暑さの残った十月であったが、中旬の台風26号の通過後は関東では曇天傾向が続いて、ひと雨ごとに気温が下がり、上着が一枚必要な季節になっている。日暮れも早くなり露地の菊花のつぼみもふくらんできた。昨23日が「霜降」で秋の季節の進んでいるのが感じられる。

 

火星は「しし座」に進み、明け方の空に昇ってくるのが早くなり、各氏からの観測報告の入信も多くなっている。視直径はまだ小さいながら表面の様子の描写に優れた画像があり、CCDカメラを含めた機材・処理の進歩が感じられる。眼視観測にはまだ小さいが、十月末には視直径δ=4.9”に達する。

 


十月14日にはレグルスの北を通過した。滞在していた八ヶ岳で明け方に撮した画像を紹介する。そばには十一月末に太陽の近傍を通過するクロイツ群のISON彗星(C/2012 S1)があったが、全光度10等級とまだ暗く固定のデジカメ撮影では写らなかった。

翌朝に同行者が冷却CCDカメラで写した画像を添付する。接近時には、SOHO衛星のLASCOカメラの視野に入り、通過する姿が予報されている。

http://sohowww.nascom.nasa.gov/hotshots/index.html/

近日点通過後にどの様な姿を見せてくれるかを楽しみにしている。

 

 

 

 

 


八ヶ岳に到着した日は汗ばむ晴天で、色づいている木々も数えるほどで初秋の装いであった。帰る日は台風の接近により朝からの雨で時間と共に本降りとなり、高速道路では事故が多発して渋滞に巻き込まれた。伊豆大島で大きな災害が起きたのは翌朝の事であった。

十月24日 記

OAA 火星課長 村上昌己


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