CMO #389 (25 September 2011) 和文お便りLtE
●・・・・・題名: 木星 J110819
送信日時:
Sat 08/20/2011 23:09 JST
木星 J110819
GRSがほぼ中央にあり、赤斑孔です。眼視では淡いオレンジ色に見えます。
阿久津 富夫
●・・・・・題名: 木星 J110820
送信日時:
Mon 08/22/2011 20:03 JST
木星 J110820
メタン、UV画像からメタンでSEBs (II=305から後方)が明るい、やや高い雲があるようです。
阿久津 富夫
●・・・・・題名:
CMO#388拝受/22 Aug Mk
送信日時:
Mon 08/22/2011 22:15 JST
南 政次 様 前略失礼します。
本日午後のクロネコメール便で、CMO#388いただいています。
それではまた。 草々 22:13 JST Mk
村上 昌己
●・・・・・題名:
CMO#388拝受
送信日時:
Tue 08/23/2011 13:55 JST
南 政次先生、近内令一です。日本語にて失礼いたします。
本日正午前にメール便にてCMO#388拝受しております。コラボ
エッセイ、印刷されると結構大部ですね。
さて、天体望遠鏡ディーラーの笠井トレーディングのサイ
トのAstronomik社製フィルターによる作例写真集の頁で、初
めて見る火星画像に出会いました:
http://www.kasai-trading.jp/astronomikfilterfotos.htm
最下段の左から二番目の画像です。M RUIZというスペイン人
の5Jan2010
02h50GMTの画像で、Mead社製の25cmSCTを使用の
ようです。CMOのMars Galleryの同時期の画像データと比べる
と、日付けか撮像時刻に表示ミスがあるような気がします。
この画像はご存知でしたでしょうか。
また宜しくお願いいたします。
追伸:当地ではこのところ強めの余震が多く、そろそろ巨大
余震がくるか、と身構えております。
近内 令一
●・・・・・題名: Almanac
2012到着
送信日時:
Tue 08/23/2011 19:13 JST
南 先生
Astronomical
Almanac 2012がようやく大学生協に入荷しました。
明日取りに行きますので、コピーを夕方にはお持ちできると思います。
村上 様
火星関係は郵送します。
その他必要なページがありましたらお知らせください。
西田 昭徳
●・・・・・題名: Re:
LtE(英文)Now/
Mk
送信日時:
Tue 08/23/2011 14:02 JST
南 政次 様 前略失礼します。
メール拝見いたしました。
今黒点観測から戻ったところで、DGrの画像を上げてから、LtEを更新します。
>>Grayはコレで宜しいか?
code は DGrで結構です。リンクは繋がります。
それではまた。 草々 13:59 JST Mk
村上 昌己
●・・・・・題名:
Mo13Aug_11
送信日時:
Tue 08/23/2011 23:55 JST
本日#388届きました。有難うございました。
この間送ったメールは最初の言葉だけで後がどうしてか消えていました。
すみません。
最近は天候が悪く撮れていません。しょうがないので13日に撮った画像
を再処理して強調して見ました。こっちのほうが見栄えは良いようですが
どうでしょうか。
森田 行雄
●・・・・・題名: Arsia
Mons Cloud の論文
送信日時:
Wed 08/24/2011 00:04 JST
南 政次先生、近内令一です。日本語にて失礼いたします。
ただいまWeb徘徊中に結構面白い論文に躓いたのでご紹介い
たします:
http://webservices.esa.int/blog/post/6/785
著者はESAのMars
Expressのサイトの常連寄稿者のようです。
Mars
ExpressのVMCは軌道監視用カメラということで低解像
度ですが欠け際真上からの画像を頻繁に放出するので、law
dataを直接加工できる人には興味深いデータの宝庫と云える
のかもしれません。
当地の放射能問題については長期的展望で、身の振り方も
含めて熟考してみるつもりでおります。貴重なるご意見いつ
も有難うございます。
また宜しくお願いいたします。
近内 令一
●・・・・・題名: 木星 J110822
送信日時:
Wed 08/24/2011 00:46 JST
木星 J110822
屋上に風があり、ぶれた画像です。 SEBは中央が明るく、両側が複雑な模様。
阿久津富夫
●・・・・・題名:
Arsia Long Cloud
送信日時:
Wed 08/24/2011 22:44 JST
南 政次先生、近内令一です。日本語にて失礼いたします。
Mike
MALASKAの論文、ご参考になるとのことで幸いでした。
私はどうも、系統的に文献探検をするとロクな論文に出会わ
なくて、当ても無く蜘蛛之巣徘徊していると妖しい文献に引
き寄せられる能力(?)を持っているようです。
このMALASKAの論文も好く書けていて(専門家もヨイショも
あるかもしれませんがベタ褒めです)非常に面白く、勉強にな
りますが、かなりアヤしいところもある。…ナニがアヤしい
ったって、この長大な雲帯の長さをナンと142kmと見積もって
いる!…おいおい、アルシア山は直径400km以上だぜ。その径
の3倍分は西に向かって伸びているから、この雲の長さはど
う見たって1000km超だろ!? …しかもご丁寧に画像上に経度
線を入れて、「この雲は経度で15°分東西長があるから、
15°longitude=142km」と図3にも書き入れている。…おいお
い、経度15°分は赤道上で全周の1/24だろ。火星の大きさは地
球の半分として赤道全周は2万kmくらい。アルシア山は南緯
10°以内なのでcosは無視して2万/24=5千/6で、暗算でも
800km以上と分かっぱい!?(福島弁) 誰か指摘してあげればい
いのにと思います。
それはともかく、Discussionは面白く読みました。
朝方のアルシア雲を捉えた例は探せばたくさんあると思い
ます。ここに添付したのはやはりESA/Mars
Express/VMCの
9 Oct
2008の画像で、私の方で少し明るく調整してあります。
季節は多分λ=140°Lsくらいですから、前にご紹介したHSTの
17 May
1997 (λ=120°Ls)の明け方の欠け際の白雲と同様のも
のでしょうか。添付のこの画像ではタイトルのように、マリ
ネリスがcanyon
hazeになっています。タルシス三山は朝霧の
海からpoking
outしていて、なおかつアルシア山から西方に
雲が出ているという状態なのでしょうか?
アルシア山の季節的挙動が他のタルシス火山と若干違って
いることについての論文は複数ありますが、その原因を巧く
説明しているものは無いようです。MARCIの破れ風船貼り動
画はアホらしいと思いながらも面白いので好く見ていますが、
アルシア山は季節によっては昼日中にもかかわらず、実に多
彩な気象的様相を呈して見飽きません。千kmくらいの暗条が
西に伸びて、すわっ、噴火の火山灰か!?と魂消ることさえあ
ります。
火星はなんというか、大気が薄くて、ある意味気象現象が
単純で(地球や木星型惑星と比べてですが)的を絞って観察し
やすく、惑星規模の風洞実験を見ているような感を覚えるこ
とさえあります。タルシス五山の中でもアルシア山は南西と
北東に溶岩流の大規模な流出によるマウンドがあって(別な
噴出孔があったと考える人もいるようですが)、横から(南東
や北西から)見ると三つコブ駱駝のようなプロフィールをし
ているのでしょう。そのため“風洞実験”の際に他のタルシ
ス火山よりも少々複雑な流線が形成されて、白い帯や黒い帯
を引いたり、渦を巻いたり、菊花状の雲を生じたりするとい
う面もあるのかなと思ったりもします。惑星気象の風洞等を
用いたシミュレーションの研究は無いことは無いのですが、
これはというのはまだ見つけておりません。
HSTやMars
Expressのraw
dataをペリエのように加工できる
と非常に興味深い情報が得られると思うのですが、私のgoing
mad PCは画像処理ソフトを起動しただけで機嫌を悪くするの
でどうしようもありません。
また宜しくお願いいたします。
近内 令一
●・・・・・題名: CMO
#388 拝受
送信日時: Wed
08/24/2011 23:17 JST
南 様:本日、CMO/ISMO
#388届きました。いつもありがとうございます。
日中、博多へ出かけておりましたので、時刻は不明です。
8月20日に三女が台湾へ行き、無事到着しました。台北市の南港区に
お世話になるようです。
入れ替わりに、我が家でお預かりする留学生が21日に到着しました。
高校は古賀市なのに、制服の取り扱いは博多のお店で、採寸と購入に
博多まで出かけました。冬服と夏服が違うお店で面倒でしたが、
無事購入できました。
今週はこの留学生(楊さん)の対応に追われています。
お礼まで。
淺 田 正
●・・・・・題名: 火星画像 Ak22Aug11
送信日時: Fri
08/26/2011 00:25 JST
南様、8月22日の火星です。 気流が悪く、FLを落としました。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2011/110822/Ak22Aug11.jpg
阿久津 富夫
●・・・・・題名:
Mo24Aug_11
送信日時:
Sun 08/28/2011 00:54 JST
24日分をお送りします。やっと晴れ間が出てきて撮ることが
できました。Seeingは余り良いとは言えませんが、まずまずの
4/10ぐらいでしょうか。26日も撮れましたがもっと悪く、今から
処理します。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2011/110824/Mo24Aug11.jpg
少し強調処理してありますが、このぐらいが限度でしょうか。
あまり強すぎないようにしています。眼視では良く見えません
でした。
森田 行雄
●・・・・・題名: 火星画像 Ak29Aug11
送信日時:
Tue 08/30/2011 21:24 JST
南様、今朝の火星です。気流が良く、小さいながらもしっかり見えていました。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2011/110829/Ak29Aug11.jpg
阿久津 富夫
●・・・・・題名: 木星 J110831
送信日時:
Sat 09/03/2011 11:36:14 JST
木星 J110831
8月最後の木星画像。雨が降る時が多い割には晴れ間があり、撮像日が多かった。
SEBZには白雲の塊(II=110くらい)があり、一寸気になる。メタンバンドでも少し明るい。
GRS前方の従来のSEBsに小さな白斑が連れだって見える。それらがGRSへ進み、吸い込まれてしまう。 GRSの外側に呑込まれる白斑が分かる。またGRSの後方に明るい白斑も見える。
NEBのDark
barはきわめて濃い色で形も変化している。内部が明るい。
阿久津 富夫
●・・・・・題名: CMO#389巻頭エッセイ初稿拝読
送信日時:
Tue 09/06/2011 00:52 JST
添付ファイル: Dawn Terminator Clouds West of Lowell Crater .JPG
南 政次先生、近内令一です。日本語にて失礼いたします。
#389巻頭エッセイ初稿拝読いたしました。これほど面白いエ
ッセイがあるか、というくらい面白いですね!(私はお世辞
と社交辞令は嫌いです)。非常に重要な考え方が幾つも示さ
れていると思いますので、一週間ほど考えさせていただけな
いでしょうか?
たとえば、DsとDeの差異が衝効果に与える影響については
私はまだよく理解できていません。
またOM山体上のspecial
materialは太陽光を拡散的に(散光
として)広角に反射するのではなくて、再帰反射的(retrore-
flectively)に光源方向に非常に強い指向性を持って反射する
性質を有しているのだと思います…それでないと、Nix
Olym-
picaが衝近傍の位相角の非常に小さい期間に限られることの
説明がつきません。
斜交いに非常に低い(小さい)角度で見ると楯状火山の山体
が鏡のような役目をする、というのは恐ろしく面白い考え方
ですね。私は逆に考えていました(火星像周縁に近い位置では
楯状火山のこちら側の山腹の方が太陽に対する角度が大きい
ので、向こう側の山腹より明るく照らされて見えると)。こ
れはよく考えてみたいですね。本当に周縁ぎりぎりだと空(宇
宙空間)が映って黒く見えるかもしれない。
CMO
09/10 Mars Note(19)についてですが、南先生の結論と
ほぼ同様のことを、ペリエが先月号の共著エッセイのFig.10
の説明の件のところで述べています:
『…2010年1月下旬の衝の頃は山岳雲の活動期に入っていて、
Bright
Elysiumを示す画像を探し出すのは非常に困難だった。
やっと見つけたEMrとWFlの二葉の画像ではEMは明るく認め
られるが、その輝きは2007年のPCqの画像に見られるEMに比
べて弱々しい。この季節になんとかBright
Elysiumの実例を
見つけることができたのは、ひとえに撮像当日にたまたまこ
の地域での山岳雲の活動が無かったとは言わないまでも、非
常に弱かった(少なくとも陽の高い間は)賜物だろう…』
ということで、衝近くの火星像中央付近でこれほど難しい
ので、この季節に欠け際近くで裸のBright
Elysiumを見るの
は極めて困難なのではないでしょうか。高解像度のB画像が
ないと確定診断はできないと思いますが、この時期に夕暮れ
の欠け際近くで綺麗に見られる鮮明な小輝斑は、南先生も述
べられているような、EM本体をPinpointingする“Bright
Elysium-Summit-Cloud”の可能性が高いのではないかと思い
ます。
巻頭エッセイ初稿についてはできるだけ早くコメント差し
上げたく存じます。
また宜しくお願いいたします。
追伸:Arsia Monsではありませんが、明け方の欠け際で複雑な様相で記録された東西に長い雲の画像を添付いたします。
やはりMars
Express/VMCの画像で、季節はλで100°Lsと少し。
多分Lowellクレーターから西にボコボコと雲が連なっている
ように見えます。このあたりの期間で連日見えているような
ので、この緯度帯を昼夜全周取り巻く雲帯を形成している可
能性もあるのでしょうか。
近内 令一
●・・・・・題名: 於衝時火星巨大火山蔭付立体像可視性的説明図
送信日時: Fri
09/09/2011 23:33:56 JST
添付ファイル: Relief Martian Volcanic Mound visible at
Opposition.jpg
南 政次先生、近内令一です。日本語にて失礼いたします。
先月号の拙英文LtEで衝時でも火星像周縁部で巨大火山の蔭り
付き立体像が見えるという暗室内実験を紹介しました。その
時に説明図を作ったのですが、その辺にあった白色厚紙に手
書きしたので大き過ぎて私のスキャナーに収まり切れず、と
いうドジを踏みました。本日近所の文房具店で縮小カラーコ
ピーしてスキャンしたものを添付いたします。
欠け際を基準にして、
De〜Dsも考慮した一般式的考察もで
きるのですが、簡便を目指してι=absolute0゜、すなわち火
星中心から見て太陽面のど真ん中を地球が日面経過している
という条件下を想定しました。火山山体も単純な円錐型とい
うことで:
火星像の周縁に近い位置の火山で:
(1)太陽高度が火山の山腹の傾斜角より大きいと、地球/
太陽から遠い側の蔭っている山腹も地球から見える。
(2)山体が急峻で山腹の傾斜角が太陽高度より大きくなっ
てしまうと、遠い側に太陽光の当たらない真の蔭が形
成される。しかし地球から見ると火山の山体自体がこ
の蔭を隠してしまって蔭は見えない(shadow
hiding)。
従って「傾斜が緩やか」というところがミソ、衝時でもlimb
近くで火星の巨大火山の蔭り付き立体像が見えることとなり
ます。実例はHSTの画像や、CMOのギャラリーにも多数見られ
ます。例えば29Aug2003
06h30mGMTのGeorge HALLの画像など。
Nix
Olympicaについては近日中にメール差し上げたく存じ
ます。
また宜しくお願いいたします。
追伸:14Nov2005
04h07mGMTのBill FLANAGANの秀逸なLRGB画
像のOlympus
Monsには山腹でなくて、東側と北側のcliffに
上記機序による蔭りが出て、立体台地のようにも見えている
感じがするのですが如何でしょうか?
追追伸:先日Web徘徊中に出会った泣かせる論文をご紹介いた
します:
http://www.yonago-k.ac.jp/tosho/research_rep/archives/42/pdf/Wright_Effect.pdf
国立米子工業高等専門学校科学クラブの諸氏には敬意を表し
たいと思います。
近内 令一
●・・・・・題名: 木星 J110909
送信日時:
Sun 09/11/2011 12:08:43 JST
木星 J110909
曇りの晴れない天気が続き、やっと晴れた朝の木星、GRS前方の画像です。
阿久津富夫
●・・・・・題名:
Mo06Sep_11
送信日時:
Sun 09/11/2011 21:58:23 JST
06Sepをお送りします。最近はなかなか時間が取れず、又、朝方には曇っている場合が多くすっきりとはしません。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2011/110906/Mo06Sept11.jpg
相続の話もうまくいかず、とうとう今の昔から続いた診療所も出て行かなければならなくなってしまい、近くに新たな場所を探して移転の準備をしていてなかなか時間も取れず苦境に立たされています。もう少ししたら少し落ち着くと思います。それからならゆっくり処理も出来ると思いますので、もう少しお待ち下さい。
森田 行雄
●・・・・・題名: 火星画像 Ak09Set11
送信日時:
Sun 09/11/2011 22:28:17 JST
南様、9月9日の火星です。高度が少し、上がり、火星の揺らぎが少し、少なくなってきました。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2011/110909/Ak09Sept11.jpg
阿久津富夫
●・・・・・題名: 火星 Ak11sep11
送信日時:
Tue 09/13/2011 09:30:59 JST
南様、おはようございます。部屋のインーネット接続不能になり、オフイスからおくります。
http://www.kwasan.kyoto-u.ac.jp/~cmo/cmons/2011/110911/Ak11Sept11.jpg
阿久津 富夫
● ・・・・・題名: 木星 J110911
送信日時:
Tue 09/13/2011 10:02:52 JST
木星 J110911
左端にはBAがあり、総じて安定している。この経度ではSEBの幅が広い。従来のSEBsの南にもう一本拡張し、ベルトの色が違う。
NEBnのWSZはメタンでは目立たないが、UVでは明るい。
ガニュメデの模様が、眼視でもよく判る。
阿久津 富夫
●・・・・・題名:
Nix Olympica;what shines is her bare
skin? her makeup? or her thin clothing?
送信日時:
Tue 09/13/2011 21:47:54 JST
南 政次先生、近内令一です。日本語にて失礼いたします。
「雪の女神;輝くのは素肌か?化粧か?それとも薄衣か?」
…やや艶っぽいタイトルですが、雑誌連載コラム用に書き溜
めているエッセイのタイトルのひとつです。
山岳雲の薄衣はS&Tの誤解に対する南先生のレッドカード
の通りで、季節的にも、またB光画像の所見からも考え難い
でしょう。
南先生は『素肌』、すなわち干渉に近い反射特性を持つ火
山性の地肌を有力候補と考えておられるようですが、私は
『化粧』にも可能性があると考えています。
ぺリエは『雪化粧(霜化粧?)』と考えているようですが、
B光画像の所見からはどんなもんでしょうか?
私は『粉化粧』すなわち山体に降り積もったダストが怪し
いと睨んでいます。そう考える理由は幾つもあるのですが、
ひとつ挙げれば火星のダストの細かさ。「タルカムパウダー
より細かい」と形容されるように、サブミクロンに至る径の
微粒子で構成されています。粒子の鉱物学的性状にもよりま
すがサイズの旨く揃ったダスト粒子が山体表面を覆えば、強
烈な再帰性反射を生じるcoherent
backscattering effectを
起こす可能性が考えられるでしょう。この点で南先生と同様
に私も干渉効果の関与を考えています。因みにアポロ宇宙船
の数々が持ち帰った月面で採取したsoil
samplesが強いco-
herent
backscatterを示すことが知られています:
http://www.sciencemag.org/content/260/5107/509.abstract
都合の好いサイズの揃ったダスト粒子が選択的に降積する
か?という点に関しては、タルシス四山やエリュシウム山の
高さが関与しているかな?と想像しています。高度が高いほ
どより細かい粒子が漂うだろうという考え方です。これは既
にCMO#380の拙エッセイ中で言及しています:
“Montes
Olympus, Ascraeus, Arsia and Pavonis
are
ranked
as the top four in order in the list of
mountains
on Mars by height, followed by the fifth
Elysium
have
also shown prominent antisolar brightenings
at
certain oppositions simultaneously with Tharsis
Volcanoes.
Their extremely high elevations might
have
contributed to the selective sedimentation of
finer
airborne dust particles thrown up in recent
storms
to produce stronger coherent backscattering
phenomena.”…そう言えば2005年には衝直前にdust
event
がありましたですね。
2005年の衝近傍のDPcやWFl他の高解像度の画像を見ると、
輝くOlympus
Monsの本体の内部に輝度の差によるディテー
ルが明瞭に認められ、それが日毎にかなりの変化を見せて
います。これも沈積したダストの移動によると考えた方が
説明しやすいのではないでしょうか?…もっとも、「輝く
山体を輝かないダストが色々なパターンで覆ってディテー
ルが変化する」という逆の考え方もできるかもしれません
が。
述べる順序が逆になりましたが、衝の時に火星の巨大な
火山が輝く機構について。ぺリエも共同エッセイで言って
たような、通常の鏡のような働きをする楯状火山の山体が
角度の具合が好くて地球に向けて光を反射するという考え
方には、南先生もご指摘の通りかなり無理があると思われ
ます。鏡の反射ならば、ディスコかキャバレーの天井の真
ん中でスポットライトを浴びて全方位に無数の光ビームを
放って回転しているミラーボールの表面のたった1枚の特
定の小平面鏡からの反射ビームがこちらの眼に入ってくる
のを待つようなもので、それこそエドムじゃないけど千載
一遇の一瞬ピカリということになるでしょう。それにそも
そも伏せ盾状もしくは円錐状の大きな鏡が地球に対する向
きを変えながら朝から夕方までほぼ一様に輝くのも理解が
難しい。
衝効果についての一般的な説明の最初に来るのはshadow
hiding、すなわち観察者を挟んで光源と正対する領域の凹
凸の突出部が自分で自分の蔭を隠して、少し離れた周囲の
領域の蔭が見える部分よりも明るく見えるという現象です。
衝の時に太陽を背負って地球から眺める火星の視直径はた
かだか25秒角で極狭小域ですから険しい凹凸については火
星像全面『蔭隠し』で、位相角の大きい時に比べて満火星
全面がギラギラ眩しいということになりましょう。
その満火星の明るい砂漠の真ん中でOlympus
MonsがNix
Olympicaとしてピカピカとひと際明るく西端から東端まで
ずっと輝くということですから、光源方向に最小限の散乱
で光を反射し戻す強力な再帰反射板(retroreflector)のよ
うな状態がそこにある、というのが最も単純な説明となる
と感じます。
夜間車を運転しているとartificial
retroreflectorの
応用例を常に目にします。ヘッドライトにギラギラ浮かぶ
道路標識、前方を走る自転車の後尾に輝く反射シート等々。
…市販の自転車用後尾反射シートを切り抜いて火星儀の
Olympus
Monsのところに貼り付けて、朝昼夕の角度で満火
星の照明条件で撮った画像を添付いたします。再帰反射シ
ール面の光源に対する角度の変化にかかわらず、こちらに
綺麗に輝き返している様子が窺えるでしょうか。
CMO#378
2009/2010 CMO Mars Note(6):Why Was
Mons
Rather Silent in the 2010 Apparition?で南先生が
指摘されたように、衝時にほんの僅かでもmistあるいは薄
雲がかかるとOMが著しくdullくしか見えないこともretro-
reflectionと考えれば説明がつきます。すなわち、再帰性
反射は光源が小さく鮮明なほど光源方向に効率好く光を送
り返します。薄い霧や雲がかかればOMからみて太陽は暈を
被ったdiffuseな広面積の光源となり再帰反射効率はそれだ
けで著しく低下するでしょう。その弱まった再帰反射の輝
斑を地球からはさらに霧や薄雲のveilを通してdiffuseされ
た像として観察するわけです。往き返りと往復ビンタを喰
らうわけで、雲霧のveiling効果は累乗以上で効くこととな
り、僅かな雲霧でも影響が甚大になると考えられます。…
これもいずれ、火星儀のOMの再帰反射シールの前に半透明
の散光シートをかざして実験してみるつもりです。
DustあるいはOMの地肌によるCoherent
backscatter ef-
fectの直接的あるいは間接的証明についての考察は将来ま
とめてみたいと考えています。
南先生も今期の火星観測を開始されるとの由、お体に応
えませぬようどうぞご自愛下さい。
また宜しくお願いいたします。
近内 令一
●・・・・・題名: 木星 J110914
送信日時: Fri
09/16/2011 12:41:29 JST
木星 J110914
左端にBA。SEB内部に見えていた、Bargeのような模様(3個)は小さくなってきました。
阿久津 富夫
●・・・・・題名: 木星 J110915とanimation
送信日時: Sun
09/18/2011 22:22:39 JST
木星 J110915
GRSの出現からの画像ですが、曇り、途中で断念。気流が悪く、仔細はわかりません。
衛星のイオの本体と影の移動がわかります。イオ本体は南北が暗い。
阿久津 富夫