介する。2005年の場合の様子については、最後に解説する。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160615/WFl15June16.jpg
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付記: なお、この日、バルバドス島のデミアン・ピーチ氏から5:51GMT(日本時間14:51)に黄塵を観測したというemailによる知らせが入った。内容は01:34GMTに撮ったRとG像上にマルガリティフェル・シヌスに懸かるdust-cloudを見付けた、B像では殆ど見えない、と言う内容であった。撮像は時間的にはEMr氏よりも一寸前である。R画像は LtEでご覧頂きたい。
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Reportを続ける:
DWd氏は二組のRGB像をω=093°W、ω=122°Wで得た。特に後者はオピルの雲を分離して、好いシーイングで追っているので、澳大利亞は数時間遅かったという残念な結果であった。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160615/DWd15June16.jpg
SBd氏はRGBセットをω=131°Wで一組拵え、非常に綺麗な画面を見せてくれているが、矢張り、球面の周囲を見るとエアボーン・ダストに塗れた様子が窺える。模様の少ないところと言えば、そうなのだが、何の強調も施さず淡々と作り上げるのは流石である。オリュムプス・モンスは少しCM前だが、リングは見え、タルシス三山も察知出来、フォルトゥナの二重環も見える。流石ソリス・ラクスも些し霞みながら裏に回るところ、オピルには白霧が強く懸かっている。南極雲に近いマレ・シレヌムも風媒塵に弱くなっているが、南極雲は少し白くはないがいい形。北極冠は見えないが、北極まわりはよどんだ感じである。プロポンティスIは入ってくるところか、その北の雲帶は鈍くも目立つ。秀逸な像であると思う。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160615/SBd15June16.jpg
CFs氏は、ω=251°Wとω=290°Wでいつものセット。このfortnight期も綺麗な色彩の画面を見ることは無かった。SBd氏のようには處理が行かないらしい。ただ、これらも詳細を見せてくれた。特に後者はブレが少ない。うっかり南極雲がダークフリンジを見せたか、と疑うが、矢張りゴーストのarc型の縁取りが走っていて断念。後者ではホイヘンス・クレータが3Dに見え、バルデ暗點も明確。前者ω=251°Wでは夕方のエリュシウム・モンスには雲がちょっぴり見え、西端のピンク色の筋も懐かしい。マレ・キムメリウムの西北端は詳しい。なお、北極冠から南へ突起的な白霧の飛び出しがある。北極の白霧の描冩は少し弱いか。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160615/CFs15June16.jpg
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途中閑話解説: 2005年の黄雲騒ぎは、WFl氏他数名の在米の観測者が
19October以降毎日のように観測している(黄雲の發生は18Octであって、コプラテスではなく、アウロラエ・シヌスの北側であった。當時OAA時代のCMO-Galleryへの報告としてはドイツのシルヴィア・コヴォッリクSilvia
KOWOLLIKさんの報告が一番早かった。筆者の一人(Mn)はたまたまカリフォルニアのリック天文台にいて、KOWOLLIKさん他のemails受け、西に回ってきた黄塵を待ちかまえていて観測した。)この時のCMOは
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn2/CMO312.pdf
である。
この事象について一年後の2October2006號
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmomn3/CMO324.pdf
page Ser2-0469 "Miracles occurred on 18
October 2005" に少し大局的な觀點から纏めているので參照されたい。
尚、今回コプラテス・カスマに潜り込んだ黄塵がどう動くか、季節が大きく違うから予断は出來ないが、2005年の場合、熟していたから直ぐに南半球の様子を換えてしまった。次の図はコプラテス・カスマ進入の19Oct後三日で、また22Octと23Octの一日でどう変わったか、リックでの當時のスケッチを参考のため示す。
これはたまたま要請により最近Facebookの30December2005の項に載せたものである。
閑話休題
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♂・・・・・・ 追加報告 は、Johan WARELL (JWr)氏の2セットとPaul MAXSON氏の6セットであるが、日付順に並べる。
ポール・マキソン (PMx) アリゾナ、アメリカ合衆国
6 Sets
of RGB + 6 IR Images
(16, 17, 20, 21, 22, 23 May 2016)
25cm
Dall-Kirkham with an ASI290MM
ヨハン・ヴァレッル (JWr) スウェーデン
2 Sets of RGB
Images (20 April; 24 May 2016) 22cm speculum @f/23 with a DBK21AU618
♂・・・・・・・ 以下日付順にレヴューする。
20 April (λ=140°Ls、δ=14.5”) JWr氏の観測でω=128°W、まだ白雲の活発な時で、タルシス三山の雲はRGB像にも出ている。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160420/JWr20Apr16.jpg
16 May (λ=153°Ls, δ=17.9”) PMx氏の観測: ω=334°W, φ=09°N 北極冠は明確でヒュッペルボレウス・ラクスもみえる。南極雲はオフ・ホワイト色で拡がる。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160516/PMx16May16.jpg
17 May (λ=154°Ls) PMx氏の観測:ω=329°W, φ=10°Nで前回とほぼ変わらない展開。ホイヘンス・クレータが見える。夕霧は少しシュルティス・マイヨルの方に流れているか。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160517/PMx17May16.jpg
20 May (λ=155°Ls) PMx氏の観測:ω=302°Wでシュルティス・マイヨルが可成り中に入ってきた。ヘッラスは殆ど乾いているが、東南端に明部が集中、しかし、白色でなく暖色。北極冠の東南の端には雲。ヤオニス・フレトゥムとヘレスポントゥスが明確でホイヘンス・クレータも好く見える。この像の全体はエアボーン・ダストの存在を暗示する。
この像は翌日の像と並んで今回のエアボーン・ダストのピークを描き出す重要な画像になろう(他にMVl氏やSBd氏など澳大利亞勢の像を思い出す。)。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160520/PMx20May16.jpg
21 May (λ=155°Ls) PMx氏の観測:ω=292°W、ほぼシュルティス・マイヨル南中で、シュルティス・マイヨルより南部は明らかにエアボーン・ダストにおおわれている。南極雲の明部もピンク色に近い。北極冠は未だ見えているが北半球もウトピアなど砂色である。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160521/PMx21May16.jpg
22 May (λ=156°Ls) PMx氏の観測:ω=276°W、φ=11°N。シュルティス・マイヨルも含めて暗色模様の濃淡が激しくなる。アウソニア・アウストラリスが赤みを帯びる。ホイヘンス・クレータなど3D一歩手前。南極雲は白くなった。エリュシウム雲も夕端で真っ白。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160522/PMx22May16.jpg
23 May (λ=157°Ls, δ=18.4”) PMx氏の観測:ω=271°W、暗色模様の濃淡は前日と変わらないが、前よりくすんで來た。南極雲は東に傾いたところがまたピンク色。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160523/PMx23May16.jpg
24 May (λ=158°Ls, δ=18.5”) JWr氏の観測:ω=124°W ソリス・ラクスが夕端に隠れる前。オリュムポス・モンスも確認できる。この日もオーストラリア勢はエアボーンダストにまみれた像を撮っていたが、この図ではわからない。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2016/160524/JWr24May16.jpg