編 集 後 記

 


二月に引き続いて天候の不安定な三月であった。湘南の当地でも寒気の南下もあり寒さも続いていたが、このところは春分をすぎて暖かさが一気に訪れている。先年などは、雛の季節に合わせて咲いていた裏庭の桃の花も今年は遅く、啓蟄を過ぎてやっと開いて季節のずれが感じられた。このところはコブシやアセビの花も咲きそろい春も本番になっている。ソメイヨシノの蕾も赤みが出ていて関東での開花も間近のことである。和泉川沿いのカンヒザクラは一足早く満開になっている。

 


 

火星は来月の接近を控えて夜半の空におとめ座でスピカと並んで明るく輝いている。赤緯は下がってしまったが、22時過ぎには高度も出で観測が出来るようになってきた。今期は豪州からの画像の増加が目立っていて、北半球の観測が良く補われているが、経度差の問題はどうしようもなく、欧州・米国からの報告の増加が待たれる所である。

筆者も幾度か晴天の折に望遠鏡を向けているが、視力・気力の衰えもあって、以前のように火星面の様子か捉えられず継続観測には到っていない。天候・シーイングの悪さもあるのであろうが、今期は全く観測に寄与できずにいる。

三月24日記

 

火星課長 村上昌己


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