編 集 後 記
秋も深まり、本年も残すところわずかとなった。今号には2011/12年接近の報告集計と追加報告を纏めて、今期の観測レポートの最終号とした。火星は十一月末には夕空の「いて座」に入り太陽との離角を狭めている。
十一月中旬には今年も何回かお世話になった友人の山荘の冬支度に蓼科を訪れた。別荘地の高原はカラマツの葉の降りしきる時期となっていて八ヶ岳は雪化粧しており、空気も澄んで地形が鮮やかに見えていた。途中で天気が崩れたがまだ雪にはならず助かった。数日過ごした中での夜の最低気温は、氷点下五度にとどまり、1400メートルの標高を考えると冬本番はこれからであった。折からしし座流星群の極大日であったが、出現したものは少なく活動はほとんど見られなかった。
後片付けに手間取って帰路の出発は午後となり、雪をかぶった八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、富士山の夕映えを眺めながら暮れてゆく中央高速をひた走った。
十一月24日記
OAA火星課長 村上 昌己