編 集 後 記
猛暑が続いた八月前半であったが、今年は蓼科での避暑生活で快適に過ごせた。中旬には恒例のペルセウス座流星群観測の夏合宿に仲間が集まったが、天候に恵まれず流星を見ることは適わなかった。月の条件の良い年だったので残念に思っている。
別荘地の静かな生活では、野ウサギの出てくることもあるし、このところふえ続けている日本シカは群れで道路を横切っている。蝶類も多く咲き誇る花に集まって来て、都会のように近づいても逃げることもなく画像に収まってくれる。ここでは、アカツメクサの蜜を吸うキアゲハとタラノキの花に来たイチモンジチョウをご覧いただく。
しばらく前のことになるが、オジェさんと一緒に、この蓼科の山荘から八ヶ岳に登る途中でオオムラサキに出会ったことがある。彼は「パピヨン」と叫んでしばし見とれていたことを思い出す。
23日に「処暑」を過ぎたとたんに暑さが遠のいて、日中も楽に過ごせるようになった。都会ではまだサルスベリが勢いよく咲いているが、九月になったら秋の七草の咲き始めていた蓼科に戻ろうと考えている。
九月には火星は「かに座」から「しし座」へとすすみ、24日にはレグルスの北を通過する。九月末の視直径は四秒角に達せず、まだ太陽との離角は30度ほどで観測は難しい。
八月25日記
火星課長 村上昌己