編 集 後 記
今号は四月の観測報告が纏められている。朝方の欠け際からの飛び出しが四月に入ってもたびたび捉えられていて、観測レポートでも大きく取り上げられている。太陽活動と大いに関連がありそうである。
その太陽が月に隠される金環日食が21日に本州南岸沿いの広い地域を通過した。前回は沖縄まで遠征しての金環食観望であったが、今回は居住地に近く待望の日食であった。
しかし、天気予報は優れず、観測場所とした東京の母校での前日の準備中にも雲が厚くなっていって翌日の天気は期待できなかった。
当日の日の出時には雲の中だったが、北東の方角の雲が薄くなって太陽が姿を見せ始めた。欠け始めてからは雲間に出て大いに期待したが、金環食の時間帯には再び雲の中で、後半には肉眼でもリングが確認できる状態になってしまった。もっとも、居住地の藤沢市では雨が降ったとのことだったし、翌日の雨のスカイツリー開業を思うと、晴れ間があったのは幸運だったのかもしれない。次には六月はじめの金星の日面通過が控えている。八年前は雲間の観測だったので、今回は晴天を期待しているがどうなることであろうか?
五月に入っても五月晴れはおとずれず、寒気の影響で天候の変化が早く観測は全く捗らない。
報告者も観測数も減少している。
五月26日 記
OAA火星課長 村上 昌己
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