編 集 後 記
今年は接近してくる火星の観測もあって、五月の連休も蓼科には入らずに横浜の自宅で過ごしている。五日が「立夏」で夏日になる予報も出るようになったが、日差しは厳しくとも湿度が低く過ごしやすい爽やかな季節となっている。新緑の町では初夏の花が次々と咲いて目を楽しませてくれる。我が家のミカンの花も咲いて芳香が窓から漂ってくるようになった。
火星は「さそり座」で逆行に移り「てんびん座」へ向け戻ってゆく、今月末には最接近となり視直径18.6”の大きさを愉しませてくれることとなる。四月下旬からは天気の変化が早く、横浜の自宅では、たびたび強風雨になって、分解してあった20cm反射望遠鏡の組み立てが進まなかったが、先日鏡も組み込んで光軸調整などもすませた。後は晴天を待つところなのだが今夜も曇天で、明日からはまた風も強まるとのことで、鏡筒は屋内に待避させている。
現在、友人から借用しているZWO ASI120MMというCMOSカメラが手元にあり、黒点観測用の屈折を使って月面などで撮影(Firecapter使用)と後の処理(AutoStackkert2!, RegiStax6など)を習熟しているところである。ある程度の動画撮影の時間が必要なため赤道儀の自動運転でなければ撮影できず、自宅での火星撮影は経緯台では出来ない。蓼科には15cm(F/9)の苗村鏡が赤道儀に載せられるようになっているので機会を見てデジタル撮影に挑戦しようと考えているところである。
五月10日記
火星課長 村上昌己