CMO 2009/2010 Mars Report #19

 

・・・・・最早、今期の観測期も最終段階で、火星の高度も低くなり、観測が難しくなっている。その中で、森田行雄(Mo)氏のみが連続観測を試みた。今期は

16 July 2010 (λ=119°Ls) から15 August 2010 (λ=133°Ls)

迄であるが、視直径は4.9"から4.5"に落ちている。特に視赤緯は4°Nから3.6°Sと落ち、日没時に見付けないと観測が適わない。中央緯度φ26°N、欠け(位相角ι)33°から28°となっている。七月17日に梅雨明けになってから、酷暑が續き、三國でも八月5日に38.6°Cとなった。

                             

・・・・・今回拝受の報告は次の通りである。

  

MAKSYMOWICZ, Stanislas

                スタニスラス・マクシモヴィッツ (SMk) フランス Ecquevilly, France

       2 Sets of Drawings (17, 25 July 2010)  300×20cm Cassegrain

  

MINAMI, Masatsugu 南 政 (Mn)  福井 Fukui*, Fukui, Japan

       4 Drawings (18, 26 July 2010)   400×20cm F/12 Goto ED refractor*

  

MORITA, Yukio 森田 行雄 (Mo)  廿日市 Hatsuka-ichi, Hiroshima, Japan

      11 Sets of RGB +11 LRGB Colour +11 L Images

(17, ~ 19, 21, ~23 July; 1, 6, 15 August 2010) 

                         25cm speculum @f/85~90, 60 with a Lu-075M

 

NAKAJIMA, Takashi   (Nj)  福井 Fukui*, Fukui, Japan

       4 Drawings (18, 26 July 2010)  400×20cm F/12 Goto ED refractor*

                     (*Fukui City Observatory 福井市自然史博物館屋上天文台)

 

・・・・・今回はMo氏の観測が中心なので日を追って描く。17July(λ=120°Ls)にはω=063°Wで、マレ・アキダリウムが濃く、北極冠は明確、アウロラエ・シヌスあたりも濃く、朝霧の強いのが目立つ。18July(λ=120°Ls)にはω=050°W054°Wであるが、稍シーイングは悪いものの前日と似ている。福井(Nj&Mn)では日没前のω=038°Wから053°Wまで観測したが、Mo氏の結果と同じくマレ・アキダリウムが濃く、夕縁も明るい。北極冠は明るく見える。Mo氏の19July(λ=120°Ls) ω=043°Wも同様だがノアキスが東端に見えだした。21July(λ=121°Ls)ω=023°Wではシヌス・メリディアニが見え、北極冠が顕著、朝霧がニリアクス・ラクスまで空色に張りだしている。22July(λ=122°Ls)ω=013°Wではシヌス・サバエウスまで見え、Rで北極雲が円い。Bでは朝霧が濃い。23July(λ=122°Ls)ω=008°Wではマレ・アキダリウムがだいぶ朝方に移った。北極冠あたりは大きく円い。24July(λ=124°Ls)には福井(Nj&Mn)ω=325°W~340°Wまで観測した。夕方のシュルティス・マイヨルは濃く、夕端のリビュアには濃い霧、北極冠は見える。ヘッラスは傾きの所爲か冴えない。Mo氏の1Aug(λ=127°Ls)ω=270°W275°Wでは蒼いシュルティス・マイヨルが朝方に見える。ヘッラスは稍明るい。Rではウトピアも明確だが、カラーでは淡い。6Aug(λ=129°Ls)ω=226°Wは模様の少ないところ、北極冠もぼやけている。15Aug(λ=133°Ls)ω=131°Wでは南東端に暗色模様が少し見えるかといったところ。北極冠はRGBで見える。

 一方マクシモヴィッツ(SMk)氏は17July(λ=120°Ls)ω=191°W~197°W25July(λ=123°Ls)ω=115°Wでスケッチしている。前者では特徴がないが北極冠域が大きい。後者ではソリス・ラクスの辺りが濃く、マレ・アキダリウムが沈みかけている(Wr#11使用)                                                                                           

 

・・・・・ 次号では八月後半の観測(最終)を扱う予定である。

  次・村上 昌己


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