編 集 後 記


 

CMO/ISMO #423 をお届けする。今回は四月下旬の観測報告が纏められている。六月10日号を出そうという目論見もあったが、南先生の体調不良は続いていて、なかなか筆が進まなかった。「夜毎餘言」も下書きは出来ているし、ネタもあるとのことである。遡って登場するのを、しばらくお待ち願いたい。

 

六月になって、早々に日本では各地で次々と梅雨入りとなり、好天の機会が少なくなってしまった。五月下旬の「留」を過ぎた火星は「おとめ座」で順行を続け赤緯を落としている。足早に夕方の南西の空へ移動して観測出来る時間も短くなってしまった。六月末には視直径も10秒角を下回り今観測期も終盤へ向かっている。 

 

一足先に梅雨明けとなった沖縄を別にして、これからが雨の季節となる様である。これまでも、偏西風の蛇行で寒気の南下することが多く、各地で不安定な天気の日が続いている。先日は関東南部でも雷の日があり強い雨が降って、線路冠水があり通勤電車が止まっていたことがあった。

今年の梅雨は陽性のようで、晴れ間には低空の透明度が良くなり、藤沢から富士山や丹沢の山並みが見えることがある。珍しいことである。

 


上旬には花盛りだったアジサイもピークを過ぎたようで、ユリの仲間が目立つようになっている。クチナシの香りも漂い、サルスベリやノウゼンカズラの赤い花も見え始めて、初夏の装いになっている。

六月27日記

 

火星課長 村上昌己


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